お腹の時限爆弾、腹部大動脈瘤….!早期発見が命を救います!

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お腹の時限爆弾、腹部大動脈瘤….!早期発見が命を救います!

腹部大動脈瘤とは

腹部大動脈瘤とは、腹部大動脈という動脈が、太く広がった状態のことをいいます。動脈が正常値の1.5倍以上に膨らみますと動脈瘤とみなされます。腹部大動脈瘤になりますと、腹部大動脈は正常な太さが約20mmですので、30mm以上に膨らんだ状態となります。

 

腹部大動脈瘤の原因

腹部大動脈瘤の原因としては、動脈硬化が90%以上を占めます。その他の原因は、梅毒やサルモネラなどの感染症、動脈炎などの炎症となります。

腹部大動脈瘤の分布

腹部大動脈瘤の男女比は、6〜8:1と、男性に多いです。年齢分布は、60~70歳がピークになっており、平均年齢は、65歳前後です。

腹部大動脈瘤になりやすい要因

腹部大動脈瘤になりやすい人には、一定の傾向があります。まず、高血圧です。血圧が高いと、動脈瘤を形成しやすいだけでなく、破裂しやすくする要因にもなります。また、喫煙もリスク因子のひとつです。たばこを吸いますと、動脈硬化を進行させたり、血圧を上昇させたりします。身内に腹部大動脈瘤を発生した人がいる家系に属する人も、腹部大動脈瘤を発生させやすい傾向があるといわれています。

腹部大動脈瘤のリスクを下げるために

動脈硬化が原因のほとんどを占めています。そこで、動脈硬化を予防するためにコレステロールに気をつけた食生活を心がけましょう。また、普段から自分自身の血圧をチェックし、血圧を正常値に保つようにしましょう。血圧が高いなら血圧を下げる薬を処方してもらって血圧を正常範囲に維持しましょう。もし、たばこを吸っているなら、禁煙をしましょう。自分で禁煙することが難しそうなら、禁煙外来を利用するのも手です。特に、家族に腹部大動脈瘤を発生した人がいる家系や、男性で60歳以上の人などは、腹部大動脈瘤のリスクが高まってきます。該当する場合は特に上述のリスクコントロールを行なってください。

 

腹部大動脈瘤の症状

お腹のあたりにドクドクと脈打つ瘤状のものを触れることもありますが、一般的に症状がないことのほうが多く、検査を受けて初めて見つかるということも少なくないです。ですから予兆もなく、ある日突然腹部大動脈瘤が破裂することも珍しくありません。しかしながら、大きくなるとお腹の痛みや腰の痛みを感じるようになることもあります。言い換えれば、痛みを伴う腹部大動脈瘤ですと、すでに大きい状態にあると言えます。破裂するリスクも同様に高いことが多いです。

腹部大動脈瘤が破裂すると

もし、腹部大動脈瘤が破裂しますと、お腹の中に大量出血します。出血量の多さから、激しい痛みはもちろん、ショック状態に陥り、生命が危険になることも少なくありません。

 

腹部大動脈瘤の診断

腹部大動脈瘤の疑いがある場合、CT検査による画像診断を行なうと、場所や大きさ、形が正確につかめます。また超音波検査(腹部エコー)も有効です。

 

腹部大動脈瘤の治療法

腹部大動脈瘤が発生しても、その大きさが40mm前後に満たない場合で、かつ、大きくなる速さが半年で5mmに満たない場合は、手術を行なうことは少なく、多くは血圧のコントロール治療が行なわれます。大動脈瘤は一度できてしまうと、なくなることはありませんが、血圧を下げることで、それほど大きくない動脈瘤であれば破裂することを予防することができるのです。ただ、動脈瘤は残ったままですし、多くの場合、血圧がきちんとコントロールできていても、年1割弱は大きくなっていきます。ですから、定期的に超音波検査やCT検査で経過観察をして、大きさや形態の変化を確認する必要があります。

腹部大動脈瘤の治療成績

腹部大動脈瘤が破裂してから手術をしても、手術成績は良くないです。破裂前に手術が行なわれた場合、成功率は95%以上と言われています。ところで、破裂した場合は、治療が非常に難しく、専門施設で緊急手術を行っても、成功率は50%に達するかどうかというところのようです。ですから。破裂前に早期に診断し治療を行なうことが大切です。

