医者にスマホで健康相談ができるーレバノンeTobb(イートブ)

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[投稿日] '16/10/26 [最終更新日] '18/03/18 474views
医者にスマホで健康相談ができるーレバノンeTobb(イートブ)

アラブの医師に直接、健康相談

今回ご紹介するのは、医者と簡単に健康相談することができるeTobbというレバノン発のサービス。

医師が会員から寄せられた質問に回答します。匿名制なので、直接聞きづらいプライベートな質問も可能です。また、スマートフォンやケータイから24時間いつでも質問できるので、多忙でなかなか病院に行けない方にもおすすめです。

名前、性別、誕生日、メールアドレスを入力してアカウントを取得すると、すぐに医師へ質問ができ、複数の医師から回答を得ることができます。

eTobbのサービスは無料版と有料版に分かれています。

無料版は医者に150文字までの質問を送り、回答を得ることができるだけですが、1回の質問につき6ドルを支払う有料版では、2,000文字までの質問を送ることができたり、血液検査、X線写真を添付することもできるので、専門医からアドバイスを受け取ることができます。また、医師からの回答の優先順位を受け取ることもできます。

最近、ビデオ通話ができる機能も追加されました。

1,000人以上の医師の出身校、専門、回答一覧、評価などの情報も公開されており、直接医師のもとへ受診しにいくこともできます。

 

eTobb—これまでの軌跡

eTobbは2013年にレバノンでポール・セイバー氏によって設立されました。これまでに500 Startups、Hala Fadel、Louay Al Kadri、Oasis 500、Seeqnceなどから約3,400万円の出資を受けています。

アラブ諸国では、医師に診察を受けるのが簡単ではありません。

現在でも多くの場合、家庭医に診察を受けるだけできまりが悪いと考える人々も多く、家族や近所の人々同士で互いに相談し、健康問題を解決しようとします。

しかし、現在eTobbでマーケティングディレクターを務めているサラ・ヘルー氏の「ひどい腰痛」に関しては、知人に聞いても、いくらGoogleで検索しても、解決できませんでした。

そのため、高校の同級生で現在eTobbの最高経営責任者であるセイバー氏と一緒に、ベイルートのスタートアップ・アクセラレーター Seeqnce(シークンス)へ、現在のeTobbの元になるアイディアを提出しました。そこで、後にeTobb技術責任者を務めることになるジャッド・ジョウブラン氏と出会います。

Seeqnceでの経験をもとに、彼らは徐々に登録医師を増やし、現在の形へと進化していきます。

これからは、保険会社との取引も進めていく予定だといいます。

 

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eTobbの類似サービス

First Opinion

以前、別の記事でご紹介したFirst Opinion

2013年に米国に設立された、医師とチャットできるアプリケーション。これまでにPolaris Partners、True Ventures、Felicis Ventures、Greylock、500 Startups、Yuri Milnerなどから総額860万ドル(約10億円)もの出資を受けています。

ZocDoc

2007年に創業し、米国のヘルスケアスタートアップブームを牽引したとされている診察予約サービス。これまでにFounders FundやKhosla Ventures、SV Angelなどから出資を受けているほか、個人投資家としてアマゾンのジェフ・ベゾス氏らも出資しています。

eTobbはレバノンで生まれた企業であり、アラブ諸国のユーザーが多い点が上記サービスとは異なります。

 

日本での展開は?

下記内容はFirst Opinionの際にも言及しました。

数年以上前から日本国内でもYahooやエムスリーなどの大手企業が「月額制で医師に質問できるサービス」を提供していますが、日本では現在の制度上、「診断」や「医療的なアドバイス」は困難です。

しかし実現可能な範囲に限定すれば、日本でも十分に展開可能な事業内容といえるでしょう。

また、2015年6月に閣議決定された「経済財政運営と改革の基本方針2015」には「遠隔医療の推進」が明記されていることから、今後、日本でも遠隔診療のサービス展開をしやすくなることが見込まれています。

 

ただし、eTobbよりもFirst Opinionの方が日本での展開の実現可能性が高いと考えられます。

そもそもeTobbとFirst Opinionでは資本金の桁が異なりますし(もちろんFirst Opinionの方が圧倒的に多いです)、成長スピードも歴然の差があります。

eTobbはまだ「アラブ諸国で成功できるかどうか」という段階にあるのです。

 

eTobb—今後の課題

先ほども述べた通り、eTobbはまだまだ発展途上です。

スタートアップ企業にしては成長スピードが遅く、経営陣もそのことを懸念しています。

eTobbのWebサイトをご覧いただければわかる通り、タイムラインや功績情報の更新が2014年で止まっていますし、最後の出資獲得も2014年です。

例えば、万が一First Opinionがアラブ諸国に進出することになれば、eTobbが現在の形のまま存続することもままなりません。

アラブ諸国の医療発展のためにも、成功が望まれるeTobb。存続と成功をかけて精力を尽くす今後の動向に注目です。

 

 

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