脳動脈瘤が破裂して「くも膜下出血」になるリスクはタバコを吸っていると上がります!

脳動脈瘤が破裂して「くも膜下出血」になるリスクはタバコを吸っていると上がります!

脳動脈瘤の概要

脳動脈瘤とは脳の動脈の一部がこぶ状に膨らんだもののことをいいます。”瘤”とは、コブのことです。

脳動脈瘤の症状

脳動脈瘤があるだけでは、多くの場合、特に症状は現れません。我が国の場合、人口の5%前後が、脳動脈瘤を持っているのではないかといわれています。症状がなくても、人間ドックや脳ドックでのCTをはじめとする画像診断にて、発見されるケースが増えてきています。

また、脳動脈瘤が小さいうちは、自覚症状がなくとも、大きくなることによって、動脈瘤の周囲の脳組織が圧迫されます。これにより、頭痛や、ものが二重に見えるようになるなどの症状が現れてくることもあります。

脳動脈瘤ができやすいところ

脳の内部ならどこにでも出来ますが、特に頭蓋骨の底に近いところの、そして血管が枝分かれする部分に出来やすいといわれています。もちろん、枝分かれがないと出来ないわけではないので、血管の直線部分にもできることがあります。

脳動脈瘤の状態

脳動脈瘤の中には、動脈瘤ができたと同時に血管が耐えられず直ちに破裂するタイプ、脳動脈瘤ができた後、安定して落ち着いているタイプ、また、一度安定化したものが、動脈瘤の壁の性状が何らかの変化を起こして破裂するタイプなどがあります。未破裂動脈瘤とは、前述の2番目と3番目の状態を指しています。

脳動脈瘤のうち、今まで処置をしたことがない脳動脈瘤のことを、特に”未破裂脳動脈瘤”といいます。この未破裂動脈瘤が破裂しますと、大量出血をきたします。出血する場所は、脳を包んでいる”くも膜”といいますが、このくも膜の内側に出血します。この状態が、”くも膜下出血”とよばれる病態なのです。

 

脳動脈瘤が破裂する原因

動脈瘤ができた血管や、動脈瘤そのものの形がいびつであったりすると、破裂しやすくなるのではないかと考えられていますが、どうして脳動脈瘤が破裂するのか、現状では明確な回答は得られてはいません。

脳動脈が破裂しやすくなる要素

脳動脈瘤が破裂する原因は、現状ではよくわかっていませんが、破裂しやすい脳動脈瘤のには様々な要素があることが指摘されています。下記のいずれかに該当する場合は、脳動脈瘤破裂のリスクが高まります。脳動脈瘤の大きさや数は、自分では何ともできませんが、たばこのコントロールは、自分で対応出来る数少ない要素です。たばこを吸っている方は、禁煙をして、脳動脈瘤破裂によるくも膜下出血のリスクを下げるようにしましょう。

自分自身でコントロールできる要素

喫煙です。生活習慣として、たばこを吸うと脳動脈瘤の破裂のリスクが高まります。たばこを吸っている方は、禁煙をして、脳動脈瘤破裂によるくも膜下出血のリスクを下げるようにしましょう。

自分自身では、コントロールできない要素

脳動脈瘤の形状について、まず、大きさですが、やはり大きければ大きいほど破裂しやすくなります。おおむね7[mm]を超えると危険性が高くなるといわれています。数については、1個よりも複数できている場合の方が、破裂するリスクが高まります。脳動脈瘤のできた場所によっても破裂するリスクは異なります。脳を包んでいるくも膜の外側にある硬膜とよばれる硬く厚い膜があるのですが、この硬膜の外にできた場合は、よほどの巨大動脈瘤(直径25[mm]以上)にならない限りは破裂しないといわれています。言い換えると、そうでない場所にできた場合は、破裂するリスクが高いといえます。

続いて、形状以外のリスク要素としては、まず、持病の有無が挙げられます。特に、高血圧症の持病があると、破裂の危険性が上がってきます。また、以前に、くも膜下出血を起こした血管に再発した場合は、破裂のリスクはより高いです。家系も大きな要素の一つです。くも膜下出血を起こした人が家族にいる家系ですと、そのリスクは高くなります。

くも膜下出血の予後

一度、くも膜下出血を起こしますと、残念なことに患者さんのうちおよそ50%の方の命が危険にさらされます。また、無事救命出来た場合でも、重い後遺症が残ることが多く、社会復帰可能な割合は、およそ30%ほどといわれています。そのため、くも膜下出血は極めて重い病気といえます。つまり、くも膜下出血となる前に、破裂していない状態で脳動脈瘤を見つけることが大変重要になってきます。

 

