【カナダ論文】白内障手術はどの医師でも年に2人合併症が発生!?1,000件以上の手術件数が名医!

tag / / /
[投稿日] '17/06/14 [最終更新日] '18/03/18 771views
【カナダ論文】白内障手術はどの医師でも年に2人合併症が発生!?1,000件以上の手術件数が名医!

白内障は80歳以降のほとんどの人に症状がある

目はとても大切な器官ですが、加齢とともにトラブルがとても起こりやすく、高齢者のほとんどが目や視力に関する何らかの症状を感じています。角膜、水晶体を通った光が目の奥の網膜に映ること物を見ることができますが、水晶体が濁っていると霞んで見えるようになります。

このように水晶体が濁る病気を白内障と言います。目の病気の中で最も多い病気であり、80歳を超えた高齢者ではほとんどの人に症状が現れます。また、白内障は失明原因の第一位でもあります。白内障の最も効果的な治療法は手術であり、眼科医の最も多く実施している手術は白内障手術です。今回はそうした白内障の手術と名医に関する論文を紹介します。

 

白内障手術は30分程度が多く、症状によって挿入される眼内レンズが違う

白内障は水晶体の濁っている部位によって細かく分類されます。前嚢下白内障、皮質白内障、核白内障、後嚢下白内障などに分けられており、濁りの進行度でも初発白内障、未熟白内障、成熟白内障、加熱白内障というように分類されています。

白内障の原因としては、最も多いのは「加齢」です。その他の原因として、先天的なものや外傷、アトピーによるものなどがあります。初期の白内障には点眼薬によって進行を遅らせることができる場合もありますが、一度濁った水晶体を元に戻すことはできず、治療するには手術を行うことになります。

一般的には、濁った水晶体を取り除き、その代わりに眼内レンズを挿入する手術が行われます。手術は局所麻酔で行われ、痛みはほとんどありません。人によっては手術中に器具によって触れられているといった感覚がある人もいます。患者さんの病態によって手術時間が長くなることもありますが、概ね30分以内に終わることが多いです。

手術で挿入する眼内レンズには様々な種類があります。青色光を遮る着色の物や、非球面のもの、乱視矯正眼内レンズもあります。どの眼内レンズを選ぶのがよいのかは患者それぞれによって異なるため、どのレンズを選ぶかは医師と綿密に相談する必要があります。また、白内障の症状が進行してしまうと手術の実施自体が難しくなってしまうため、手術を受けるタイミングについても医師と話し合っておくことも大切です。

 

年間手術数1,000件以上の名医が白内障手術を行うと有害事象の発症率が0.14%

今回紹介する論文では、カナダのオンタリオにて70の病院で白内障手術を受けた20歳以上の患者を対象に調査が行われました。対象となった手術の総数は28万4797 件でした。20歳以上を対象としてはいますが、ほぼ半数が75歳以上の高齢者になっています。

年間手術数で医師たちを年間手術執刀数別に下記のグループにわけて調査がされています。

  1. 50回から250回
  2. 251から500回
  3. 501から1,000回
  4. 1,000回以上

この中で最も多かったグループは、2番目の「251回から500回のグループ」でした。

有害事象の発症率を比較してみると「年間手術数が50回から250回のグループ」では発症率が0.8%となっていましたが、「251回から500回のグループ」では0.4%と約半分に減っており、「501回から1000回のグループ」では0.2%と元々の約3割まで減少していました。さらに「1000回以上のグループ」ではわずか0.14%であり、一番数が多い「50から250回のグループ」と比較して「7分の1以下」になっていました。

 

安心して良好な視野に戻すために、名医の白内障手術を受けたいですね

今回の論文から、年間手術数の多い名医ほど、有害事象の発症率が減少していることがわかりました。今回の調査では、最も有害事象の発症率が高かったグループでも有害事象の発症率が0.8%と低めではありますが、もし250人の手術を1年間にしているとして、0.8%ということは1年に2人は有害事象が発生してしまうという計算です。さらにざっくりと計算してみると、500回のグループでは0.4%、1000回のグループでは0.2%とすると、実はどのグループでも年に2人の有害事象になっています。これはざっくりとなので偶然かもしれませんが、仮にどの医師でも年に2人有害事象が発生するなら、なるべく手術件数の多い先生の方が確率が下がっていいですよね。

今回の論文では、年間手術件数が多いほど治療成績がいいという結果になっていましたが、年間手術数1000回を超える医師は全体のわずか数%しかいません。まさに白内障手術の名医と言えるのではないでしょうか。視野の不調や目の不快感は日常生活を健康に送ることを大きく妨げるので、できる限り不満を感じることのないよう、名医をしっかりと探すことが重要だと思います。白内障手術を受ける際には、年間手術数の多い病院や医師をまず探してみてはいかがでしょうか。

 

参考論文:Surgeon Volumes and Selected Patient Outcomes in Cataract Surgery : A Population-Based Analysis.

 

 

名医検索サイトクリンタル
名医検索サイトクリンタルでは日本全国の約30万人の医師から厳選された名医だけを掲載しております。手術数や外来の待ち時間など、受診する名医を決めるために必要な詳細情報を掲載しておりますので、受診先を検討される際の参考にしてください。

「どの名医に治療をお願いすればよいのかわからない!」とお悩みの方には、クリンタルの名医紹介サービスをお勧めしています。クリンタルが独自に厳選した「3,500人の有数の専門医」「35,000人の街の名医」の中から、あなたの病気/症状やご希望を考慮して、クリンタルの医師が最適な名医をご紹介します

クリンタルの名医紹介サービス