症状・疾患別受診すべき医療機関-②眼の症状(眼科)

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症状・疾患別受診すべき医療機関-②眼の症状(眼科)

眼(目)の構造と働き

今回のコラムは眼に関わる症状・疾患の話です。眼にどんな症状がでた時に、どのレベルの医療機関を受診すればいいのか、に関して書いていきたいと思います。

まず、眼の構造と働きを簡単に解説しておきます。ご存知の方も多いとは思いますが、以下の用語を把握しておくと、実際に医療機関を受診した際に、医療関係者が使うことばが理解しやすくなり、安心して治療を受けることができるでしょう。

 

眼の構造

眼の解剖

眼の解剖

上図では、いわゆる”眼・眼球”の周りにある構造も合わせて記載しました。”眼の症状”と言っても、実は「眼球」自体に異常があるものだけではなく、眼の周りのまぶた(「眼瞼」)、あるいは「視神経」のその先の脳に異常がある場合でも、眼の症状として自覚されることがしばしばありますので、これらの言葉も押さえておきましょう。

 

眼の働き

「目って物を見るためにあるんでしょ?」

そのとおりです。医学・生物学的には、物を見る機能を”視覚”と呼びます。視覚は、光を網膜で受信し、その情報が視神経を通って脳に伝わることで、物を認識する機能です。生活のなかでも最も重要な感覚で、眼の症状としては、”物の見え方”に関するものが多くなりますね。上図では眼球の周りに幾つか筋肉がついていますね。これらの筋肉は「外眼筋」と呼ばれ、眼の向きを動かすことで視覚を支えています。

まぶた、まつ毛、涙なども、間接的に視覚を支えています。まぶたは、視覚が不要なときには、光が眼に入らないようにして目を休めますし、眼に危害が及ばないよう保護する役割があります(目の前にものが飛んできたら反射的にまぶたを閉じますよね)。涙は、眼の表面(角膜、結膜)を滑らかに保ちつつ、異物が入ってしまった場合には洗い流してくれます(目にゴミが入ると涙がいっぱいでますね)。これらの部位は、皮膚や粘膜に分類される器官ですので、異常が生じると、物の見え方に関する症状の他にも、「かゆい」「赤くなった」「腫れた」といった症状も出現することになります。

 

眼の症状と疾患

物の見え方がおかしい-視覚に関わる症状

先ほどもお話したとおり、物がみえるためには、光が網膜に届いて、その情報が脳まで伝わらなければなりません。「網膜」は、映画のスクリーンのような役割をはたし、綺麗な平面であれば美しい映像となりますが、ゆがんだり、汚れが付いていると映像も汚くなります。「水晶体」にはピントを合わせる役割があり、医学用語では”屈折率”と呼ばれるものを調節しています。また、角膜、水晶体、硝子体は光が網膜に当たるまでの通り道ですので、もしここが濁ってしまえば網膜に当たる光が弱くなってしまいます。映画のスクリーンと映写機の間に、ほこり・ゴミが漂っていたり、映写機のレンズが汚れていたら、綺麗な映像が映し出されないのと同じです。また、せっかく光が網膜に到達しても、その先の視神経や脳に異常があったら、物が見えていると認識できないことになります。これらのどこかに異常があると、以下の様な症状が現れ、右側のような原因疾患が考えられます。

  • よく見えない(視力低下)→近視、乱視、老眼
  • かすんで見える(視力低下)→白内障、緑内障、糖尿病網膜症
  • 見えない部分がある(視野異常)→緑内障、網膜剥離
  • 二重に見える(複視)→乱視、斜視、外眼筋麻痺
  • 歪んで見える(変視症)→加齢黄斑変性症
  • 蚊のような小さな黒い点がちらちら飛んでいる(飛蚊症)→網膜剥離、糖尿病網膜症、眼底出血

 

視覚以外の症状

このカテゴリーの症状は多岐にわたり、人によって自覚の仕方も異なりますが、代表的な症状と疾患を挙げておきます。

  • 眼が赤くなった(充血)→ドライアイ、アレルギー性結膜炎、ウイルス性結膜炎
  • 眼がゴロゴロする(異物感)→角膜上皮障害、アレルギー性結膜炎、逆さまつげ、結膜異物
  • まぶたが腫れた・痛い→ものもらい(麦粒腫)
  • 目が痛い→緑内障・ものもらい(麦粒腫)・編頭痛
  • 目やにが多い→感染性結膜炎、はやり目(流行性角結膜炎)
  • 目がかゆい(搔痒)→アレルギー性結膜炎
  • 涙がでる→涙道狭窄、涙囊炎
  • 目がかわく→ドライアイ、VDT作業関連障害
  • 目が疲れる(眼精疲労)→ドライアイ、VDT作業関連障害

