遠隔手術を助ける!ー米国スタートアップNurep

遠隔手術のプラットフォームサービス
今回ご紹介するのは、米国のスタートアップのNurepというサービスです。
遠隔手術を行う外科医や医療機器担当者が、 iPadなどのデバイスでつながることのできる安全かつ効率的な通信プラットフォームです。
各患者が最良の手術を受け取ることができるだけでなく、従来、医療機器担当者がわざわざ手術室に足を運ぶための費用を抑えることができます。
Nurep—これまでの軌跡
Nurepは2012年にポール・シュルツ、アダム・ジョンとニック・ダミアーノによって共同設立されました。
シュルツ氏とジョン氏は以前ライフサイエンスコンサルティング会社で管理職に就いていました。ダミアーノ氏は、無線ペースメーカーのためのソフトウェアアルゴリズムを開発したソフトウェア・エンジニアでした。
3人の知識や経験の集大成が、Nurepだったのです。
外科医を現場で支援するために医療機器担当者を派遣するためには年間約40億円のコストがかかっていますが、Nurepの導入によりこのコストが削減できます。
現在では医療カートのNurepキャディー、医療通信機器Nurep モバイルといったサービスが展開されており、2015年には、Amino Capital、Blueprint Health、StartCaps Ventures、StartXなどから2億円近くの出資を受けています。
また、法的な問題もクリアーにしていると名言しています。
HIPAA (Health Information Portability and Accountability Act) 法と、HITECH 法 (Health Information Technology for Economic and Clinical Health (HITECH) Act)という法律がそれぞれ1996年と2003年に策定されていますが、これは日本語では「医療保険の相互運用性と説明責任に関する法律」、「経済的および臨床的健全性のための医療情報技術に関する法律」と訳すことができます。
少し専門的なお話になってしまいますが、128ビットの高度な暗号化標準通信を可能にする独自のウェブリアルタイム通信(WebRTC)ソフトウェア開発キット(SDK)を活用することにより、プラグインやサーバを必要とせずに通信することが可能になっているのです。
Nurepの類似サービス
Intralign
2012年に創業し、主に整形外科医の手術や関節置換の質を高めるために、データ連動型の効率ツールや臨床支援サービスを提供しています。これまでにPamplona Capital Managementなどから出資を受けています。
Smith & nephew
150年近くの歴史を持ち、医療専門のサービスを提供している大きなグループです。トレーニング用に、S2 Procedure Performanceというサービスを展開しています。日本にも展開しています。
日本での展開は?
Nurepは、Smith & Nephewのように規模が大きくなり、日本でもネットワーク環境の整備が可能できれば、日本でも十分に展開可能な事業内容といえるでしょう。
また、2015年6月に閣議決定された「経済財政運営と改革の基本方針2015」には「遠隔医療の推進」が明記されていることから、今後、日本でも遠隔診療のサービス展開をしやすくなることが見込まれています。
2015年にも2億円近くの出資を受けており、追い風の中にいるNurepの今後に期待です。
Nurep—今後の課題
Nurepは成長スピードも早く、法律に準拠したサービスを着実に開発しています。
他社が容易に真似できるサービスではなく、類似サービスとはいえ、他のサービスは同じ土俵で戦っているというよりは、少々異なる土俵で戦っているといえます。
今後は、よりサービスの精度を増し、横展開で顧客の幅を広げていくことが課題だといえるでしょう。
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