自分の医療情報を一元化!役立つポータルサイト―(英)Patients Know Best

患者と医師間で医療情報を共有できる!
今回ご紹介するのは、Patients Know Best(以下PKB)というイギリスのサービスです。「自分の身体のことについては医師に任せっきり。困ったら病院に行けばいい」そんな風に考える患者が少なくないなか、PKBは斬新な切り口で医療界に変革をもたらそうとしています。その変革をもたらす切り口が、PKBが提供している下記3つのサービスです。
- 患者用ポータルサイト
- 妊娠・出産記録システム
- 健康情報の交換システム
これらのサービスによって、今まで受動的に医療を受けていた患者が、自らの健康情報を安全かつ容易に一元管理し、医療者と情報を共有することが可能となった結果、患者が主体的に、ボトムアップの健康管理を実現できるようになりました。
また、現在では、電子カルテシステムと統合し、オンライン相談、検査結果や医療者―患者間相互で作り上げるケアプランの共有、ビデオ、写真などを含むデータのやり取りも可能です。
Patients Know Bestがもたらす影響
PKBのサービスが活用されることによって、もたらされる様々な影響に期待することができます。医療者と患者の情報を直接的に結びつけるため、情報伝達効率が高まり、より質が高く、安全なケアが提供されます。また、患者がまさに医療を必要とする時に、自分の医療情報を持っているため、不要な検査などを避けることができ、ムダな医療費を削減できます。そもそも、患者が主体的に自分の健康について評価したり管理したりすることができるため、緊急入院となるリスクも減少するでしょう。
その他、例えば英語を話すことができない患者にとっても、視覚障害がある患者にとっても、従来よりも「医療」や「健康管理」が身近なものとなるはずです。
患者が自分で家族や医療従事者の中から、自己管理医療記録を共有する相手を決定できますが、全データが独自の手法で暗号化され、「NHS N3」というネットワークに保管されているため、承認された者以外は閲覧することができません。重要な個人情報である医療情報を、機密性の高い状態で使用することができるのです。
また、PKBのサービスは、患者だけに有用なわけではありません。病状の追跡調査も容易となるので臨床研究や介入にも有用です。
医師にとっては、オンライン相談を用いて「ちょっとした診療」を減らすことで、スケジュールのコントロールも容易となります。
これまでの軌跡
PKBは2008年、イギリスでDr. Mohammad Al-Ubaydliによって設立されました。
ムハンマド氏は、自らも遺伝子疾患を患っています。彼は治療を受けるなかで、医療者に何度も何度も同じようなことを尋ねられ、医療チーム間のコミュニケーションが不足していることに気づきました。そこで、患者自身が医療情報を管理し、チーム全員で共有するという現在のPKBに通ずるアイディアを抱き、PKBサービスの展開へと繋がっていったのです。
設立からわずか10年足らずで、Seedcampを始め、Balderton Capital、Maxfield Capitalなどから9億円近くの資金を獲得しています。
現在、8か国以上で運営されており、17言語に翻訳されています。これからますます、サービスは拡大されていくでしょう。
日本での展開は?
現状、日本ではまだ未展開ですが、法的な問題がクリアーできれば、すぐにでも展開することが可能でしょう。未だ医師のパターナリズムが一部残る日本の医療界で、患者の主体的な健康管理、「予防医療」に人々の目を向ける好機ともなりえます。
今後の課題
PKBは設立10年足らずで類をみない成長を遂げています。
医療過程で生じうる、万国共通の根本的な課題を解決できますから、このままサイトの安全性を保持し続け、世界各国の文化、言語、医療提供システム、法律など様々な障壁をクリアし、横展開していくことが今後の課題となるでしょう。
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