双極性障害は受診を勧めたことが刺激になることも

双極性障害は受診を勧めたことが刺激になることも

双極性障害はエネルギーに溢れ、気分が上向いた躁状態と興味や意欲が低下したうつ状態の両方が現れる病気です。ここでは、双極性障害でみられる症状についてご紹介します。

双極性障害の症状

躁状態

躁状態は爽快な気分で自信に満ちあふれ、意欲も高いのでいろいろなことに手を出したり、睡眠もとらずに活動したり、生活リズムが乱れることもあります。また、抑制がきかず尊大な態度で振る舞うこともあり、あちこち動き回る(多動)、しゃべり続ける(多弁)といった行動変化も多いです。

見聞きしたものに簡単に注意が移ってしまい(転導性の亢進)、話している内容もコロコロと変わるなど話のまとまりを欠くことも少なくありません。些細なことで興奮して怒鳴ったり、攻撃的になったりするので、仕事や社会的地位を失うほどのトラブルに発展することもあります。

躁状態がひどくなると「自分は超能力者だ」など誇大的な妄想が現れることもあり、患者の身の安全や家族など周囲を困らせることが多くなったときには入院して治療を行うことも必要です。

さらに、買い物や性欲にも抑制がきかず、安易に高額な買い物をしたり、同じ物をいくつも買ってしまうなどの浪費をしたり、性的な逸脱行動がみられることもあります。食欲も亢進し、食べる量は多くなりますが、過度に活動的なため体重はむしろ減少するのが一般的です。

軽躁状態は、躁状態に比べて症状の軽さだけでなく、症状が現れる期間も短い傾向があります。また、周囲とのトラブルなども少なく、患者さん自身も気分がよく、普段よりも自信があり、意欲的に活動できるので「調子がいい」と口にすることが多いです。

●躁状態のときは病気の自覚がもちにくい

躁状態は一般に病気の自覚(病識)がもちにくいといわれています。特に、軽躁状態は「普段とは違う」と感じながらも大きな問題を起こす訳ではないので、患者さん自身も、周囲の人も「以前よりよくになった」と捉えがちです。

そのため、軽躁状態の場合は受診につながりくい面があります。ある調査によれば、双極性障害の6割以上はうつ状態のときに治療を開始しており、ほかには躁状態でトラブルを起こして周囲が連れてきたというケースが多いようです。

軽躁状態の気づきにくさは、診断にも影響することがあります。患者さんの多くは軽躁状態の自覚が乏しいため、医師から過去に躁状態の症状があったかをいくつか具体的に尋ねられても「そういうことはなかった」と答えることが少なくありません。

そのため、当初は「うつ病」と診断され、治療中に躁状態や軽躁状態が現れることによって診断が「双極性障害」に変わるということもあるのです。

うつ状態

うつ病と双極性障害は別の病気ですが、うつ状態については共通した症状が認められます。
これまで興味があったことにも興味や関心がもてず、楽しめたことも楽しめない、やる気も起こらなくなり、ミスが多くなったり、身支度もだらしなくなったりといった変化が多いです。

食欲や睡眠、性欲に影響することも多く、たとえば、食欲がなくなることもあれば、逆に過食になることもあります。また、考え方も悲観的となり、「自分はいない方がいいのでは」、「いっそ死んでしまいたい」などの希死念慮が浮かび、実際に自殺で亡くなることも少なくありません。

移行期に多い混合状態にも注意

躁状態や軽躁状態は、うつ状態と一緒に現れることもあります。躁状態からうつ状態へ、逆にうつ状態から躁状態に移行するときには混合状態と呼ばれる二つの状態が混じり合った状態となることも多いです。行動的な面がありながらも、憂うつな気分や不安感が強い場合もあります。

一見、自信がありそうで調子がよいようにみえるので、周囲も安心しがちです。しかし、躁状態からうつ状態に転ずるとき(うつ転)は、躁状態での取り返しのつかない事態を後悔する気持ちや不安、焦燥感などが強く、自殺が起こりやすいといわれています。

うつ状態に比べて躁状態の場合は周囲が受診を促しても本人は嫌がることが多く、受診を勧めたことが刺激になって家族に対して攻撃的になることもあるでしょう。もし、家族から見て気になる症状がある場合には医療機関に受診の促し方を相談し、早期の治療につなげてください。

 

次のコラム「双極性障害の治療では躁・うつ状態の症状が長くならないように再発予防!」では、双極性障害の治療法を紹介しています。家族として病院で診てもらってほしい気持ちはありつつも、それが刺激になることもあるため、なかなか簡単な問題ではありません。

 

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