症状・疾患別受診すべき医療機関-③歯・口周りの症状(歯科・口腔外科)

歯・口周りの解剖
今回のコラムは歯・口周りに関わる症状や疾患のお話です。どのような症状がでた時に、どのような医療機関を受診すればいいのか、ご説明したいと思います。
例えば、ひとくちに「歯の症状」と言っても、実は歯自体に異常があるものだけではなく、歯肉(歯ぐき)などに異常がある場合でも、歯の症状として自覚されることがしばしばありますので、まずは口周りの構造について簡単におさえておきましょう。
身近な部位なので、ご存知の方も多いとは思いますが、きちんと用語を把握しておくと、医療機関を受診した際、ご自身の症状を医療関係者に伝えやすくなったり、医療関係者の説明を理解しやすくなったりします。
歯・口周りの症状と受診すべき医療機関
では、口周りに関する症状としては、どの様なものがあるでしょうか。
例として、以下のようなものが挙げられます。
- 歯が痛む(虫歯など)
- 歯がしみる(歯周病など)
- 歯が折れた
- 歯並びを整えたい(矯正など)
- 歯を白くしたい
- 顎が痛む(顎関節症など)
- 歯周の腫瘍(口腔がんなど)
- 歯周の奇形(口唇裂・口蓋裂など)
- 口内炎ができた
それでは、これらの症状がみられた場合、まずはどの診療科を受診しますか?
それぞれの診療科でかなりかぶっている部分はありますが、一般的には以下のような診療科が適切です。
- 歯科:歯が痛む(虫歯など)、歯がしみる(歯周病など)
- 審美歯科:歯並びを整えたい(矯正など)、歯を白くしたい
- 口腔外科:歯が折れた、顎が痛む(顎関節症など)、口周りの腫瘍(口腔がんなど)、歯周の奇形(口唇裂・口蓋裂など)
- 耳鼻咽喉科:口内炎
歯・口周りに関する医療機関
そもそも、歯科と口腔外科の区別はご存知でしょうか。
歯科医院は、ご存知の通り、いわゆる「歯医者さん」です。上記の通り、虫歯や歯周病などの治療を行います。
一方、口腔外科とは、口腔内、または口周りに関連する器官に発生した疾患に対して診断・治療をおこなう診療科です。ざっくり言うと、歯科医院では診てもらえないもう少し侵襲的な治療(メスで切ったり縫ったりするようなダメージの大きい治療)してくれます。
そして、口内炎の部分で、耳鼻咽喉科も登場しています。
口内炎は口腔内の疾患ですが、耳鼻咽喉科にかかるのが一般的だと言われています。しかし、もちろん歯科医院や口腔内科・外科でも診察をしてくれる場合があるので、事前に医療機関に確認してから受診しましょう。
また、口内炎だと思っていたら腫瘤だった…ということもあるので、怪しい時は口腔外科の医療関係者に相談してみましょう。
病院とクリニックの違い
また歯科や口腔外科も、もちろんクリニックの場合もあれば病院の場合もあります。
病院とクリニックでは、以下のような違いがありますので、これらの情報を加味してどちらを受診すべきか考えましょう。
- クリニックの方が近くにあり予約も取りやすい、大学病院は遠くにあり待つことが多い(初診予約もかなり先になるし外来での待ち時間も長い)
- 通常の虫歯とか矯正で大学病院を受診すると、若手の先生に回されることが多く、開業医の先生よりも経験を積んでいない可能性がある
- クリニックは虫歯とかでも自由診療のところもあり(特に有名な先生ほどその傾向が強い?)、思わぬコストがかかることがある、大学は保険可能なものはほぼ保険適用となっている
また、病院でしか治療できない疾患もあるので、最後にそのお話へと移りましょう。
例えば、以下に挙げるような場合、病院でしか治療することができません。
- 親知らずで完全に骨に埋まっていて、骨を削ったり神経をよけたり繊細な手術が必要
- インプラントでも骨が薄いなど、骨を大きく造る必要がある
- 口蓋裂の矯正など特殊な疾患の場合
- かなりの高齢者とか他の疾患(心臓とか糖尿病とか)をかかえているとかで、そもそも全身状態が悪い
ただ、上の2つは、そもそも自分では判断できないことなので、まずはクリニックを受診しましょう。
診察を受けて状態がわかったうえで、クリニックの先生に大学病院の先生を紹介してもらった方が確実です。
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