飲酒とタバコをされる方は咽頭がんのリスクが高いです!

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咽頭がんの概要

咽頭とは人間の「のど」の一部です。人間の「のど」は咽頭と喉頭を合わせた部分になります。今回は「のど」にできるがんである咽頭がんについてのコラムです。

咽頭は鼻の奥から食道までの飲食物と空気が通る部分で、上咽頭、中咽頭・下咽頭と3つに分けられます。上咽頭は鼻のつきあたりにあり、のどちんこの名称で知られる口蓋垂と、扁桃の上後方にあります。中咽頭は口を大きく開けた時、口の奥に見える部分でで、下咽頭はのどの一番奥の食道につながる部分です。咽頭がんこれらの各部位で発症する可能性があり、発生した場所によって、上咽頭がん、中咽頭がん、下咽頭がんと分けられます。40歳以上の年齢で発症することが多く、女性より男性の方が4倍ほど発症しやすいといわれています。

咽頭がんは初期ではほとんど症状が認められず、症状が認められるとかなり進行しているといえます。発声した場所によって症状が異なります。

上咽頭がん

聴覚や視力に関係のある神経や部分が影響を受けるため、難聴や耳鳴り、視力低下といった症状が認められます。脳にも近いことから脳神経の麻痺が引き起こされ、神経痛や頭痛といった症状を認めることがあります。

中咽頭がん

中咽頭がんは、飲食物がうまく飲み込めなかったり、飲み込む際に痛みを感じるなどの症状を認めることがあります。

下咽頭がん

喉頭という気管とつながる期間があるため、呼吸がしにくい、声がかれるといった症状が認められます。また首のリンパ節に転移することが多いため、首にしこりを感じることがあります。

 

咽頭がんの原因

咽頭がんの原因とリスクは以下の通り、4つあります。

  1. アルコール(飲酒)
  2. たばこ(喫煙)
  3. EBウィルス(エプスタインバーウィルス)
  4. 貧血

咽頭がんの最大の原因といわれているのはたばことアルコールです。特にたばこはすべてのがんの発症リスクを高めますが、咽頭はたばこのけむりが直接通るため、たばこの影響を受けやすいといわれています。また、たばこは食道がんや口腔がん、喉頭がんなどの原因にもなっていますので、咽頭がんと同時に他の咽頭周辺がんも発見されることが多いようです。

上咽頭がんの発生にはヘルペスウィルスの1種であるEBウィルス(エプスタインバーウィルス)の感染が原因ではないかといわれています。このEBウィルスは日本では2~3歳で約70%が感染し、20歳を過ぎるころには90%が感染しているといわれています。感染してもほとんど目立った症状は認められず、症状が現れても軽い風邪のような症状のみです。一度感染すれば免疫ができるため、二度と感染することはないと一般的に言われています。また近年ではパピローマウィルスの関与も疑われております。

下咽頭がんのうち、輪状後部にできる輪状軟骨後部がんの場合は貧血を持つ女性が多く発症しており、そのほぼ全員が慢性的な鉄欠乏性貧血を合併しています。慢性的な鉄欠乏性貧血の場合、舌に炎症が起こり、食道の粘膜が萎縮することで飲食物を飲み込むことが困難になります。さらに舌が赤く平らになり炎症がおこり、痛みがでたり、痛痒いという症状が認められます。最終的にその粘膜ががんに変化する場合があり、これが輪状軟骨後部がんになります。

 

咽頭がんの治療法

咽頭がんでは代表的な3つのがん治療である放射線療法、化学療法(抗がん剤治療)、外科療法が施されます。がんの完治に向けては完全に取り除いてしまうのが最も効果的なため外科療法(手術)が望ましいですが、咽頭は飲食物を飲み込んだり、声を出すといったQOL(Quality of Life)という生活の質に直結する重要な器官であるため、外科療法が第一選択にならないこともあります。まず、放射線療法や化学療法を実施し、その後外科療法を実施する場合もあります。

