閉塞生動脈硬化症に対する下肢バイパス術は年間手術数が多い名医ほど良い!

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閉塞生動脈硬化症に対する下肢バイパス術は年間手術数が多い名医ほど良い!

末梢生閉塞動脈疾患と下肢バイパス術とは

糖尿病や喫煙などの生活習慣が原因で、高齢になると脚の血管に動脈硬化が起こってきます。血管が動脈硬化によって狭窄すると、足先に十分な栄養や酸素などが送られなくなり、様々な症状が現れます。

例えば、歩き始めると足が痛くて休み休みでしか歩けなくなる間欠性跛行などが代表的な症状です。また、血管が完全に閉塞すると足の先や踵などが壊死を起こしてしまう場合もあります。

このような状態を末梢性閉塞動脈疾患とよび、閉塞性動脈硬化症やBuerger病といった疾患が含まれます。治療としてはもちろん生活習慣を改善することが最も重要なのですが、失われた血流を補うために下肢バイパス術という手術を行うことがあります。下肢バイパス術では、動脈が狭窄・閉塞している部分を飛び越すように、人工血管などで迂回路を作ります。そうすることで、足の先端部分まで十分な血液を送ることができるようになります。

しかしながら、下肢バイパス術で作られた迂回路が常に正常に働く訳ではありません。手術後すぐにうまく働かず結局血流が改善しない場合もありますし、長期的に他の血管と同様に徐々に狭窄してきてしまう場合もあります。またもちろん手術ですので、手術中の感染などの合併症リスクも存在します。

今回はそんなバイパス手術の手術件数と成績の関連を調べた論文をご紹介します。

 

医療機関や医師の年間手術件数と手術成績との関係を調べた論文

Vascular Quality Initiative(VQI)データベースに登録されている、2004年から2014年までの間に重症下肢虚血または跛行の治療を目的とした下肢バイパス術を対象とした論文です。2004年から2014年までの間に、14,678件の下肢バイパス術が報告されており、114の医療機関で587人の医師が手術を行っていました。医療機関や執刀医と、心血管イベントや下肢イベントなどの合併症率、グラフト開存率、肢切断回避状態での生存率など、との関係を調べています。

 

年間手術件数の多い医師が手術した場合に良好な結果が得られている

今回の対象となった医療機関の年間平均手術件数は1件から137.5件、医師の平均手術件数は1件から52件でした。医療機関の手術件数と有害事象やグラフト開存率、肢切断回避状態での生存率には相関関係は認められませんでした。医師の手術件数と下肢イベント、肢切断回避状態での生存率には同様に相関関係は見られませんでしたが、心血管イベントと一次開存率には相関関係が認められました。心疾患イベントは医師の手術件数5件当たり6%減少していました。つまり、下肢バイパス術において、年間手術数の多い医師が名医であるということになります。

 

下肢バイパス術の名医を探すには手術件数を基準にするとよい

今回紹介した論文から、重症下肢虚血または跛行の治療を目的とした下肢バイパス術では年間手術件数が多い医師が手術をすると良好な結果が得られることがわかりました。一方で、医師の所属する医療機関全体の手術件数と手術結果には関係が見いだされませんでした。このことから、下肢バイパス術は医療機関というよりも個人の技術・経験に紐づく治療ということが考えられます。治療を受けられる際には、より経験を積んだ名医を探した方がよいでしょう。

 

参考論文:Surgeon, not institution, case volume is associated with limb outcomes after lower extremity bypass for critical limb ischemia in the Vascular Quality Initiative.

 

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