血液透析用のシャント血管は名医に作成してもらった方が良い

血液透析用のシャント血管は名医に作成してもらった方が良い

高血圧、糖尿病、脂質異常症、肥満などの生活習慣病が、食生活の欧米化などに伴い日本人にも増加しています。これらの病気は腎臓に悪影響を及ぼすことが分かっています。

腎臓の機能が徐々に低下すると末期腎不全と呼ばれる状態になり、自力では水分や老廃物を尿として体の外へ排出できなくなります。腎不全に対する治療には、血液透析、腹膜透析、腎移植があります。

 

日本で最も多く選択されている血液透析を行う場合には、腎臓内科もしくは血管外科でシャントと呼ばれる血管を作成しなくてはいけません。

今回は透析患者のシャント血管は、経験数の多い名医に作成してもらった方が良いという報告について紹介します。

 

血液透析に用いるシャント血管とは

日本の透析患者は年々増加傾向で、2011年に30万人を越えました。透析とは、腎臓が先ほど挙げた生活習慣病や感染症、遺伝による多発性嚢胞腎、腎炎などにより障害を受けて機能が低下し、自力では水分や老廃物を尿として体の外へ排出できなくなる状態(腎不全)になった時に浄化する治療法のことです。

 

日本で行える透析には自分のお腹の膜を使って行う腹膜透析と週に3回透析クリニックに通って4時間程度、機械によって浄化する血液透析と自宅で行う在宅透析があります。その中でも血液透析は日本の腎不全患者全体の95%以上を占めています。

 

血液透析は、血管に2本の太めの針を刺して1分間に150-200mlの血液を体外で透析用の機械に通し、水分や老廃物、電解質などを取り除き、体へ戻す治療法です。1分間に200mlの血液を取るためには、採血に使用するような静脈では不可能なため、動脈と静脈をつなぐ手術を行います。この手術を行うと1分間に500〜1,000mlの血液が流れる血管を作成することができ、この血管をシャントと呼びます。

 

血液透析患者さんにとってシャントはとても大事な血管であり、なるべく長持ちさせたいものです。しかし、週に3回使用しなければならないことや元々の血管の状態や糖尿病や高血圧などの合併症など様々な要因によってシャントが狭窄、または閉塞して使用できなくなってしまうことがあります。

では、どのような要因が最もシャントによくないのでしょうか。

 

年間手術件数の多い名医が作成したシャント血管は長持ちする

今回の研究では、スイスにある大学病院の4年間のデータを解析しています。対象となった患者は119人で、148のシャント血管が作成されました。シャント血管が作成された場所は、88人(59.5%)は前腕で、60人(40.5%)が上腕でした。また全体の32.4%に当たる48人が糖尿病でした。

 

年齢や性別、BMI、シャントを作成した場所、内服薬、既往歴、透析歴、腎機能が悪くなった原因などを検討したところ、女性、糖尿病があることはシャントが早期に閉塞するリスクが高いことが分かりました。またシャントを作成した場所が前腕だと閉塞しやすいことが明らかになりました。

 

そして、年間のシャント血管手術件数が5件未満の医師が作成したシャントは、手術件数の多い名医に比べて3倍も早期閉塞のリスクが高いことが分かりました。

今回の研究の結果から、シャントは年間経験症例数の多い名医に作成してもらった方が良いことが明らかになりました。

シャント作成の手術は腎臓内科医だけでなく、血管外科医や泌尿器科医も行うことがありますが、どちらにせよ作成した経験症例数に注意した方がいいです。

 

 

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<参考論文>:Risk factors for early failure of native arteriovenous fistulas.

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