症状・疾患別受診すべき医療機関-⑰形成外科・美容外科

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症状・疾患別受診すべき医療機関-⑰形成外科・美容外科

今回は、形成外科・美容外科のお話です。この2つの診療科はどちらも形成外科医が担当していることが多いのですが、対象とする疾患が異なってきます。ざっくりいうと、形成外科は医学上の問題となる傷病を治療する科、美容外科は医学上の問題はない体に手を加えてより良い状態にする科、と言えます。これだけではイメージをつかみにくいと思いますので、以下の具体例で理解を深めましょう。まずは、そもそもの形成外科とは何かを解説します。

 

形成外科の診る疾患

形成外科が提供する医療は、「先天的または後天的な美容上の問題や、機能的な問題を、外科的な治療・その他を用いて治療」することです。“先天的“というのは生まれつきという意味で、”後天的“というのは生まれた後に病気やケガでそうなってしまったという意味になります。

治療手段として、形成外科医は、”外科医“というのだから当然ではありますが、外科的治療・手術の技術を習得しています。「きれいに縫う」「細かい血管をつなぐ」といった、一つひとつの手技に対する技術は様々な外科系診療科の中で最高レベルといってよいでしょう。その技術を使って、美容上の問題や機能的な問題を解決してくれるわけです。具体例をみてみましょう。

外傷・熱傷

けがや,やけど(火傷)では、傷害部位の範囲がせまく、浅いものでは、一般の外科での対応で十分なのですが、皮膚が広範囲にわたって剥がれてしまうほど重症なものでは、専門的な治療を行わなければなりません。傷が深いと、血が止まって痛みがなくなったとしても、大きなあとが残ってしまい、美容上の問題が生じます。また、傷は多くの場合、治った後にもとよりも“固く”なるため、ひきつれなどにより関節の動きを制限してしまい機能障害をきたすこともあります(指を動かしにくいなど)。形成外科では、皮膚や筋肉の移植、専門的な縫合技術を用いてこのような問題を極力起こらないような治療を行っています。

瘢痕(傷跡,ケロイド)

傷が治った跡に、皮膚が赤く盛り上がって広がってしまうケロイドという疾患があります。外傷による傷跡だけでなく、胸部・腹部など他の部位の疾患に対して手術を行った手術創にできることもあります。このケロイドを診療しているのも形成外科です。

顔の骨折

骨折といえば整形外科ですが、顔の骨折だけは形成外科が診療していることが多いです(逆に腕、足の骨折などは形成外科では診てくれないことがほとんどです)。顔の骨折は、ミリ単位でも元と違う治り方をすると、顔の印象が大きく変化してしまうおそれもあるため、より繊細な治療が必要だといえるからでしょう。

先天的な異常

生まれつき耳が異常に小さい小耳症、唇や上あごに裂け目がある口唇口蓋裂、多指症、合指症(2本以上の指がうまく分離されていない)、漏斗胸、などの相談・治療は形成外科の担当です。

手術後の再建(組織欠損に対する治療)

悪性腫瘍(がん)の手術では、病変のみを切除するのではなく、周囲の正常組織も含めて切除しなければがんを治すことはできません。切除範囲が広く変形したり、切除によりもとあった機能が失われたりする場合があります。この変形の修正や、失われた機能をできるだけもとに戻すことを“再建”といいます。すべての領域の手術の再建を形成外科医が行っているわけではありませんが、特に頭頸部のがん(咽頭癌、舌癌、喉頭癌、上顎癌など)では、外見上・機能上の影響が大きいことから、形成外科医が担当することが多いです。悪性腫瘍の病巣切除自体は耳鼻科、頭頸部外科、脳外科などが担当しますので、これらの診療科と形成外科が協力して手術が行われることになります。また、乳がんに対する手術後の乳房再建術も形成外科で行われます。

 

美容外科

この診療科は、基本的に健康上の問題はないけれども、よりよい状態、外見的に優れた状態にしたいという希望を叶える科です。歴史をたどるとやや複雑なのですが、もともとは医療・医学とは切り離して扱われていたという側面もあります(現在でも多くの美容外科的診療は保険適用外です)。このため、多くの美容外科を標榜しているのはクリニックレベルの小さな医療機関でした。しかし近年、医療そのものが、患者のQOL(生活の質)、満足度を重視する流れがあり、大学病院などの大病院や公的病院にも、美容外科ができてきています。美容外科の診療内容は、二重まぶた、フェイスリフト、鼻形成、あざ消し、スキンケアなど多岐にわたります。

 

形成外科・美容外科の受診の仕方

まず、どちらを受診すべきかですが、上記を読んでいただければご理解いただける通り、医療上の問題があるなら形成外科、外見をより良くしたいなら美容外科ということになります。

ただ、形成外科を受診すべき状況は、ご自身ではなかなか判断できないかもしれません。外傷に関しては、初診時の救急外来の医師などが、傷の状況などから形成外科受診の必要性を判断することになりますし、手術時の再建に関しても、メイン担当の科(主治医)から形成外科に再建時の協力を要請することがほとんどでしょう。

美容外科に関しては、施設によって診療内容が様々ですので、ご自身の希望する技術をその施設がもっているかを必ず確認しましょう。また、美容外科に関しては、かつては医療と切り離されていた側面があると解説しましたが、現在の医療では常識である“インフォームド・コンセント”が徹底されていない施設もあり得ます(実際に、施術に対する不満や事故に対する相談が消費者センターに寄せられているようです)。より良い自分を求めて受けた治療が逆効果になってしまわないよう、事前の説明はしっかり聞き、質問し、納得したうえで治療を受けたいものです。

 

 

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