“「病院での外来待ち3時間」の解決策”ー「受診する」って難しい!⑦

外来で診察まで3時間も待たなきゃいけない?!
「病院の待ち時間が好き!」という方はなかなかいないと思います。まずは、こちらの、厚労省による病院の待ち時間を示したグラフをご覧下さい。
いかがでしょうか。
こちらは外来患者さんにアンケートを取った結果なのですが、特定機能病院から小病院まで、半数以上の患者さんが待ち時間が30分以上であり、2時間以上待つことも7%程度、3時間以上も2%程度あるようです。。
個人的な実感値からすると、病院での待ち時間はもう少し長い印象ですので、もしかすると待ち時間の長い方はイライラして、アンケートにあまり答えていない、などということもあるかもしれません。
実際に大きな病院に受診に関して問い合わせてみると、「初診外来は最大6時間待ちです」「朝9時に受付して、帰りが4時ごろになる感覚で来てください」などと言われることもまれではありません。
今回は、病院の待ち時間が長くなる「裏事情」と、待ち時間が短くなる方法についてご紹介します。
どうして病院はクリニックよりも待ち時間が長いのか
そもそも、「高度医療機関」の役割ー医療機関分類③で紹介したように、掲げている診療科と、実施できる検査・治療が多いのが特徴である病院。
残念ながら初診だけでなく再診でも待ち時間が長いのが現状ですが、実はかかりつけ医・クリニックには見られない病院の「裏事情」があるのです。
病院の待ち時間が長くなる「裏事情」
全ては病院の勤務医の方が、クリニック・かかりつけ医よりもやるべき仕事が多岐にわたることから引き起こされます。例えば、下記のようなことがあります。
- 入院患者が多いため、病棟での急変も多く、外来中でも入院患者の対応が突然必要になる
- 一刻も早く優先して診察しなければならない救急患者が多く、状態の安定している患者は診察がどんどんと後回しになる
- 手術も難易度の高いものが多く行われ、時間が想定以上にかかることがある
- 同じ診療科の他の先生が、学会などで不在にしているためにただでさえいっぱいの外来枠に無理してその先生の患者を引き受けている
このように、医師の仕事が通常の外来以外にも多岐にわたり、予期せぬところで時間を取られてし舞うため、「待ち時間」が長くなってしまうのです。
受診時の待ち時間を短くする方法
それでは、待ち時間が短くするためには一体どうすれば良いのでしょうか。答えは単純明快です。
ズバリ、風邪や胃腸炎などの軽症疾患の場合や、高血圧や糖尿病など状態が安定している慢性疾患の場合は、病院ではなくクリニックを受診した方がいいでしょう。
(※クリニックって何?かかりつけ医って何?という方は、「かかりつけ医」の役割ー医療機関分類①のコラムもご覧下さい。)
実は、病院の医師も、安定している慢性疾患の患者さんであれば、わざわざ長時間待たされる病院に月に1回などかかる必要はない、と頭では理解しています。しかし、医師も人間です。現実的には医師から「こちらに来る必要はないから、お近くのクリニックを紹介します」とは言い出しづらいもの。患者さんに「この先生は自分を見捨てようとしている」「もうこんな先生は信頼できない」と思われ、せっかく築き上げた信頼関係にヒビが入らないかどうか、不安なのです。
ですから、状態が安定し、クリニックでも十分診察できる慢性疾患なのであれば、患者さんから「通いやすい場所にあるクリニックを紹介して下さい」と依頼するのが、近道だったりもします。
(逆に医師が「この患者は自分の治療を疑っている」「親身になって治療をしているのにひどい」などと思う場合も残念ながらありますので、そこはお手数ですが、大変感謝しているがやはり通院の負担や待ち時間が…という話し方をした方が無難です。)
「先生に任せっきり」の受診でムダな待ち時間を過ごさず、自分の状態をきちんと理解したうえで、適切な受診先を選びましょう。
参考までに、病院も待ち時間の重要性はもちろん理解していて、待ち時間を楽しくー病院の待ち時間対策①、待ち時間の見える化ー病院の待ち時間対策②、などの対策を行っています。
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