20人に1人ぐらい気管支喘息の方がいます

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20人に1人ぐらい気管支喘息の方がいます

気管支喘息の病態と症状

口や鼻から吸った空気は気道と呼ばれる通過経路を通って肺に入ります。そして息を吐くときは反対に肺から気道を通過して口や鼻に到達します。気管支喘息はこの気道に何らかのアレルギー性の炎症が慢性的に起こるために気道が過敏になり、その結果気道が狭くなることで、息苦しさ、喘鳴(ぜいめい。息を吸うときにヒューヒュー、ゼーゼーと音がなる症状)、咳などの症状が出る病気です。

重度の場合はほぼ完全に気道が塞がり空気が通過できなくなるために死亡することもあります。気管支喘息の大きな特長はこの気道が狭くなる・塞がる病態が一時的に起こることで、発作を起こしていないときには気道は狭くなっていません。この病態は可逆性の気道閉塞と呼ばれます。

 

気管支喘息の患者数

日本における気管支喘息の総患者数は全人口の3~6%程度と推定されており、2008年の調査では88万8000人と報告されています。気管支喘息は小児から高齢者まで発症する病気ですが、高齢者ではCOPD(シー・オー・ピー・ディー。慢性閉塞性肺疾患。以前は肺気腫と呼ばれていた病気が含まれます)と区別しにくい場合や、気管支喘息とCOPDの両方を有している人もいます。小児喘息は思春期や若年成人期までに6~8割が治療なしで症状がない状態になると言われていますが、成人では治療をしない状態で症状を完全になくすことは難しいとされています。つまり成人の気管支喘息は、例えしばらくの間発作が起きていなくても治癒したわけではないと考えておいた方がよいでしょう。

一方、治療ガイドラインなどで推奨されている治療を実施しても、コントロール不良である気管支喘息の患者が現在も3割以上はいると考えられています。ただし上記のような重症発作を起こして死亡する人は日本では1995年の7253人をピークに減少しており、2013年では1728人(10万当たり1.4人)にまで減少しています。2013年度の喘息死亡例における65歳以上の高齢者が占める割合は90%弱で、この比率はここ数年変わっていません。したがって、特に高齢者の気管支喘息の適切な治療や発作予防が重要と言えます。

 

気管支喘息の原因

気管支喘息の原因

気管支喘息のベースに気道の慢性的な炎症があることは上述したとおりですが、慢性炎症にはアレルギーが深く関わっています。これまで気管支喘息はこのアレルギーが成立する仕組みやアレルギーと気道とのかかわりの違いからアトピー型喘息と非アトピー型喘息に分類されてきました。アトピー型喘息はアレルギーの古典的な仕組みで生じる喘息で、アレルゲン(アレルギーの原因物質)→IgE抗体→マスト細胞→ケミカルメディエーター分泌→気管支平滑筋収縮→気流閉塞、の機序で起こります。用語が難しいかもしれませんが、要は花粉症や食物アレルギーの発作時と同じ機序と考えるとよいでしょう。

しかしながら、肝心のアレルゲンは明確にはなっていません。また非アトピー性喘息については、「好酸球性炎症説」や「Th1-Th2不均衡説」、さらにはアレルギーを介さない「自然免疫説」などさまざまな仮説が提唱されていますが、専門的になりすぎるのでここでは詳細は割愛します。複数の仮説が正しい、つまりさまざまな経路によって喘息が生じている可能性もあります。はっきりしているのは古典的アレルギー(=アトピー型喘息)では説明できない気管支喘息の患者さんが存在していることです。

気管支喘息は実は症候群?

以上のことから、最近では気管支喘息の原因は多様であって、気管支喘息という病気は実は“症候群”なのではないかとも考えられるようになってきています。いわゆる“かぜ”という病気は医学的には“かぜ症候群”と呼ばれ、さまざまなウイルスや細菌が原因となり咳や鼻、のどに症状を生じる病気を総称して言います。同じように気管支喘息も、AさんとBさんの喘息では、その原因や背景が異なる場合があるという考え方です。

小児と成人の気管支喘息は異なる病気?

一方で最近では、小児発症喘息、成人発症喘息、高齢発症喘息というように発症時の年齢で気管支喘息を分類する方法も提唱されています。小児気管支喘息では自然に軽快する割合が成人よりも多いこと、高齢者ではCOPDと気管支喘息が合併することがあることなど、現実に即した分類と言えるでしょう。もしかすると、小児の気管支喘息と成人、特に高齢者の気管支喘息とでは原因が異なるのかもしれません。このことは成人喘息ではアトピー型が約70%、非アトピー型が30%に該当するのに対して、小児喘息ではアトピー型が90%以上をしめることからも推定されます。

 

 

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