眼科で「乱視ですね」と言われた方、あなたの乱視は角膜乱視?水晶体乱視?

眼科で「乱視ですね」と言われた方、あなたの乱視は角膜乱視?水晶体乱視?

メガネやコンタクトレンズをつけている方は経験があるかもしれませんが、眼科で「乱視ですね」と言われたことはありませんか?乱視の方でも、意外と乱視についてきちんと知っている、という方は多くはありません。本日は身近な「乱視」という症状についてご紹介します。

 

乱視の概要

乱視とは、「近視」や「遠視」のように、目の屈折異常によって、視力低下をもたらす症状のことをいいます。人間はものを見るとき、光を目の中に取り入れて、角膜・水晶体で光を屈折させて網膜上でピント(焦点)を合わせます。角膜・水晶体は、カメラでいうとレンズの役割をし、網膜はフィルムの役割をしているのです。網膜で合わさったピントは、目から取り入れた情報として、脳に伝達され、映像として認知します。

近視は、ピントが網膜の手前で合ってしまい、遠視は網膜の後ろで合ってしまい、いずれもずれている状態です。乱視は、手前か後ろのどこかでピントは合うものの、角膜や水晶体の屈折がバラバラのため、一点で像を結ぶことができません。そこに、近視や遠視が加わってしまうことが多いため、見えにくい状態が生まれるのです。

今回は「乱視」についてご説明します。

なお、近視とその治療法については近視(レーシック、オルソケラトロジーなど)—知っておくべき治療法④でご紹介しています。

 

乱視の症状

人間の目は個人差があり、完全な球体はしていません。そのため、ごく軽度であれば、誰でも乱視を持っている可能性はあるのですが、脳によって見え方が修正されるので、特に見え方に問題が生じません。しかし、乱視の程度が強くなると、物が二重に見える、遠くも近くも見えにくくなる、調整しようとするので目が疲れる、などの症状があげられます。

また、夜景や夜間の電光掲示板の光がにじみ、二重に見えてしまうなど、夜間の視力低下もあげられます。そのため、夜間の車の運転が危険になるなど弊害がみられます。

さらに、見えにくさを抱えたままだと、頭痛や肩こりなどの身体的な症状もみられるようになります。集中力が続かない、疲労しやすい、やる気がでないなどの精神症状も同時に起こりやすいです。加齢とともに、乱視の症状が強くなる、という場合もあります。これは若い頃は眼の筋力によって調整をしていたものが、筋力低下によって調整力が衰えていくことがあげられます。以上のことから、大人では仕事の効率が下がり、子供は学業不振になる可能性があります。

また子供の場合だと、遠視や乱視が原因で十分な視機能が発達しないと、弱視になる可能性があげられます。普通、赤ちゃんのときは、ほとんど見えていない状態から、成長するにつれ13歳頃までに、脳の発達が促されます。近視や遠視、乱視などが原因で見えにくい状態が続いていると、脳の成長が妨げられ、弱視となってしまうのです。矯正しないままでいると、大人になっても車の免許が取得できないことや、十分な視力が得られないことなど問題があげられます。遠視や乱視の場合は、特に子供だと自分から見えにくさを訴えることができないこともあります。そのため、3歳児検診や生活上の観察が重要となってきます。

 

乱視の患者数

乱視を持っている方は自覚している方だけでも1,000万人近くいます。日本は世界的にも近視の人口が多く、およそ7,000万人以上といわれています。近視がある方は乱視も併発している場合が多いです。遺伝的な要因が主と考えられていますが、ゲームやスマートフォンなど、後天的な要因によっても症状の進行がすすむことも考えられます。

 

乱視の原因

乱視には「正乱視」と「不正乱視」の2種類があります。

正乱視

ほとんどの乱視の方がこちらに分類されます。遺伝による可能性が高いですが、症状に個人差があります。角膜のカーブがソフトボールのように球体できれいに整っていれば、乱視は起こらないのですが、正乱視の人の場合、ラグビーボールのように対照的に形が歪んでいるため、縦・横・斜めとあらゆる方向からのピントを一つに合わせることができなくなります。多くの人の場合、角膜に原因がある「角膜乱視」に属しますが、水晶体の歪みが原因で起こる「水晶体乱視」もあります。角膜乱視の場合は、円柱レンズとよばれるメガネや、コンタクトレンズによって補正が可能となります。近視や遠視と合わさることも多いです。

