「名医」を受診すべき疾患はどんな疾患?

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「名医」を受診すべき疾患はどんな疾患?

医師の腕の見せどころはごくわずか?

内科の研修医をしていた頃、先輩である先生が「本当に自分が治療したと言える患者なんて診た患者の1%ぐらいだ」なんて言っているのを聞いて、びっくりした思い出があります。まだまだ自分一人で対応できる患者も少ない研修医から見て、どんな入院患者でも治療し無事退院させていた尊敬すべき上の先生のその発言は衝撃でした。

今振り返ると彼の発言の背景がなんとなくわかります。おそらく2つあって、「別に担当が自分じゃなくても治療も結果は同じ」という思いと、「そもそも加療が患者にとってプラスに働いたかどうかわからない」という思いを、常日頃抱えていて出た発言だと思います。

また、「高血圧とか糖尿病は治療のガイドラインもしっかりしているし、専門医なら誰を受診してもほぼ同じ質の医療が受けられる」とおっしゃられる先生も何人かいらっしゃいました。

そうすると、医療の質も医師によってばらつきが少なく、医師が付加価値を出している機会も少ない、となるとそもそも「名医」を受診する必要なんてあるでしょうか。

名医が必要な機会は思っているほど多くない

名医が必要な時をもう少し理解するために、医療の質におけるばらつきを横軸に、患者数の多さを縦軸にして、いくつかの疾患・治療法を例として図にしてみました。(医療の質のばらつきに関しては、治療法にどれだけ選択肢があるか、アウトカムにどれだけばらつきがあるか、という軸になりますが、実際にばらつきを分析したわけではないので、あくまでもインタビュー等を通じた臨床現場での感覚に基づくイメージになります。)

名医が必要な時

こちらを見ていただくと、まず左上の、患者は多いがばらつきは小さいという領域は、すでに標準治療がガイドライン上しっかりと決まっており、どの医師を受診しても一定の質の医療を受けられる疾患・治療法が入ります。確かにインフルエンザの専門家はいても、特にその方を受診したいという思いはあまりありません。

右上の領域は、患者が多く、医療の質のばらつきも大きい場所です。こちらが名医を選定することが必要になります。こちらは受診する医師によって術式が違ってきたり、手技への熟達具合が違ったりします。そのため、受診する医師をしっかりと選ぶことが大事です。また患者数も多いため、専門とする医師も多く選択肢が多いのがこの領域の特徴です。そのため医師の腕だけでなく、通いやすさなど他の要素も検討の土壌にあがります。

右下は、患者は多くないが、医療の質にばらつきがある領域で、こちらも名医を選ぶことが必要になります。特にこれらの疾患・治療法はそもそも全体の患者数が少ないので、医師ごとの患者数を見ると、多いところと少ないところでは数倍、数十倍の差があると想定されます。結果として、医療の質のばらつきが、右上のものよりも目立つかもしれません。

左下は、希少な疾患で、医療の質もそれほど変わりがない疾患が集まる領域になります。こちらはその疾患を診ることができる医師を受診すれば、どこでもだいたい同じ医療が受けられます。

つまりまとめると、名医が必要なのは、右上、右下の医療のばらつきが多い場合であり、特に疾患・治療法の患者数がそもそも少ないときに、しっかりと受診先を選んだ方が良いと考えられます。

医療の理想としては、左下にすべての疾患がくること

ちなみにですが、医療の理想としては、まずは、標準治療を確立・普及し医療の質のばらつきを少なくすること(右側から左側に持ってくること)、患者数が多い疾患に関しては、治療・予防により患者数を減らすこと(上側から下側に持ってくること)になります。

結核などがいい例ですが、そのために、各学会で疾患ごとに治療のガイドラインを作り、政府がワクチン接種促進や予防の啓発などを行っています。いつの日か、今右上にある胃がんなども左下にくる日が来るかもしれません。

 

 

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