待ち時間を楽しくー病院の待ち時間対策①

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待ち時間を楽しくー病院の待ち時間対策①

病院受診時の最大の不満は待ち時間が長いこと

みなさんが病院を受診された際に一番不満に思うことはなんでしょうか。おそらくほとんどの方が一緒だと思いますが、”外来での待ち時間が長いこと”です。実際厚労省の調査を見てみても、待ち時間が長いということは、他の様々な要素を抑えて、患者さんの不満の最大の要素となっています。(下記グラフ参照)

受診時の不満

そして確かに、実際に病院の待ち時間は「長い」です。特に体が弱っている時のあの1-2時間の待ち時間は、通常よりもはるかに長いと感じられます。平成26年の厚労省調査によると、病院外来での待ち時間は、30分以内の患者さんが49%である一方、2時間を超える方(!)も6%以上います。

 

病院の待ち時間解消に向けた医療機関の努力

そのため、待ち時間への患者さんの不満を緩和することは、医療機関にとっても最大かつ普遍的なテーマでもあります。

ほぼ全ての病院で、患者さんの不満を解消する努力が行われていますが、その方法としては大きく3つに分類されます。

  • 待ち時間を短くする
  • 待ち時間を紛らわせる
  • 待ち時間を明確にする

今回はその中でも「待ち時間を紛らわせる」工夫を、ご紹介いたします。

 

1. 待ち時間を過ごす患者さんのことを考え抜いた空間作り

病院の待ち時間を長いと感じさせないような工夫として、1つの病院を例に挙げます。

国立成育医療センターは、全国でも有数の小児の総合病院であり、全国から患者さんが集まり大変混雑します。これに対し、成育医療センターでは、飽きやすいお子様のために院内に様々な工夫を凝らし、待ち時間が気にならない環境を整えています。

例えば、院内には、子どもが遊べるプレイルームがあちこちに用意されており、絵本や児童書がいっぱいの図書コーナーもあります。また随所が子供の好きなカラフルな色合いに満ちています。

また、1階にはクマの顔がついた機関車があり、ドアを開け閉めしたり、実際に乗り込んだりして遊ぶことができ、中の運転席ではゲームもできます。まるで小さな遊園地のようです。

2階の壁には、子どもたちに大人気の「元気ザウルス」がいます。スイッチを押すとコロコロとボールが転がって、恐竜の形をしたピタゴラ装置のような仕掛けが動き出します。また、壁一面にかわいい動物たちがいっぱいのカラフルな絵が描かれている場所もあり、動物をかたどった遊具のような椅子も設置されています。

さらに、ゴミ箱にも、捨てるのが楽しくなるような表情がついています。

汽車

国立成育医療研究センターホームページより引用:
http://www.ncchd.go.jp/hospital/about/annaizu.html

建物の設計からゴミ箱に至るレベルまで、患者さんのこと、お子様のことを考え抜いているため、「多少の待ち時間があっても、あっという間に時間が経ってしまうので、全く苦にならない」「居心地がいいので、待ち時間が多少長いときでもストレスがない」「病院なのに、子どもが自分から行きたがる」との声も多くあがっています。

病院の待ち時間の不満の声は、大人よりも子供が待ち時間に耐えられないということも大きな要素のため、長い待ち時間を子供にいかに快適に過ごしてもらうかという工夫をたくさん凝らしているというわけです。

 

2. 病院の待ち時間で病気について知ってもらう・予防啓発

多くの病院では、待ち時間のあいだに医療に関する情報提供を患者さんにできないか、という試みもよく行われています。待合スペースに医療系の雑誌や本を置いたり、疾患啓発のパンフレットやポスターを掲示したりするというのがこれにあたります。さらに、この情報提供を専門的なサービスのレベルまで高めたのが、日経BPマーケティングの行っている医療情報配信サービスです。

医療情報配信サービス

日経BPマーケティングホームページより引用:

http://www.nikkeibpm.co.jp/item/40/177/index.html

このサービスでは、待ち時間を過ごす待合室などのスペースに大型ディスプレイを設置することで、日経メディカルのコンテンツなどをベースに疾患啓発や健康情報などの動画を閲覧することができます。やはり患者さんであるがゆえに健康情報が大きな関心ごとであり、病院で待ち時間を過ごす患者さんの5割ぐらいが見ているという病院もあるようです。

 

3. 病院の待ち時間を過ごす場所の自由化

また、患者さんが待ち時間を過ごす場所を制限しないということも不満の改善には重要です。ときには病院の外で長い待ち時間を過ごしてもらうという仕組みを導入している病院もあります。

たとえば大きな病院では、受診時に予約票とともにポケベルを渡し、順番が近づいたらポケベルを鳴らして知らせる仕組みや、自分の携帯電話から登録しておけば、診察順番が近づいた時にお知らせメールが届く、という工夫をしているところがあります。

ポケベル

そのため、自分の順番が来たときに病院の待合スペースにいなくて順番が飛ばされるという心配もなく、病院の中のカフェで本を読んだり、病院の敷地内で電話したりと、病院内であれば好きな場所で自由に過ごせる点が魅力です。待合室の座り心地の良くない椅子に長い間座っていなければならないのと比べると、大きな差です。

またクリニックでも最近は、インターネット予約を通じて、受診待ち人数が残り何人になったら患者さんの携帯電話に連絡が来るというシステムを取り入れているところがあります。それにより、もはやクリニックで待つ必要すらなく、待ち時間が長い時には自宅でくつろぎながら待機することも可能になっています。

病院の待ち時間が長いことが不満として挙げられるときに、体調の悪い他の患者さんと同じ空間で待ち時間を過ごすことによって、自分の体調がさらに悪くなりそうでいやだ、という声も多く挙がります。このような不満を上手く解消している事例と言えます。

 

よい病院は待ち時間を長いと感じさせないよう様々な工夫をしています

今回、代表的な”長い待ち時間を紛らわせる工夫”を3点紹介しました。どの病院も程度に差こそあれ、待ち時間を快適に過ごしていただきたい、という思いはあると思います。

しかし、待ち時間対策として”とりあえず待合室に雑誌を置いてみた”という様に中途半端な工夫に留まってしまっている病院もまだまだ多いのが現状です。自分の病院に来る患者さんが、どうすれば待ち時間を快適に過ごせるかをしっかり考えていれば、例えば若い人に向けて、外来でiPadや携帯ゲーム機を自由に使える無料のwifiを提供してみたり、移動が大変なご年配の方に向けて、座り心地の良い椅子を待合室に置いてみたり、というような工夫も生まれてくるでしょう。

どこかの病院を受診した際には、外来での長い待ち時間のあいだ、その病院がどれほど患者さんの待ち時間を解消する工夫をしているかを感じてみるのも、今後継続して受診するかどうかの目安となると思います。

 

病院の待ち時間対策② 待ち時間の見える化のコラムでは、さらに具体的な待ち時間の可視化、見える化に取り組んでいる病院をご紹介します。

 

 

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