不正乱視

正乱視に対して、不正乱視では角膜の歪みが非対称で、滑らかでないために、どこにもピントが合わなくなります。こちらは、円柱レンズでの補正が困難になります。主な原因としては、外傷や移植による角膜損傷、白内障や円錐角膜などの眼疾患があげられます。また逆さまつげによって、角膜を傷つけてしまうこともあります。

乱視を悪化させる原因

ごく軽度の乱視であれば、日常生活にそれほど支障を感じない人も多いでしょう。しかし、見えにくさが生じてくると、多くの方が眼を細める癖をもっているかと思います。眼を細めてみることで、眼球に余計な負担がかかり、角膜の変形を強めてしまう可能性もあります。眼を細めて遠くを見る癖がつく前に、正しい矯正が必要になります。また暗い場所での読書や、長時間のスマートフォンなどの使用は眼に多くの負担をかけ、ドライアイを引き起こすこともあります。ドライアイは角膜が細かく傷ついている状態のため、乱視の症状を悪化させる恐れがあります。

 

乱視 眼科

乱視の治療法

正乱視と不正乱視によって対応が異なります。

正乱視

主に角膜の歪みが原因である場合は、円柱レンズを使用したメガネかハードコンタクトレンズによって矯正されます。最近では、「トーリックレンズ」とよばれるソフトコンタクトレンズの使用もありますが、ハードコンタクトレンズに比べて種類が少なく、まばたきなどでズレが生じやすいという点があります。

近視や遠視も合わさっている場合は、それぞれに合わせたレンズを使用します。

水晶体に原因がある場合は、適した矯正方法はありません。

不正乱視

角膜の形状に問題がある不正乱視の場合は、メガネやソフトコンタクトレンズは治療には用いられず、ハードコンタクトレンズで矯正します。水晶体が原因である場合は、正乱視同様、矯正方法がありません。

 

乱視の最新治療

レーシック手術、フェイキックIOL(眼内コンタクトレンズICLともよばれる)、オルソケラトロジーなどの治療があげられます。

レーシック手術

角膜の表面をレーザーで削って整える方法です。緻密な検査を行い、手術は15分程度で終わることが多く、入院も必要ありません。一度手術をすれば、角膜は再生することがないため、裸眼での生活が可能です。コンタクトレンズやメガネの常時使用が困難な方などは適していますが、一般的に成長段階である20歳未満の方は受けることができません。また、強度の乱視の方(日本眼科学会のガイドラインによる6D以上)、角膜が薄い方なども対象外となる場合があります。近年、視力を取り戻す方法として人気ですが、個人差はあるものの、術後にドライアイが進む、夜間の視力が低下するなどの症状もみられることがあります。金額は、クリニックによって異なりますが、医療控除や生命保険によって還付される場合もあるので確認しましょう。

フェイキックIOL(眼内コンタクトレンズICL)

フェイキックIOLは、角膜と水晶体の間に、薄い特殊なコンタクトレンズを挿入し、視力を取り戻す手術のことです。2010年に厚労省から認可されたばかりの新しい術式で、レーシック不適応となった強度の乱視の方や、角膜が薄い方でも手術適応となります。レーシックに比べると、後遺症の心配が少なく、視力や見え方の質が安定します。また埋め込んだレンズを再度外し、元に戻すことも可能です。ただし、レーシックに比べ値段が高額であること、術式によっては、白内障の発症が懸念されること、どこのクリニックでも実施しているわけではないこと、などの注意点もあげられます。

オルソケラトロジー

就寝前に特殊なハードコンタクトレンズを装着することで、夜間角膜の歪みを変えて近視や乱視を矯正し、翌朝裸眼で生活ができる方法です。コンタクトレンズであるため、使用を中止すれば、元に戻すことが可能です。特殊な仕事についているなど、メガネやコンタクトの使用が困難な方などに人気の方法です。手術は必要ないため、後遺症もありません。18歳以下の方も着脱ができれば、使用が可能です。ただし、コンタクトと同様に、ドライアイがひどい方、強度の近視や乱視の方、眼科疾患がある方は不適応となる場合があります。また、レンズの寿命が2~3年であり、検査やレンズ代のほか、ケア用品も必要となり、費用は高額である場合が多いです。

 

 

 

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