尿失禁を治すには骨盤底や膀胱の”訓練”をしましょう!

尿失禁を治すには骨盤底や膀胱の”訓練”をしましょう!

尿失禁の原因

腹圧性尿失禁の原因

骨盤底筋が弱くなることで膀胱や尿道が不安定になり、尿失禁しやすくなると考えられています。特に女性は、妊娠時に胎児の重量を骨盤底筋が支えなければならなかったり、出産時に骨盤底筋が傷付くため、腹圧性尿失禁が起こりやすくなります。加齢によって骨盤底の筋力が低下したり、女性ホルモンが減少することでも起こります。また、男性は前立腺の手術の後などに起こりやすくなっています。

切迫性尿失禁の原因

膀胱が過敏に収縮してしい、尿を十分に膀胱に溜めておくことができなくなります。尿が十分に溜まるまでは脳から排尿を我慢するよう指示が出ていますが、勝手に膀胱が収縮してしまうために起こります。排尿の指示を出す脳や、脳の指令を伝える経路に問題がある場合、膀胱に炎症がある場合などで起きると考えられています。また、膀胱が過敏になり不安定になるとストレスや不安によって神経が刺激されることで膀胱が収縮し、尿失禁が起こるという考えもあります。男性では前立腺肥大症などによって膀胱が刺激されることによって起こりやすくなります。腹圧性尿失禁と同様に、骨盤底筋が弱くなって起こることもあります。

 

尿失禁の治療法

腹圧性尿失禁の治療法

腹圧性尿失禁の治療法には、大きく分けて①尿路訓練・②薬物療法・③手術療法があります。

①尿路訓練

尿路訓練には、主に「骨盤底筋運動」「膀胱訓練」があります。

骨盤底筋運動は骨盤底筋を鍛えるトレーニングで、膣や肛門を意識的に締めたり緩めたりする動作を繰り返すことで行います。男性でも前立腺手術後の尿失禁などに対して効果的です。

方法は、「膣や肛門をゆっくりと締め、10秒程度キープし、またゆっくりと緩める」という簡単なもので、これを10回程度を1セットとし、1日5セット程度は行うようにします。体勢は、立って机などに手をついて体を支えて・仰向けで膝を立てて・椅子に座った姿勢で・四つんばいの姿勢で、などで行えるので、生活の中に取り入れ、毎日継続して行う必要があります。

膀胱訓練は、尿意があってから排尿を我慢する練習や時間を決めて排尿する練習のことです。日中、2~3時間ごとに排尿する時間を決め、尿意があっても他のことで気を紛らわしたり、腹式呼吸などの呼吸法を用いてリラックスするなどして排尿を我慢することで、排尿の時間間隔を徐々に延ばしていきます。排尿した時間を記録する排尿日誌をつけておくと自分の排尿状態が把握しやすくなります。こちらもすぐには効果が出ないため、毎日継続して行うことが大切です。

尿失禁を恐れて飲水量を減らしてしまいがちですが、1日1.5L程度の水分を摂るようにしましょう。また、効果が現れるまで時間がかかるため、諦めず続けることが大切で、効果がでないからといって最初から無理をしたり、自分を責めないようにしましょう。これらの尿路訓練を行うことで尿失禁が改善する方も多いですが、改善しない場合は薬物療法や手術療法を組み合わせます。

②薬物療法

尿道括約筋の締まる力を強めることで尿失禁を軽減することを目的に、交感神経を刺激するβ受容体刺激薬という種類の内服薬が処方されることがあります。

また、女性ホルモンであるエストロゲンが膣や尿道の血行を良くしているため、エストロゲンの減少によって尿漏れなどの排尿症状が起こることがあります。その場合にはエストロゲンを補う治療を行うことがあり、内服薬や、膣に直接入れる膣錠などがあります。

③手術療法

腹圧性尿失禁で一般的な手術は「尿道スリング手術(TVT)」です。

膣の奥に切れ目を入れて尿道の下にメッシュ状のテープを通します。左右の下腹部にも切れ目を入れ、テープを恥骨の上を通して固定します。こうすることによって尿道をテープが吊り上げて支えることになり、お腹に力が入るとテープの張りが強くなって尿道にくびれができ、尿漏れが起きにくくなるというものです。局所麻酔か下半身麻酔(まれに全身麻酔)のもとに行われ、30分~1時間程度で終わるため、一般的に2~5日程度の入院で済みます。短時間で終わり、入院期間も少ないメリットがありますが、一方で、腹部を操作する手術のため、まれに膀胱や腸を損傷することがあります。

切迫性尿失禁の治療法

切迫性尿失禁の治療法は、主に①尿路訓練、②薬物療法、③電気刺激療法となります。手術による治療法もありますが、最後の手段として行われ、治癒が難しく一般的に行われていないため今回は主に行われる3種類の治療について説明します。

①尿路訓練

尿路訓練は腹圧性尿失禁の治療法と同様です。

②薬物療法

膀胱の緊張を緩めて収縮を減らすことで、尿意を和らげるような作用のある、抗コリン薬、カルシウム拮抗薬などの種類の内服薬が処方されます。腹圧性尿失禁と同様のβ受容体刺激薬が処方されることもあります。

③電気刺激療法

電気刺激療法には、経膣式・経直腸式と、表面電極型とがあります。

経膣式は膣から、経直腸式は肛門から器具を入れて電気刺激を送る方法で、尿道の抵抗が増えることと、排尿筋の収縮を抑えることによって膀胱の容量が増えることが尿失禁の軽減につながると考えられています。

表面電極型は、下腹部や太もも、お尻などに電極を貼って電気刺激を送る方法で、骨盤底筋や神経に収縮が起きることで機能が向上し、尿失禁の軽減につながると考えられています。電気刺激療法はすぐに効果が現れるものではなく、定期的に通院しながら実施されますが、副作用や合併症もほとんどみられません。

 

尿失禁の最新治療

腹圧性尿失禁の治療法であるTVT手術で、わずかにあった合併症を回避するために開発された術式で、2012年から保険適応となったのがTOT手術です。

尿道をテープで吊り上げるという基本的な構造はTVT手術と変わらないのですが、尿道の下を通したテープを骨盤に空いた大腿骨の端が入る孔(閉鎖孔)に通します。テープを下腹部ではなく太ももの足の付け根で固定する方法なので、膣の奥と足の付け根に傷ができることになります。開腹手術を受けたことのある人は、より合併症が起こりにくくなりメリットがあるといわれています。

 

 

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