大きな動脈瘤の場合の治療法

大きさが男性で50mm、女性で45mmを超えた腹部大動脈瘤の治療は、手術が適応となります。現在、薬で動脈瘤を治してしまう方法はありません。手術方法は、人工血管に置き換える開腹手術と血管内治療に分けられます。

 

開腹手術:人工血管置換術

おへその部分を中心にして、お腹におよそ25cm程度の切開を加えて、動脈瘤を取り除き、人工血管を大動脈の健全な部分に縫い付けて、大動脈瘤があったところを人工血管に置き換える方法です。この方法は、確立された方法ですので、安全性も治療成績も高いのが特徴です。手術に要する時間は4〜6時間程度、入院期間は2〜3週間くらいになるのが一般的です。

開腹手術に用いられる人工血管について

ポリエステルなどで作られています。移植して人体が拒絶反応を起こすこともなく、安全で安定性の高いものです。その耐久性は20年以上と言われています。一度入れてしまえば、取り替える必要はまずありません。しかし、人工血管に細菌感染が起こったり、動脈に縫い付けた部分から再度動脈瘤ができたしまった場合は、取り替える再手術が必要となります。

 

血管内治療(ステントグラフト治療)

血管の中にカテーテルを入れて、ステントグラフトと呼ばれる金属製の骨格により支えられた人工血管を腹部大動脈瘤の内部に入れる治療です。動脈瘤そのものは取り除きませんが、動脈瘤が発生した腹部大動脈瘤の部分に対して、内部から弱くなった血管壁を補強し、動脈瘤が破裂しないようにするのが特徴です。

腹部大動脈瘤 ステントグラフト 心臓血管外科

腹部大動脈瘤 ステントグラフト 心臓血管外科

血管内治療(ステントグラフト治療)の方法

足の付け根に30mmほどの切開を入れます。そこの大動脈から、カテーテルと呼ばれる非常に細い管を大動脈瘤に向かって挿入します。適切な位置まで到達しますと、このカテーテルを通してステントグラフトを留置します。カテーテルから放出されたステントグラフトは、バネの作用で自動的に広がり、動脈瘤の内側にあたかも新しい血管ができたかのごとく、大動脈を補強してくれます。こうして、動脈瘤の破裂の危険性を下げることができます。なお、適切な位置に留置できたかどうかは、血管造影検査で確認することになります。

血管内治療(ステントグラフト治療)の利点と欠点

血管の中からの治療であるがゆえに、お腹を切らないので、傷跡が小さくできることと、回復期間が短くなるので、入院期間の短縮にもつながるという利点もあります。ちなみに入院期間は、手術後3~5日程度と言われています。欠点は、動脈瘤を取り除くのではないので、再手術が必要となる場合があるということです。

血管内治療を行った後は

血管内治療は動脈瘤を取り除く治療ではありませんので、その治療の成否を判断するためには、手術後、1か月、6か月、1年と、定期的に経過観察を行う必要があります。その都度、CT検査やMRI検査で手術後の経過を確認します。経過観察を行っている最中に、再手術が必要な所見が発見されることもあり、その場合追加で血管内治療を再度行うこともありますが、基本的にはその場合は、開腹手術を行うことになります。

血管内治療のできない場合

あまりにも大きな動脈瘤の場合や、湾曲が多くカテーテルを通しにくい場合は、できないことがあります。また、手術後、定期的に経過観察する必要がありますので、手術後、通院ができないような場合は、この方法が適しているとは言えません。

 

おわりに

腹部大動脈瘤について、一番大切なことは、とにかく腹部大動脈瘤が小さいうちに動脈瘤を見つけることです。60歳以上で、高血圧症を持っていて、たばこを吸っている方では、動脈硬化のリスクが高いと言えます。こうした方々は、腹部大動脈瘤を発生させる可能性が非常に高いです。定期的にお腹の検査を行い、腹部大動脈瘤の発見に努めましょう。そして、それだけでなく高血圧症の治療と禁煙を必ず行いましょう。

 

 

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