1. 放射線療法

a:放射線単独での治療
頸部(耳の後ろあたり)にリンパ節転移がない早期がんや、がんが進行していて外科手術ができない場合に行います。この治療で完治すれば、咽頭を切除する必要がありませんので、発声や飲み込みに影響がなく、がん発症前と同じ生活を送ることができます。
b:手術の前後に行う放射線治療
がんを手術で取り除く場合、事前に放射線を当てて、がんを小さくしてから取り除く手術が行われることがあります。小さくしてから切除した方が、切り取る範囲が少ないため、手術を受ける患者さんの負担を少なくするためです。手術ではすべてのがんを取り除けなかった場合に、術後に放射線を照射することがあります。
c:放射線化学療法
放射線治療と化学療法(抗がん剤治療)を併用して行う治療です。近年では手術とほぼ同じ程度の成績がでております。この治療方法は欧米でも一般的に行われており、手術をしないため、発声や飲み込みに影響がなりません。

放射線照射副作用として、粘膜が炎症することによる飲み込みにくい、飲み込むときに痛む、声がかれるというものがあります。これらの症状は一般的に2週間前後に認められ、時間の経過とともに改善しますが、完全に改善しないこともあります。治療が終了してから発生する副作用として、頸部(耳の後ろあたり)の皮膚が硬くなる、甲状腺機能の低下などがおこることがあります。脊髄に放射線が多く照射されると体や手足の麻痺が起こることがあります。

2.化学療法(抗がん剤治療)

また、咽頭がんの治療では化学療法を単独で行うことはまずありません。上述した放射線化学療法として実施されるか、放射線治療の前後に実施されます。手術と組み合わせる場合でも手術の前後に化学療法が実施されます。再発や転移が起こった場合は化学療法と放射線療法を組み合わせる治療が一般的に行われます。

さまざま抗がん剤がありますが、標準治療として位置づけされているのは、経口薬のソラフェニブ(商品名:ネクサバール)があります。副作用は手のひらや足の裏に湿疹や紅斑(赤い斑点)があり、これらは痛みを伴うこともあります。下痢や吐き気、高血圧、肝機能障害などの副作用も認められます。

3.外科療法

外科療法は、放射線療法や化学療法を行っても、がんが残っている場合に実施されることがあります。上咽頭がんの場合は、上咽頭は聴覚や視覚に関する神経がたくさんあるため、基本的に外科療法は行いません。中咽頭がんの倍は、扁桃腺、舌の一部、顎の骨などのがんの周りの組織を取り除くことがあります。下咽頭がんの場合は、症状が出にくいため、発見されたときにはすでに転移を認めることが多いです。そのため転移した部分やその周辺の組織を同時に切除することが多いです。

中咽頭がん、下咽頭がんの手術では飲食物を飲み込む、声を出すという機能が失われることもあるため、手術後は本来の機能を残すための手術が行われます。

 

咽頭がんの最新治療

肝臓がんだけでなく、様々のがんの治療法として注目を集めているのが、PD-1抗体/PD-L1抗体です。がん細胞は白血球などの免疫細胞(体内の異物を攻撃する細胞)の働きを抑える作用をもっています。PD-1抗体/PD-L1抗体はこの免疫細胞の働きを抑えるというがん細胞の働きをブロックすることで、人間が本来持っている免疫機能を元通りに戻し、がん細胞を攻撃させる薬剤です。

日本国内では厚生労働省から承認を得ているPD-1抗体のNivolmab(商品名:オプシーボ)があります。適応は悪性黒色腫(皮膚がん)と非小細胞肺がんのみですが、肝臓がんやそのほかのがんについても、現在臨床試験(治験)を実施しているところです。PD-1抗体/PD-L1抗体はNivolmab(商品名:オプシーボ)以外にも複数あり、現在様々ながんに対して臨床試験(治験)が行われています。

この薬剤のすばらしい点は、従来の化学療法よりも効果が高いことです。例えば、生存期間が延長された、がんの進行が食い止められている、がんが小さくなった、がんが完全に消えたなどということが、臨床試験データから示されています。

副作用としては疲労感、倦怠感、はきけ、嘔吐、下痢・便秘などの消化器症状などがありますが、従来の抗がん剤と比べると、格段に副作用が少ないのが特徴です。

デメリットとしては、お薬の値段が非常に高額ということです。日本には高額医療制度がありますが、それでもオプシーボで計算すると薬代だけで年間100万円以上の負担は必要になります。

 

 

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