症状・疾患別受診すべき医療機関ー⑦乳腺の疾患 (乳腺外科・内科)

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[投稿日] '16/03/16 [最終更新日] '18/08/09 527views
症状・疾患別受診すべき医療機関ー⑦乳腺の疾患 (乳腺外科・内科)

乳腺外科・内科の疾患の代表例、乳がん

今回は乳腺外科・内科に関わる疾患のお話です。乳腺ですのでもちろん女性が多いことが特徴的ですが、乳がんは女性のがんのうち「罹患率」第1位、年間死亡数は約 13,000 人以上になります。

まずは、下記のグラフをご覧下さい。

 

▼乳がんの死亡者数の変化

乳がん死亡者数

厚生労働省人口動態統計[確定数]、国立研究開発法人 国立がん研究センター2015年のがん罹患数、死亡数予測より

乳がんの死亡者数は年々明らかに増加しており、ここ30年で3倍にもなっています。

乳腺疾患には、セルフチェックが可能なものもあります。自分に当てはまる症状がないか、どの様な症状がみられたら受診すべきなのか、しっかりおさえておきましょう。

 

どのような症状で乳腺外科・内科を受診すべき?

そもそも、乳房は乳腺と乳管、脂肪などからできており、何か異常がある場合、多くは乳房や脇の下のリンパ節などに症状がみられます。以下の様な症状がみられた時は、それぞれ右にしめしたような疾患の可能性がありますので、医療機関を受診しましょう。

  • 乳房のしこり:乳がん、乳腺症、線維腺腫、葉状腫瘍の疑い
  • 乳房のえくぼ様の陥没、ひきつり:乳がんの疑い
  • 乳房の発赤:乳がん、乳腺症、乳腺炎の疑い
  • 乳房周辺のリンパ節の腫れ:乳がんの疑い
  • 乳汁が出続ける:乳がん、乳腺症の疑い
  • 乳房のただれ:パジェット病の疑い

その他、乳がん検診で要精密検査と言われたら、すぐに受診するようにしましょう。

 

乳がんのセルフチェックのポイント※1

なかでも特に注意が必要な、乳がんのセルフチェックのポイントについてご紹介します。

罹患率の高い40歳代後半〜50歳代の女性はもちろん、20 歳代〜80歳代まで幅広く罹患する可能性がありますから、女性は以下の様な手順で、最低でも月に1回はセルフチェックをするようにしましょう。

①鏡の前で乳房の左右差をみる

  • 大きさ、乳頭の位置に違いがあるかをみます
  • 両手を挙げた際に、えくぼ様の陥没や皮膚のひきつりがあるかをみます

②しこりがないか触ってみる

  • 小さく円を描くようにして下から上まで触り、指で乳房にしこりがあるかを調べます
  • あおむけになり、指の腹で乳房の内側・外側を調べ、しこりがあるかを調べます

③わきの下のリンパ節と乳頭をチェック

  • 起き上がり、脇の下を指先で確かめます。しこりはありませんか?
  • 左右の乳首を軽くつまんでみます。血液が混じったような分泌物は出ませんか?

 

乳腺外科・内科を受診する時のポイント 〜受診すべき医療機関は?〜

乳腺疾患を扱う診療科は、乳腺外科・乳腺内科です。

病院によっては、乳腺外科と内科がセットになって乳腺センターなどという場合もありますが、主に乳腺外科は乳がんの外科的な手術を、乳腺内科(病院によっては化学療法科、腫瘍内科という場合もあります)は薬物による化学療法を行います。

それでは一体どういう状態であれば、まずはクリニックの受診が望ましく、どういう状態であれば、直接大病院を受診した方が良いでしょうか。

 

あくまで一例ですが「何だかしこりがある気がする…」という時は、まずはエコーやマンモグラフィーの検査を受ける必要がありますので、まずはいきなり大病院ではなく、乳腺科のクリニックを受診して検査を受ければいいでしょう。

一方、乳がん検診で「異常あり」とひっかかった場合や、アメリカの女優アンジェリーナ・ジョリーさんの様に「乳がんになるリスクが高いかどうか、遺伝子検査をしたい」といった場合は、CTスキャンや細胞の生検、遺伝子検査など一歩進んだ検査を受ける必要があるため、直接大病院を受診することをおすすめします。

何度も申し上げますが、乳腺疾患はセルフチェックができる疾患のひとつです。違和感がある場合は、すぐに適切な医療機関を受診しましょう。

 

※1 日本乳癌学会「患者さんのための乳癌診療ガイドライン Q.6」(http://jbcs.gr.jp/guidline/p2016/guidline/g2/q06/)

 

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