心不全は年間600件以上を診療する病院で、専門医から治療を受けることをお勧めします。

心臓は臓器に栄養素や老廃物を運ぶポンプ
心臓は、全身に血液を送り届けるポンプとしての役割を果たしています。
血液中には、酸素や栄養素などの身体にとって必要なものと、二酸化炭素や老廃物など不要なものが溶けています。こうした必要なものや不要なものを、身体中の臓器や筋肉などの組織に運搬するための役割を心臓が持っています。
肺では空気中の酸素を体内に取り込み、身体の臓器で代謝された二酸化炭素が肺から体外に排泄されます。酸素に富んだ血液は身体の各臓器に必須なものであり、ポンプ機能を持つ心臓が全身に血液を運ぶことで臓器は酸素を手に入れることができます。
また身体の中の老廃物は、尿として体外に排泄される必要があります。尿は血液中の老廃物が腎臓で濾過されることで作られます。血液中の老廃物を腎臓へ送る際に、心臓のポンプ作用が非常に重要なのです。老廃物の溶けた血液が、正常に腎臓に届けられることで尿が生成され、身体から老廃物が出ていくことで私たちの健康は維持できるのです。
以上のように、心臓がもつポンプ機能は各種臓器が正常に働くに際して、縁の下の力持ち的な役割としてとても重要なのです。
心不全になると腎臓や肺の機能が下がる
心臓のポンプ機能が低下して、血液がうまく循環しなくなる状態のことを「心不全」と呼びます。心不全が起きると各種臓器がうまく機能することができなくなります。
例えば、肺がうまく機能することができなくなると呼吸困難などの症状が現れます。また腎臓の機能障害が生じると尿の産生が低下し身体に老廃物が貯まり、身体のむくみや不整脈などの不具合が生じるようになります。
心不全が起きる原因として代表的なものは心筋梗塞です。心筋梗塞は心臓を栄養する動脈に障害が生じ、心臓がうまく酸素を活用できなくなってしまうことで生じます。現在の日本においてがんに引き続く死因第二位を占めるほど、健康保健上とても重大な疾病になります。
その他、弁膜症や不整脈、心筋症、甲状腺機能亢進症など心不全の原因は多岐に渡ります。
心不全の治療では、原因の特定が一番重要
心不全の原因は多岐に渡るため、原因に対して特異的な治療法を選択することが重要です。
最も頻度が高い心筋梗塞を例に取ると、冠状動脈と呼ばれる心臓を取り巻く血管にステントと呼ばれる筒状の金属を埋め込むことが有効な治療法の一つです。また心臓には弁と呼ばれる、血液の逆流を防ぐ組織があります。この弁に異常がある場合、血液が正しく全身に循環せず、臓器や組織が必要な栄養を手に入れることができません。そのため弁の機能不全がある際には、症状に合わせてが薬が投与され、重症で薬での回復が難しい場合は手術での治療を行います。
一方、心不全の治療法には原因によらず共通のものもあります。具体的には、利尿剤と呼ばれる尿の排泄を促進する薬を使用することで、身体のむくみを軽減させたり、心臓の負担を軽減するために「アンジオテンシン変換酵素阻害薬」や「ベータ遮断薬」と呼ばれる血圧を下げる薬などが使用されることもあります。
これらの治療方法を適切に組み合わせて治療していくことが、心不全の治療では非常に大切になります。
心不全経験件数と治療成績との関係とは?
今回ご紹介するのは、心不全治療件数と治療成績との関連性を調べた論文です。この論文では2009年1月~2013年12月の約5年間に、アメリカ合衆国ニューヨーク州内198施設で心不全の診断名で入院治療を受けた300,972症例を対象としており、治療実績数と入院時死亡の関係性について調査が行われています。
対象となった期間の間に、計12,540件(4.2%)の入院中死亡数が確認されました。論文中では治療実績数に応じて病院を三つのカテゴリーに分類ました。
- 治療実績が少ない病院(計1,718件以下/5年)
- 治療実績が中程度の病院(1,721~3,080件以下/5年)
- 治療実績が高い病院(3,090件以上/5年)
その結果、治療実績が少ない病院と比較して、治療実績が中程度及び高い病院においては、それぞれ約30%から50%も有意に死亡数が少なくなることが分かりました。
心不全の治療件数を基準として名医を選ぶとよい
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