脳動脈瘤 脳神経外科

脳動脈瘤の治療

脳動脈瘤の治療法は、大きく分けて、①経過観察、②開頭クリッピング手術、③脳動脈瘤血管内治療の3つに分けることができ、②と③をあわせたようなトラッピング手術という方法もあります。手術を成功させるには、血圧のコントロールと禁煙が重要な要素となってきます。高血圧症治療と禁煙は必ず行いましょう。また、薬で脳動脈瘤を治す方法は、現在のところはありません。

①経過観察

脳動脈瘤が手術に適応しない場合、経過観察となることもあります。ただし、動脈瘤が大きくなる速さはわかっていませんので、慎重な経過観察が必要となります。少なくとも3ヶ月から半年に一度は、脳動脈瘤の大きさや形の変化などの状態を確認する必要があるといわれています。もし、経過観察中に何らかの自覚症状が現れた場合は、手術など迅速な対応が必要となります。

脳動脈瘤の手術適応は、日本脳ドック学会がガイドラインを出しており、これに従う形で決められます。具体的には、脳動脈瘤の大きさが直径5[mm]以上、年齢が70歳以下、全身状態が手術に十分耐えられる場合、この3要件に該当されれば、手術適応と考えていいとされています。ただ、これに該当しない場合でも、脳動脈瘤の大きさや、形状、場所などから、手術した方が良いこともありますので、個々の状態で判断することが大切になります。

②開頭クリッピング手術

頭蓋骨に穴をあけて、動脈瘤の基部(血管にくっついている瘤の付け根の部分のこと)をクリップではさみ、動脈瘤へ血液が流れなくする方法です。クリップは、チタン合金で作られていることが多く、はさんだ後は取り除いたりする必要はありませんし、拒絶反応もありません。この手術方法は、歴史も長く、安全性も確立されており、効果も高いと認められています。ですから、治療の第一選択となる方法です。

③脳動脈瘤血管内治療

脳動脈瘤血管内治療はコイル塞栓術ともよばれます。 開頭クリッピング手術に比べると、新しい手術方法となります。 動脈瘤の内部にコイルを詰め込んで、瘤の内部を血の塊(血栓といいます)にして固めてしまう方法です。コイルは、カテーテルとよばれる細い管を使っていれます。まず、足の付け根にある血管にカテーテルを挿入し、大動脈を通して、脳にまで届かせます。そして、このカテーテルを通して、コイルを入れるのです。ですから、開頭クリッピング手術とは異なり、頭蓋骨に穴をあけることがないので、侵襲が少なく日本を始め、欧米諸国でも急速に普及している方法です。欠点は、動脈瘤の内部がかたまり安定化するまで、しばらく時間がかかるという点と、処置が完全にできない場合、再手術が必要になることです。

④トラッピング手術

開頭クリッピング手術や脳動脈瘤血管内治療単独では、治療が難しい場合の手術方法です。開頭クリッピング手術とは異なり、動脈瘤の基部ではなく、動脈瘤ができた血管の前後をクリップではさみ血流を止めると同時に、動脈瘤の内部にコイルを入れる方法です。もし、血管をはさみ血流を止めたことで、なんらかの症状が現れる場合は、動脈瘤を迂回するようにバイパス血管を作る必要があります。

 

脳動脈瘤の手術の危険性

100%安全な手術法というものは残念ながら、ありません。合併症による危険性は避けることが出来ません。

開頭クリッピング手術の場合は、頭蓋骨に穴をあけることによる傷痕が残る審美性の問題に始まり、手術の際に脳そのものを傷つけてしまうリスク、脳内出血のリスク、脳血管が詰まってしまうことによる脳梗塞のリスクなど、さまざまな危険性があります。

脳動脈瘤血管内治療の場合は、動脈瘤の内部に入れようとしたコイルがずれてしまうリスク、もしくは、コイルが動脈瘤を突き破って破裂させてしまうリスク、動脈瘤とは別の場所に脳血管に血腫を作ってしまうリスクがあります。

どの手術方法を選ぶかは、脳神経外科医と十分相談し、病状と手術のリスクを説明してもらった上で、よく理解して決めることがとても大切です。現在は、セカンドオピニオンと言って、主治医以外の医師に相談する患者側の権利も確立されていますから、不安があったり、決断出来なかったりする場合は、ほかの名医の意見を聞いてみるのも手段のひとつです。

 

 

名医検索サイトクリンタル
名医検索サイトクリンタルでは日本全国の約30万人の医師から厳選された名医だけを掲載しております。手術数や外来の待ち時間など、受診する名医を決めるために必要な詳細情報を掲載しておりますので、受診先を検討される際の参考にしてください。

「どの名医に治療をお願いすればよいのかわからない!」とお悩みの方には、クリンタルの名医紹介サービスをお勧めしています。クリンタルが独自に厳選した「2,500人の有数の専門医」「30,000人の街の名医」の中から、あなたの病気/症状やご希望を考慮して、クリンタルの医師が最適な名医をご紹介します

クリンタルの名医紹介サービス