健康診断で「尿潜血あり」ってでたけど血尿と何が違うの?

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健康診断で「尿潜血あり」ってでたけど血尿と何が違うの?

血液検査をしたときに「尿潜血あり」という結果を目にしたことはありますか?

血液検査で「尿潜血あり」という結果がでることはそこまで珍しいことではありません。再検査を実施すると異常がない場合も多く見られます。かといって、「尿潜血の検査の精度が悪いのか」というとそういうわけではありません。尿潜血がある場合にはさまざまなことが起因するため、病気ではない場合にも反応してしまうのです。しかし、「尿潜血あり」には、腎臓病、がんなど重大な疾患が潜んでいる可能性があることも事実です。これらの病気は発見が早ければ早いほど治る確率が高まります。もし、「尿潜血あり」という結果がでた場合には、放置せずに必ず精密検査を受けましょう。

それでは、「尿潜血あり」とはどのような状態なのか血尿とは同じなのか、どのような病気の可能性があり、どのように治療するのかなど詳しく説明していきます。

 

「尿潜血あり」とはどういう状態か

まず尿潜血という単語が何を意味しているかというところですが、「尿に血が潜む」と書くのでなんとなくわかるかもしれません。尿潜血の検査項目では、尿に赤血球のヘモグロビンという赤い色素が混じっているかどうかを確認します。血尿の場合は明らかに尿が赤く、誰が見ても分かる状態ですが、尿潜血は試験を行わなければ目で見て判断できません。

 

「尿潜血あり」はどのように判定しているのか

尿潜血検査ではヘモグロビンに反応する試験紙を用いて検査します。試験紙ではヘモグロビンの量によって、以下の3つの結果に分けられます。

尿潜血検査の基準値

  • 基準値:尿潜血なし(-)
  • 尿中ヘモグロビンの上昇が認められる範囲:尿潜血あり(+)または(++)
  • 要注意、腎機能の低下が認められる範囲:尿潜血あり(+++)以上

尿潜血あり

 

「尿潜血 あり」で腎臓以外に原因があるケース

最初に述べた通り、尿潜血検査ではさまざまなことが起因して陽性反応を示すことがあります。尿潜血が陽性だからといって必ずしも腎臓や膀胱に病気があるわけではありません。

ミオグロビンによるもの

尿潜血の試験紙はヘモグロビンに反応すると説明しましたが、体内にはヘモグロビンに似たタンパク質ミオグロビンが存在します。ミオグロビンは筋肉中に含まれる色素で、通常は尿に混じることはありません。しかし筋肉が損傷した場合などに尿中にミオグロビンが含まれることがあります。激しい運動をしたあとに「おしっこが赤くなった」といわれることがあるのもミオグロビンの影響です。(実際に目に見えるほど赤くなることは稀ですが)

尿潜血の試験紙はミオグロビンにも反応するため、「尿潜血あり」の結果がでます。ミオグロビンが尿に混じっている場合は、腎臓疾患の疑いはありませんが、筋肉の病気が疑われます。横紋筋融解症や急性多発性筋炎などの可能性があります。

薬剤によるもの

心筋梗塞や脳梗塞の予防などに血液をさらさらにする目的で用いられるワーファリンやアスピリンが原因で尿潜血の陽性反応を示すことがあります。陽性反応が強い場合はこれらの薬剤の副作用が生じている可能性が高いので主治医と相談して薬の量を調整する必要があります。ただし、自己判断で量を調整したり中断したりは危険ですので絶対にしないようにしてください。

生理によるもの

一般的に女性は男性に比べて尿潜血の陽性反応がでる確率が高いといわれています。それは女性の場合、生理の血が混じってしまうことがあるからです。生理後の尿検査は尿潜血が陽性反応を示す可能性があるということも覚えておいてください。

溶血性貧血

溶血性貧血は自己免疫疾患の1つで赤血球を自分で破壊してしまう抗体が何等かの理由でつくられてしまう病気です。赤血球が破壊されるので大量のヘモグロビンが放出されてしまい、尿にも混じって尿潜血が陽性反応を示します。溶血性貧血では、ステロイド剤の投与を中心とした治療が行われます。

 

