大腸がんの治療を年間症例数の多い病院や名医が行うと手術後の死亡率が低い

大腸がんの治療を年間症例数の多い病院や名医が行うと手術後の死亡率が低い

大腸がんは日本でも最近増えてきています

日本人の死因の第1位はがんで、2人に1人ががんを発症し、3人に1人はがんで亡くなると言われています。以前から日本人に多いがんとして胃がんがよく知られていましたが、近年では食生活の欧米化などの影響で大腸がんや乳がんなどが増加傾向にあります。

最新の日本のがん統計調査では、男女を合計すると大腸がんは罹患数1位であり、女性においては死亡数1位となっています。男性における死亡数では肺がん、胃がんに続いて大腸がんは3位です。

今回は、近年日本で増加している大腸がんの手術方法や名医がいる病院で手術を受けた方が良い理由についてアメリカからの報告を紹介しながら分かりやすくまとめます。

 

大腸がんの3つの治療法のメリットとデメリット

まずは大腸がんについて知っておきましょう。

大腸は長さ約2mで、結腸、直腸、肛門に分かれています。日本人ではS状結腸と直腸にがんができやすいと言われています。大腸がんの手術方法には、開腹手術、腹腔鏡手術、ロボット支援手術(ダヴィンチ手術)の3つがあります。

大腸がんの開腹手術

進行がんの場合には、直接がんを目で見ることができる開腹手術が推奨されています。なぜかというと、がんや転移している場所などを直接確認できるので取り残す危険が少ないからです。開腹手術のもう1つのメリットは、手術中に出血した場合もすぐに確認し対応できるところです。一方で、腹腔鏡手術などに比べると傷が大きいため、術後の痛みがあったり、痛みのために回復が少し遅くなったり、入院期間が長くなるというようなデメリットもあります。

大腸がんの腹腔鏡手術

腹腔鏡手術はお腹を5か所小さく切り、カメラと専用の手術機器をお腹の中に挿入します。モニターで手術部位を確認しながら手術を行います。開腹手術に比べて傷が小さいため、術後の痛みが少なく、翌日から歩くことも可能です。回復も早いので、入院期間も1週間程度で良いこともあります。

高い技術を持つ名医に限られる大腸がんのロボット支援手術(ダヴィンチ手術)

ロボット支援手術は、ダヴィンチと呼ばれる手術用のロボットを使用して手術します。ダヴィンチ手術とも呼ばれます。腹腔鏡手術と同様にモニターで確認しながら手術を行いますが、ダヴィンチ手術の場合には3D画像で手術部分を拡大したり、先端が自由に曲がるロボットを使用することにより繊細な手術を行うことができます。ダヴィンチ手術は腹腔鏡手術と同様に傷が小さいため、術後の痛みが少なく回復も早いというメリットがあります。まだ新しい手術法であり、高い技術が必要とされ、この方法を行える施設や名医は限られています。

 

年間手術症例数の多い病院・名医では大腸がんの術後死亡率が低い

今回の研究では、842の病院に大腸がんの手術のために1年間で入院した合計20,862人の患者を対象としています。全体での大腸がんの手術後の死亡率は3.1%で、年齢や病院の年間手術症例数が死亡率にどのように影響するかを解析しました。

大腸がんの術後死亡率は、下記に示すように年齢が上昇するとともに増えていました。

  • 50歳未満では0.8%
  • 51-65歳では1.3%
  • 66-80歳では2.9%
  • 80歳以上では6.9%

次に病院の年間手術数を見たところ、最も多い病院では1年間に150例以上大腸がんの手術を行っているのに対し、最も少ない病院では55例未満と差があることがわかりました。病院の年間手術症例数ごとに解析をすると、1年間に150例以上手術している病院の死亡率は、55例未満の病院に比べて低いことが分かりました。この傾向は年齢が上昇するほど顕著になり、65歳以上では1.4%、80歳以上では2.7%低いことが明らかになりました。

この研究結果から、年間手術症例数の多い病院では、大腸がん手術後に死亡率が低いことが分かりました。特に65歳以上の高齢者においては、年間手術症例数の多い病院で大腸がんの手術を受けた方が良いと言えます。つまり年間手術症例数の多い病院には経験症例数の多い名医がいるため、大腸がんの手術を安全に受けることができるということです。

 

大腸がん手術の名医を探す方法

では日本で大腸がんの名医を探すにはどのようにしたらよいでしょうか。

年間の手術件数を調べれば、論文で報告されていたように手術を安全に受けることのできる病院を探せる可能性があります。

 

クリンタルで消化器外科 大腸がん手術の名医を検索すると東京医科歯科大学病院や東京大学医学部附属病院などが紹介されています。実際にインターネットで名医がいる病院のサイトを調べると、東京医科歯科大学 大腸・肛門外科では大腸がん手術は年間約150例、東京大学医学部附属病院東京大学医学部附属病院 大腸・肛門外科では334例と診療実績を公開しています。

東京大学医学部附属病院東京大学医学部附属病院 大腸・肛門外科のサイトでは、開腹手術や腹腔鏡手術、手術をした大腸の部位まで詳細に示してあります。

 

国立がん研究センター中央病院大腸外科では、4人のスタッフで日本トップクラスの年間500例以上の大腸がん患者さんを手術していると明記してあります。

今回紹介した論文にあったように、上記の病院は年間150例以上を手術しているので名医がいる確率が高く、安心して大腸がんの手術を受けることができると考えられます。

 

 

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参考論文:Hospital volume and surgical outcomes for elderly patients with colorectal cancer in the United States.

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