甲状腺がんの手術をうけるなら35歳〜50歳の外科医がオススメ!?その理由は?

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甲状腺がんの手術をうけるなら35歳〜50歳の外科医がオススメ!?その理由は?

甲状腺がんの治療を受ける時に名医を選んでますか?

甲状腺とは喉の気管の前にあり、体にとって大切なホルモンを分泌して、代謝を正常に保つ役割を持っている大切な器官です。甲状腺で血液に放出されるホルモンは甲状腺ホルモンと呼ばれ、多くても少なくても身体に不調を起こしてしまいます。

このように代謝という重要な機能を司る甲状腺ですが、腫瘍やがんができてしまうと、ホルモンが過剰に分泌され常時運動しているような過剰な代謝になったり、逆にホルモンの産生が低下して代謝低下による冷え性やむくみなど様々な症状を呈します。甲状腺がんの治療としては、基本的に切除手術が行われます。

手術療法は、術後の合併症というリスクが表裏一体のため、治療を受けるなら甲状腺手術の治療成績のいい医師にお願いしたいですよね。今回は甲状腺手術と名医に関連する論文を紹介します。

 

甲状腺がんの手術

腫瘍は、「良性腫瘍」と「悪性腫瘍(がん)」の2つに大別されます。甲状腺には腫瘍ができることがよくありますが、多くの場合は「良性腫瘍」で、「悪性腫瘍」(がん)ではありません。良性腫瘍は、組織の中でコブのように肥大していく疾患であり、病変部と正常な組織の境界線がはっきりしているため、病変部に限局した切除が行えます。しかし悪性腫瘍は、周囲の細胞や組織に浸潤してしまい、境界も不明瞭となりやすいため、病変部へ限局した治療が困難です。今回は、この甲状腺の「悪性腫瘍」、つまり「甲状腺がん」といわれる病気についてもう少しご説明します。

甲状腺がんの9割方は乳頭がんと呼ばれるタイプのもので、女性に多く、「しこり」以外の症状がほとんど現れないという特徴があります。また進行が遅いなど他の臓器に比べて性質があまり悪くないことも多く、手術による切除で治しやすいタイプになります。場合によって甲状腺を部分的に切り取る場合と全摘出する場合があります。

しかし、甲状腺がんの手術後には、反回神経麻痺や副甲状腺機能低下症などの合併症を発症するリスクがあります。反回神経麻痺とは、声帯の動きをつかさどる神経が麻痺してしまった結果、声帯の動きに異常が出て声が枯れてしまったりする状態です。また、副甲状腺機能低下症は、副甲状腺ホルモンの分泌低下によって低カルシウム血症による症状 (手足などのしびれ感・喉頭や全身の痙攣・白内障や抑うつなど様々) が出ます。どちらも生活に大きく不自由が出てしまいます。では、そのような合併症の少ない手術を受けるためには、どのようなポイントに注目して病院や医師を選べばいいのでしょうか。

 

35歳から50歳の間の名医が甲状腺がんの手術を行うと合併症の発症率が下がる

今回ご紹介するのは、フランスの5つの大学病院で大規模な調査を2年ほど行い、その結果を示した論文です。28人の内分泌外科医たちとその患者たち、合計3,457例の甲状腺手術が調べられました。

全体の反回神経麻痺の発症率は2.08%で、副甲状腺機能低下症の発症率は2.69%でした。反回神経麻痺の発症は、経験が4年以下の医師が手術した場合、5-20年の経験を積んでいる医師が手術した場合と比較して、発症率が「約6倍」にもなりました。副甲状腺機能低下症は5-20年の経験を積んだ医師と比較して、経験年数が4年以下の医師の場合は発症率が「約5倍」高くなっていました。

逆に、経験年数が20年以上の医師では、反回神経麻痺の発症率が約3倍、副甲状腺機能低下症は約7倍になることがデータから示されています。このデータは、より多くの手術を行いながら、学会などの学術発表も実施していることによる、過度な疲労からの注意不足が原因の一つではないかと書かれています。

論文中に、甲状腺の手術は非常に体系化された手術の一つであり、ある程度一定の経験を積むと、手技的に自立して治療を行うことができるとの記載がありました。一方で、経験を重ねた医師が若い医師への指導にあたり、学会などへの参加など医療の学術的な進展にも注力しなければならないため、負担が大きいことも記載されています。

そのためこの論文では、経験を十分に積んでいるが、多くの学術発表に忙殺されることが少なく、比較的手術に集中することのできる35-50歳の (5-20年の経験年数にあたる年齢) 名医に手術をしてもらうと、最も甲状腺手術の合併症が起こりにくいのではないかと述べられています。

 

ただ経験年数が長ければ長いほどよいわけではない

医師としての経験年数が長ければ長いほど良い医師なのではないかと思う方も多いかと思いますが、そこは必ずしもイコールではありません。論文にある通り、どこかで自己の成長よりも後進の教育にシフトする方もいますし、臨床現場から研究領域にシフトされる方もいるでしょう。その結果、現在の手術数としては、若手よりも少なくなるということは十分あります。

そのため、これまで手術をどれほどしてきたかという合計の手術経験数も名医の条件としてもちろん大切な要素だと思いますが、手術の総数だけではなく直近の1年にどれほど手術しているかを調べることも最適な医療を受ける上では重要なことかもしれませんね。

 

参考論文:Influence of experience on performance of individual surgeons in thyroid surgery: prospective cross sectional multicentre study.

 

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