【米国論文】膵臓の低侵襲性(腹腔鏡下)手術は年間22件以上がいい病院の条件!

腹腔鏡やロボットのサポートを用いた手術は、身体への負担を最大限軽減し早期の社会復帰をサポートする手段として大きなメリットがあります。2012年度からは膵臓疾患についても腹腔鏡術が保険適応されており、低侵襲性(傷の小ささ)を目的とした手術の適応は徐々に拡大してきています。今回は、膵臓に対する低侵襲性手術に関連した論文を紹介します。
膵臓に対する手術の難しさ
膵臓は、胃の裏側かつ背骨の前方の「後腹膜」と呼ばれる空間に存在した臓器です。膵臓はお腹の中でも体の奥深くにあるため、膵臓に対しての手術は外科手術の中でも最も複雑なものであることが知られています。例えば、膵臓の中でも膵頭部(膵臓の右側部分)と呼ばれる部位は十二指腸、胆管とつながっており、この領域に発生した腫瘍の切除を行う手術である「膵頭十二指腸切除術」は、消化器外科の分野では最も難しい手術の一つとされます。
膵臓の低侵襲性手術とは
膵臓の手術は解剖学的にも複雑な部位であり、術後合併症が他の外科手術よりも多く、患者さんへの負担も大きくなる傾向があります。患者さんへの負担を軽減することを目的として、腹腔鏡やロボット等のサポート下で手術を行うことが外科領域において広く実践されるようになってきています。2012年からは膵臓疾患に対しても保険適応下で腹腔鏡による手術を行うことが可能となりました。以後さらに適応は拡大しており、2016年度からは先に述べた「膵頭十二指腸切除術」に対しても腹腔鏡による低侵襲手術を行うことが認められるようになりました。
しかし、開腹手術でも困難な膵臓手術ですが、腹腔鏡を始めとした手術視野が狭くなりがちな手段となるとさらに技術を要することは想像に難くありません。そこで今回は、手術経験値の差がどの程度術後経過に影響をもたらすのかを検討した論文を紹介します。
低侵襲性膵臓手術の手術件数と術後経過との関係とは?
侵襲性膵臓手術における名医は手術件数を基準に選ぶとよい
膵臓手術はただでさえ技術的な要求度は高く、侵襲性技術を用いたアプローチはさらに困難を極めます。しかしその一方で身体的負担を軽減できるメリットは非常に大きく、いかに信頼できる医師に出会うことができるかが重要です。より効率的に名医に出会うことができるよう、手術件数を参考に検討してみて下さい。
参考論文:Defining a Hospital Volume Threshold for Minimally Invasive Pancreaticoduodenectomy in the United States. Adam MA, Thomas S, Youngwirth L, Pappas T, Roman SA, Sosa JA. JAMA Surg. 2016 Dec 28.doi: 10.1001/jamasurg.2016.4753.
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