肝臓がん(手術,ラジオ波,など)ー知っておくべき治療法②

肝臓がん(手術,ラジオ波,など)ー知っておくべき治療法②

肝臓がんとは

 

「え…?肝臓がん?!今まで何も症状なんてなかったのに…」

 

このように、突然の肝臓がんの診断に、驚かれる患者さんは少なくありません。

肝臓は数多くの重要な役割を担っているにもかかわらず、昔から「沈黙の臓器」と呼ばれてきました。(膵臓もそう呼ばれています。)これは、よほどがんが進行していない限り、痛みや違和感など、明らかな自覚症状が出にくいからです。

そもそも肝臓がんは、肝臓そのものから発生した「原発性肝臓がん」と、他の臓器からがんが転移した「転移性肝臓がん」に分けられます。

さらに前者の「原発性肝臓がん」は、以下の3つに分けることができます。

①実質の部分から発生した肝細胞がん

②肝臓内の管の部分から発生した胆管細胞がん

③その他の部分から発生するがん

通常、肝臓がんと言うとほとんど(9割以上)が①の肝細胞がんです。その背景に慢性肝疾患を基礎疾患として発生することが多く、約7割がC型肝炎、約2割がB型肝炎、その他はアルコール性肝機能障害を基礎疾患としています。その後、肝臓の線維化が進行し肝臓が硬くなる、つまり肝硬変になります。

このように、基礎疾患→肝硬変→肝細胞がんという経過をたどる方が多くみられます。

 

肝臓がんの治療法には色々な選択肢が

肝臓

肝臓がんの治療法としては主に手術、経皮的局所療法、肝動脈化学塞栓療法、肝移植、化学療法などが挙げられます。そして、ガイドライン上は、「肝臓の障害の程度」、「腫瘍の数」、「腫瘍の大きさ」、によって治療方針が決まります。ざっくり申し上げると下記のようになります。

  • 肝臓の障害が進みすぎていると治療ができない(肝移植はできる可能性)
  • 腫瘍の大きさが大きすぎる(3cm以上)と局所的な治療ができない(開腹手術になる)
  • 腫瘍の数が多すぎる(4つ以上)と根治は難しい(緩和ケアや化学療法になる)

ここでは、治療法としてどのような選択肢があり、それぞれがどのようなものなのかをご理解いただければと思います。

① 手術

最も確実にがんを取り除く方法は、がんごと肝臓の一部を外科的に切除すること(手術)です。どのくらいの大きさの肝臓を切除するとがんを取り除けるのか、どのくらいの大きさの肝臓を残せば生活することができるか、手術を行う前に肝臓の状態を十分評価してから、それぞれの患者さんにあった手術を計画します。肝臓の血管の走行を考慮しながら切除するので、腫瘍よりもかなり大きめに、肝臓の1/8〜2/3程度を切除します。

② 経皮的局所療法

経皮的局所療法には、経皮的エタノール注入、マイクロ波凝固療法、ラジオ波焼灼療法があります。それぞれ原理は異なりますが、いずれも経皮的に(お腹から皮膚を通して)肝臓に針を刺し、腫瘍とその周囲のみを壊死させる方法です。ラジオ波焼灼療法の予後が良いとされているため、現在、経皮的局所療法のなかではラジオ波焼灼療法が標準的治療となっています。「局所」という名前の通り、手術と違って腫瘍の周囲のみにダメージを与えるので、残った肝臓に対する影響が小さくて済みます。ラジオ波は熱でがん細胞を破壊するので、腫瘍があまり大きいと効果が落ちてしまいます。

③ 肝動脈化学塞栓療法(TACE)

がんに栄養を送る動脈をゼラチンなどの固形塞栓物質でふさぐことで、腫瘍を壊死させることができます。これを冠動脈塞栓療法(TAE)と呼びますが、この塞栓物質にさらに抗がん剤を加えて塞栓を行う方法があり、これを冠動脈化学塞栓療法(TACE)と呼びます。栄養を送っている動脈がわかる限り、比較的肝臓の状態が悪くても、がんの数が多くても可能な治療です。

④ 肝移植

他に治療法のない患者さんが、肝臓の切除を行い、ドナーから肝臓を移植する方法です。ただし、全ての肝臓がんが肝移植の適応となるわけではありません。がんが進行しすぎると、肝移植をしても再発する確率が高くなるため、肝移植が不可能になります。保険が適用されるのは、肝臓がんが「3 cm、3個以内」、または「5 cm、1個」という「ミラノ基準」に適合したケースの方です。

⑤ 化学療法

肝臓がんの数が多すぎるなど、手術や局所療法が適応でない患者さんに対する治療法です。ソラフェニブという比較的新しい薬剤が使用されています。これは、がん細胞が増殖するために必要な分子や、がんの血管を作るときに必要な分子を標的として、抑制する役割をもっています。ただし、下痢、高血圧、腹痛、倦怠感、手足症候群などの副作用が多いというデメリットもあります。ほかの薬剤も組み合わせることで、より効果的な場合があります。

⑥ 緩和ケア

緩和ケアは説明が不要かと思いますが、他の治療の適応がない場合、もしくは望まれない場合に、痛みやだるさなどを緩和する治療になります。以前の記事でも少し触れましたのでこちらもご覧ください。

 

それぞれの治療法のメリット・デメリット

それでは最後に、上記に挙げた6つの治療法について、それぞれメリットとデメリットをご説明します。

肝臓がん治療法

このように、ひとえに肝臓がんといっても様々な治療法があり、それぞれの治療法の特徴があります。

「あのドクターには、この治療法が良いと言われたけど…本当にこれが最適な治療法?」と、ひっかかる時、疑問に思う時は、上記で挙げた治療法の概要やメリット・デメリットを理解したうえで、他の治療法が可能ではないかどうか、改めてドクターに相談してみましょう。

 

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