大腿骨頸部骨折後の人工股関節置換術は年間172件以上行なっている病院を探そう!

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大腿骨頸部骨折後の人工股関節置換術は年間172件以上行なっている病院を探そう!

大腿骨頸部骨折とは

大腿骨頸部骨折とは、太ももの付け根の部分の骨折です。この部分は、転倒時などに大きな外力がかかると非常に折れやすい場所です。特に骨粗鬆症がある高齢者に多く受傷します。主な症状として、転倒後に脚の付け根が痛くなり、立ったり、歩くことが困難になります。また、年間に10万人以上が受傷し、高齢者の場合、寝たきりの状態に陥ることも多いです。

この骨折は、内側骨折と外側骨折に分類されます。外側骨折の場合、内部での出血を起こしやすく、全身状態に危険が及ぶ可能性もあります。一方の内側骨折の場合、血液循環が多くないため、骨癒合は得られにくいですが、内出血は少なく済みます。さらに外側骨折のほうが、内側骨折に比べ骨折部の痛みは強いと言われています。

 

大腿骨頸部骨折の治療方法

治療方法は、大きく分けて手術療法と保存療法に分けられます。

骨折の種類によって手術方法は変わります。まず、外側骨折の場合、骨折部を固定器具で固定する骨癒合術が広く行われています。一方、内側骨折の場合、骨癒合が期待できないため、スクリュー固定または人工関節置換術を行います。

人工関節置換術とは、太ももの付け根の骨を切り、また骨盤側の受け皿を滑らかにして、それぞれに特殊な金属、プラスチック、セラミックなどででできた人工の骨を組み合わせる手術方法です。しかし、脱臼、深部静脈血栓、細菌感染、関節のゆるみなどの合併症が起きることもあります。

一方保存療法は、骨折部のずれが少なく、寝たきりの状態が続いても大きな問題とならない若年者が適用とされています。もしくは高齢者で、麻酔や手術に耐えるだけの体力がなく、全身状態も悪い場合などにも保存療法が用いられます。

 

大腿骨頸部骨折後の人工股関節全置換術の手術件数と結果との関係性を調べた論文

2000年から2010年にかけてニューヨーク州にある189の医療機関で大腿骨頸部骨折と診断され、人工股関節全置換術(THA)を受けた60歳以上の患者3,986名を対象としています。年間のTHA手術件数が、術後30日後と1年間の死亡率、1年間の再置換術率、90日以内の合併症罹患率にどのような影響を与えるのか検討しています。

年間の手術数に応じて医療機関を4つのグループに分類し、それぞれの項目について分析しています。術後30日と1年後の死亡率に関しては、年間172件以上の手術を行う病院は、それ以下の手術件数の施設と比較して2倍程度低下します。また、感染や深部静脈血栓症、肺血栓塞栓症などの周術期合併症を罹患するリスクは、手術件数が多い医療機関ほどそのリスクが減少します。一方、再置換術に関しては、4つのグループ間に差はありませんでした。さらに、年間の手術件数が47件未満の医療機関は、それ以上の施設と比較して入院期間が長くなる傾向にあります。

 

大腿骨頸部骨折後の人工股関節全置換術のまとめ

大腿骨頸部骨折は、主に高齢者の転倒などが原因で年間10万人以上が受傷します。この疾病に対して、現在では人工股関節全置換術が幅広く行われています。一方で高齢者が多く、さまざまな合併症を罹患し、寝たきりになるケースや最悪の場合死亡に至るケースもあります。今回紹介した論文でもあるように、人工股関節全置換術を積極的に行っている医療機関は、手術数が少ない施設と比較して、死亡率や合併症の罹患率が低下することが分かりました。

人工股関節全置換術は術後にもさまざまなリスクがあるため、適切なケアが必要です。そのため、年間の手術件数が多い施設を選択してみてはいかがでしょうか。

 

参考文献:Maceroli M, Nikkel LE, Mahmood B, Ketz JP, Qiu X, Ciminelli J, Messing S, Elfar JC. J Orthop Trauma. 2016 Nov;30(11):597-604.

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