「尿潜血あり」で見つかることのある腎臓あるいは膀胱の疾患

良性家族性血尿

生まれつき腎臓の中の血液をろ過する膜が薄く、尿に血が混じってしまう遺伝性の病気です。特に腎機能に問題がないことが多く、治療の必要はありません。

膀胱炎

膀胱炎はおしっこを我慢したり、尿道を不衛生にしたりすることなどで細菌が尿道に侵入し増殖することで炎症を引き起こし、血尿をもたらすことがあります。膀胱炎の場合は抗生物質の服用で治ります。

腎盂腎炎(じんうじんえん)

腎盂腎炎は細菌の感染が腎臓内にまで広がり、発熱や腰痛、背後痛を引き起こす病気です。膀胱炎が重症化すると腎盂腎炎になることがあります。腎盂腎炎も抗生物質での治療が中心となります。

 尿路結石(にょうろけっせき)

尿路結石とは尿路に結石と呼ばれる石がたまる病気です。例えば尿管で結石が詰まると、耐えられないほどの激痛を引き起こします。尿管結石の場合は尿潜血の陽性反応がでる前に気づくはずです。しかし、尿路結石の中には症状のないものもあります。激痛を引き起こす前に発見して治療をしておくことが大切です。

尿路結石の治療法としては、手術で結石を細かく砕く方法、直接結石を取り出す方法などがあります。薬は鎮痛薬や尿路を広げて結石を排出しやすくする抗コリン薬や尿量を増やして結石の排出を促す利尿薬などが使われます。

膀胱がん

膀胱がんは初期の場合、特に症状が現れません。よって尿潜血で陽性反応がでた場合、超音波検査、排せつ性尿路造影、細胞診などを行い精密検査します。この結果、膀胱がんの疑いがあると判断された場合は、内視鏡検査という先端に小型カメラをつけた細い管を体の中に通して、膀胱を実際に覗く検査を行います。もしも、膀胱内で悪性の腫瘍が発見された場合は、切除するための手術が必要となります。併せて抗がん剤を用いて治療を進めることもあります。

 腎細胞がん

腎細胞がんは尿細管の細胞ががん化したものです。発生の危険因子として喫煙、肥満、高血圧などが明らかになっています。また遺伝性もあると考えられており、家族に腎細胞がんがいる人は、尿潜血で陽性反応がでた場合、腎細胞がんを疑いましょう。

腎細胞がんが疑われる場合は、超音波検査、腹部CT、MRI検査などで体の中を画像で写し腫瘍がないかを確認します。腎細胞がんが見つかった場合はまず、外科手術で取り除きます。その後必要に応じて放射線治療や薬物治療を行います。

尿潜血 あり

 

「尿潜血あり」の場合、どの診療科で精密検査してもらえばいいのか

尿潜血ありと診断された場合、どの診療科で検査をしてもらえばよいのでしょうか。

膀胱がんなどが疑われる場合には泌尿器科を受診しましょう。がんなどの重大な疾患を見逃しては後で手遅れになることもあるので、専門性が高く評判のいい先生に診てもらうことをおすすめします。その結果何も異常が見つからなかったとしても、たまたま病気が隠れて見つからないだけの場合もあるので、3年間は半年毎に尿検査、超音波検査を受診しておいた方が安心です。

また、「尿潜血あり」と共に「尿タンパクあり」の結果もでている場合は、腎臓の重大な役割である血液のろ過機能に異常がある可能性が疑われるので腎臓内科を受診しましょう。

なお、泌尿器科のお話は「症状・疾患別受診すべき医療機関‐⑮膀胱・腎臓の症状・疾患:泌尿器科」のコラムでご紹介しています。

 

さいごに

健康診断の項目には全て意味があって実施されています。そのうち、1つだけひっかかったからといって無視してはいけません。「尿潜血あり」だけでも、横紋筋融解症、溶血性貧血、膀胱炎、腎盂腎炎、尿路結石、膀胱がん、腎細胞がんなど、さまざまな病気が潜んでいるのです。尿潜血は、体の異常のサインの可能性がありますので決して見逃さないようにしてください。また、精密検査が痛みを伴うものなのではないかと思い、なかなか再検査に踏み切れない方もいらっしゃるかもしれませんが、超音波検査やMRI検査などは痛みを伴いませんので安心してください。病気の発見は早ければ早いほど完治の可能性も、予後が良行の可能性も高まります。

 

 

 

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