慢性中耳炎がすすむと鼓膜に穴が空いてしまいます!

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[投稿日] '16/08/08 [最終更新日] '18/04/13 199views
慢性中耳炎がすすむと鼓膜に穴が空いてしまいます!

慢性中耳炎の概要

中耳とは

耳には、鼓膜とよばれる空気の振動(=音)をとらえる膜があります。人間は、この膜に空気が当たって振動することで”音”を感じます。耳の内側は、この鼓膜を境界として2箇所にわけられます。それより内側の部分を内耳、反対に外側の部分を外耳といいます。耳あかがたまって耳掃除をする部分が外耳にあたりますので、普通はこれより内側にある内耳の部分に触れることは出来ません。

中耳にはとても小さな3つの骨があります。ツチ骨、キヌタ骨、アブミ骨といい、3つ合わせて耳小骨といいます。鼓膜の後ろには空気が詰まっている空洞があります。ここのことを中耳腔といいます。ここの空気が内側から鼓膜に圧力をかけて、鼓膜を太鼓の様にピンと張ります。鼓膜に伝わった空気の振動を耳小骨が伝えて、音が聞こえる様になっています。中耳は、耳の聞こえ方にとって、非常に大切な場所なのです。

慢性中耳炎とは

中耳炎とは、中耳という空間を中心に化膿してしまう病気です。中耳炎は、急性中耳炎慢性中耳炎にわけられるのですが、今回お話する慢性中耳炎は幼少時の急性中耳炎の遷延化や反復により、鼓膜に永久穿孔が生じて発症する病気です。

慢性中耳炎は、黄色ブドウ球菌などの細菌性微生物が中耳に感染することで起こります。細菌の侵入経路の多くは、耳管という中耳と喉をつなぐ管からです。外耳からは鼓膜で境されていますので、外耳から入ってくることは少ないです。

中耳にたまった膿を鼓膜にあいた穴を通して排出しますので、耳だれがでます。また、音を拾うために必要な鼓膜に穴が開きますので、これにり伝音性難聴という耳の聞こえが悪くなる状態が生じます。伝音性難聴は、初期の段階では鼓膜の穴が小さいのでそれほどひどい症状にはなりませんが、中耳炎の進行に伴い鼓膜の穴が広くなってきますと、内耳の神経をいためてしまい音自体を感じにくくなる”感音性難聴”という難聴をひきおこしてしまいます。

 

慢性中耳炎の検査と診断

検査は、まず鼓膜の状態を確認することから行ないます。レントゲンやCTをとっても鼓膜は見えませんので、拡大鏡や手術用の顕微鏡で肉眼的に診査します。これにより、鼓膜に開いた穴のサイズやその位置、また鼓膜が赤く腫れていないかなどを確認します。また、出ている膿の量も知ることが出来ます。こうした結果から、慢性中耳炎の状態や今まで炎症をどれくらい繰り返していたかがわかります。

耳の聞こえ具合については、聴力検査を行います。これにより、鼓膜に穴が開いたことによる難聴(伝音性難聴)なのか、内耳の神経の部分まで影響が及んだ難聴(感音性難聴)なのかを診断することが出来ます。

また、鼓膜に開いた穴を一時的にふさぐことで、耳の聞こえ具合が良くなるかどうかをみることで、音を感じる働きがきちんと正常に機能しているかがわかります。

耳だれについては、膿を採取して、これに含まれる細菌の検査を行ないます。細菌の検査では、細菌の種類のみならず、抗菌薬の効き具合(感受性といいます)まで知ることができます。

 

慢性中耳炎の治療

慢性中耳炎の治療は、下記の2つを目標に行なわれます。

  1. 耳だれ(を無くすこと)
  2. 耳の聞こえ具合(を良くすること)

この耳だれと耳の聞こえ具合の悪化という症状は、慢性中耳炎の主な症状にあたります。これら慢性中耳炎の二大症状を良くすることで、日常生活を快適におくれる様にするのです。

慢性中耳炎の治療方法は、大きくわけると、手術をしない保存的療法と、手術を行なう外科的治療とにわかれます。

慢性中耳炎の保存的療法

耳だれに対しては、抗生物質を使います。この場合、急性中耳炎とは異なり、飲み薬や点滴の抗生物質を使うことは稀です。慢性中耳炎の場合は、点耳薬という耳用の液状の塗り薬になります。使い方は、中耳炎の耳が上になる様に横になり、朝夕と1日2回くらい耳の穴にたらします。その後、10分くらいじっとしておけば大丈夫です。

また、耳鼻咽喉科で器械を用いて耳だれを吸い出したり、専用の薬を用いて耳の洗浄をすることもあります。

慢性中耳炎の外科的治療

①鼓膜の穴に対して
鼓膜に開いた穴は、残念ながら薬だけでは治りません。穴が開いた状態のままですと、耳の聞こえ具合が悪くなったり、そこから細菌が侵入して中耳炎を繰り返す原因となったりしますので、鼓膜の穴を閉じる手術が必要となってきます。これを鼓膜形成術といいます。時期が適切でそれほど大きくない穴であれば、90%以上の確率で穴を閉じることが出来、耳の聞こえ具合の改善が期待できます。

鼓膜形成術は局所麻酔で出来る手術で、これは耳の外側から、鼓膜に開いた穴を塞ぐという方法をとります。手術と言いますが入院は必要なく、日帰りでの実施が可能ですのでそれほど負担が大きいわけではありません。

この方法がいいかどうかは、鼓膜の穴を一時的に塞いでみて、耳の聞こえ具合が良くなるかどうかを検査して決めます。この検査で聞こえ具合がよくなるなら鼓膜形成術をした方が良いといえるでしょう。

②耳だれに対して
薬を使っていても、耳だれが良くならない場合は、耳の奥に膿の大元があるということを意味していますので、手術をして取り除かなければなりません。この場合の手術は、鼓室形成術といいます。この方法は、耳の骨を削って耳だれの元の部分を取り除き、空気の振動を検知する役割を果たしている中耳にあるとても小さな骨(耳小骨=ツチ骨、キヌタ骨、アブミ骨の3つ)の状態を確認・再建し、鼓膜を塞ぐというものです。

鼓膜形成術とは異なり、こちらは全身麻酔で行ないます。ですので外来通院で行なうというわけにもいかず、入院する必要があります。入院期間については、症状によるところが大きいので、一概にこのくらいの期間というのは難しいです。また、骨を削る手術ですので、手術前にCTを撮影し、耳の周辺の骨の状態をしっかり確認しておく方法があります。

慢性中耳炎は症状の軽いうちですと、薬で治すことが出来ます。手術しなければならない状態になる前に、耳鼻咽喉科を受診する方が良いでしょう。

 

 

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