子宮摘出術は、名医が執刀すると治療費が少なくなり、治療費のばらつきも小さくなる!【米国論文】

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子宮摘出術は、名医が執刀すると治療費が少なくなり、治療費のばらつきも小さくなる!【米国論文】

子宮摘出術は開腹手術、腹腔鏡手術、膣式手術の3通りの方法がある

子宮摘出術は子宮筋腫や子宮内膜症、子宮腺筋症、月経困難症、過多月経による貧血、子宮脱、子宮がんなど、婦人科疾患に対して幅広く適応となる手術です。子宮摘出術の方法は開腹手術、腹腔鏡下手術、膣式手術の3つに分かれます。

開腹手術

開腹手術とは、下腹部にメスをいれて腹壁を切り開いて手術をする方法で、3つの手術のなかではもっとも視野がひらけていて、病変がみやすいです。視野が確保されているため腹腔内に癒着などの病変があっても、病変部を目視しながら手術を進めることができる点が大きなメリットです。一方で傷が大きく、体へのダメージが大きくなってしまうデメリットがあります。

腹腔鏡下手術

一方、腹腔鏡下手術は腹部を切開せず、小さな穴を複数あけて、そこから内部を覗くカメラや処置する器具を挿入して手術をする方法です。この場合には、傷が小さいため回復が早いということがメリットです。しかし手術中の視野が回復手術よりも狭くなるため、技量が求められるというデメリットがあります。

膣式手術

最後の膣式手術は腹部を切開せず、子宮を膣側から引き出して子宮を摘出する方法です。腹部に傷を作らない分、痛みも少なく、手術創などが残らないため美容上の問題も生じないということがメリットです。しかし手術中の視野が狭いため、手術の難易度が非常に高いというデメリットがあります。

 

子宮全摘術自体の費用は約30万円で、入院費用はさらに高額

日本における子宮全摘術の手術費用は、約30万円程度になります。

上記は手術そのものにかかる費用であり、手術による合併症のために追加の検査や治療が必要になるような場合もあるため、その場合にはさらに費用がかかってしまいます。また、入院期間が長くなってしまうと、検査や処置も多くなってしまい、さらに高額となってしまいます。また、これ以外にも診察料や食事代、差額ベッド代、薬代、検査代などさまざまな出費が重なります。

ということで、手術となったときには治療費も非常に気になることの一つかと思います。

では、治療にかかる医療費を少なくすることはできるのでしょうか。今回ご紹介するのは、子宮摘出術における医師の手術経験数と医療費について調査を行った論文です。

 

子宮摘出術において医師の手術経験数と医療費は相関があるのか?

手術成績について検討された過去の研究から、経験豊富な外科医であるほど、手術時間や入院期間が短くなり、術後合併症や死亡率などの割合が低くなると言われています。

今回の研究では医師が手術に熟練し、患者さんの術後経過が良くなることと、患者が払う医療費の間には関係性があるのかを調査しています。

対象となったのは2011年から2013年の間に行われた、257名の外科医によってアメリカ国内で実施された合計5,961件の子宮摘出術です。

実施された手術方法の割合は、以下の通りとなっていました。

  • 腹腔鏡下手術:41.5%
  • 開腹手術:27.9%
  • 膣式手術:18.3%
  • 支援ロボットを用いた腹腔鏡下手術:12.3%

また医師の手術熟練度で医療費に違いが出るかを検討するため、年間手術数別に3グループに分けて調査がされました。

  • グループ1:年間手術数1~2件のグループ
  • グループ2:年間手術数3~15件のグループ
  • グループ3:年間手術数16件以上のグループ

 

手術経験数が多い医師が執刀した子宮摘出術は医療費が1400ドル少なかった!

上記3グループの平均手術費用を分析すると以下のようになっていました。(1ドル=110円にて換算)

  • グループ1:4,349ドル(478,390円)
  • グループ2:2,807ドル(308,770円)
  • グループ3:2.935ドル(322,850円)

この結果を統計的に分析したところ、グループ2とグループ3には統計的に有意な差はなく、年間手術数2件以下のグループ1では15万円以上治療費が高額となりました。

また手術1件ごとの医療費が少なくて済んだケースと多く掛かってしまったケースの違いについても調査が行われました。その結果グループ2・グループ3では1万円〜3万円の範囲で違っていましたが、グループ1では違いが約11万円あり、年間手術件数が少ない医師に治療を受けると医療費のばらつきが大きくなりやすいということも示されました。

その後、更に手術数と医療費の関係性についても「手術を1症例経験する毎に、医療費が1.15ドル(127円)相当削減されるに等しい」という結果が示されました。

 

手術経験を重ねる毎に医療費が削減される!

今回の研究により、2つの結論が導かれました。

  1. 年間手術件数が少ない医師に治療を受けると医療費のばらつきが大きくなりやすい
  2. 年間手術数が増加するに従って医療費が徐々に少なくなり得る

経験豊富な医師は、その分難易度の高い手術を担当する機会が増えます。医師の手術手技が熟練することで、難易度の高い手術を行った際にも合併症発症率が低下するため、結果的に医療費が削減されるということがこの結果をもたらしたのではないかと考えられます。

今回の論文はアメリカ国内での調査であり、医療費制度や保険制度に違いはありますが、治療期間を短縮し、合併症の発症を抑え、結果として治療費を下げることができる点は共通しているのではないでしょうか。質の良い治療を受けつつ、副次的に治療費負担も小さくなるという、いいことづくめの名医受診。もしものときにはきちんと信頼できる名医にお願いしたいですね。

 

【参考文献】Jonathan P. Shepherd, Charelle M. Carter-Brooks, et al : The Impact of Individual Surgeon Volume on Hysterectomy Costs. 2017

 

 

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