 

眼の症状で受診すべき医療機関

眼の症状ですので眼科です。眼科を探しましょう。単純明快で迷わなそうなのですが、注意したいポイントが2点あります。1つは、眼科の選び方自体にかかわること、もうひとつは、眼の症状だけど眼の病気じゃない場合があることです。

眼科の選び方・探し方

眼科は、数ある診療科のなかでも、専門性の高い科です。医師の知識・トレーニングが専門的であることそうですが、使用機器の特殊性も高いです。血液検査、レントゲン検査などはどの診療科でも汎用される検査で、多くのクリニック・一般病院に備えられています。一方、眼科で使用する検査機器は、眼科でしか使わないものがほとんどです。例えば、代表的な眼科疾患である緑内障は、血液検査をしても診断できません。眼圧を測定したり、眼底(網膜)を観察したりする必要がありますが、これには専用の検査機器が必要となります。治療に関しても同様で、胸部・腹部の手術では、多少の差はあれ、汎用的な道具があれば、胃癌の手術も大腸癌の手術も施行することが可能ですが、眼科の手術、例えば白内障の手術では白内障専用の手術機器、近視治療(レーシック)ではそれ専用の機器がなければ施行できないのです。つまり、医師の腕にかかわらず、そのクリニック・病院にその病気に関連する検査機器・治療用機器がなければどうしようもないのです。

先ほど記載した、症状から疑われる疾患をしぼった上で、各眼科クリニック・病院のサイトなどで、どのような検査・治療が可能かを確認するようにしましょう。ほとんどの場合は対応可能な疾患や、検査方法が掲載されています。

例えば

  • 緑内障の検査→視野検査
  • 加齢黄斑変性症の検査→OCT検査

というように自分の症状や疾患に必要な検査を見極めて、それが可能な医療機関を探しましょう。

このポイントはクリニックか、一般病院以上の医療機関のどちらを選択すべきかにあたっても重要で、眼科に関しては、クリニック=設備が手薄、一般病院=設備が充実、という図式が当てはまらない場合がしばしばあります。クリニックであっても眼科診療に特化して充実した設備を整えていることもよくありますし、一般病院の数ある診療科の1つとしておまけで眼科もあるだけ、設備はそれほど、ということもあるのです。

眼の症状だけど眼の病気じゃない

以下の症状は、一見眼の疾患からくる症状のようにも思えますが、眼以外の疾患の場合があるので注意が必要です。

視野が狭い、見えない範囲がある

眼の疾患でこの症状をきたすのは緑内障が代表例です。しかし、脳卒中(脳出血や脳梗塞など)など、脳の疾患でもこのような症状が出現し得ます。眼の疾患か、脳の疾患かを患者自身が区別するのはむずかしいですが、緑内障では症状がゆっくり進むのに対して、脳卒中では急激に発症します。また、頭痛、吐き気など、他の症状もともなうことも多いので、「急激に発症した」「他にも症状がある」場合には、のんびり眼科を探す前に救急車を呼びましょう。

 

まぶたが下がる

これは医学用語では眼瞼下垂と呼ばれています。まぶたの症状なので、眼科と思われるかもしれませんが、重症筋無力症という全身性の疾患や、脳梗塞、脳動脈瘤といった脳の疾患などで出現する症状です。左右両方のまぶたが下がってしまうようなら重症筋無力症の可能性が高く、内科・神経内科を受診すべきでしょう。片方の眼のまぶたが下がる場合は、脳の疾患が疑われますので、急激な発症では救急車、なんとなく下がっている気がする・徐々に下がってきた場合では、一般病院以上の神経内科あるいは脳外科を受診しましょう。

 

眼の症状に関しては、症状の種類や重症度だけから、クリニックか一般病院以上の医療機関かのどちらを受診すべきかを一概に分類することは難しい問題です。医療機関の種類にかかわらず、そこで行われている検査・治療を調べてから受診することをおすすめします。また、何らかの眼科疾患をお持ちのかたで、眼科のかかりつけ医がいる場合には、まずそのかかりつけ医に相談すると良いでしょう。あなたの眼の状態、これまでの経過を把握していますので、あり得る疾患、必要な検査を絞り込むことができ、そのクリニックで対応できない場合でも適した医療機関を紹介してくれるはずです。

 

 

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