膀胱がんに対する根治的膀胱全摘術では、手術件数が多い病院・多い医師ほど成績が良い!

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膀胱がんに対する根治的膀胱全摘術では、手術件数が多い病院・多い医師ほど成績が良い!

膀胱がんとは

膀胱は骨盤の内部にある臓器で、腎臓で作られた尿を一時的に貯めておく袋の役割を果たしています。膀胱がんは女性に比べて男性の方が多く発症すると言われています(約4倍程度)。また、年齢別には、男女ともに60歳以降で発症率が増加します。膀胱がんの発症リスクを上昇させる物質としてタバコが知られています。そのため現在喫煙されている方は、膀胱がんを予防するためにも禁煙することをお勧めいたします。

膀胱がんで一番多く見られる症状は赤色や茶色といった目で見てわかる血尿(肉眼的血尿)です。特に痛みや痒みを伴わず突然血尿がみられることが多いのですが、しばらくすると血尿が止まるので放置してしまう方もいらっしゃるようです。しかし、血尿は膀胱がんの代表的なサインであり、早い段階で治療すれば膀胱を摘出する必要がないことがほとんどですので、血尿が現れたらすぐに泌尿器科の名医に診てもらうことが重要です。

血尿以外の膀胱がんの症状としては、頻尿や尿意切迫感、排尿時痛や下腹部痛などの膀胱刺激症状などが挙げられます。最近では尿の中にがん細胞が混じっていないかどうかを調べる検査(尿細胞診)や超音波検査といった検診で膀胱がんが見つかることも増えています。

 

膀胱がんの治療

膀胱がんではCTやMRIといった画像診断と組織検査の結果に基づき、患者さんの希望なども総合的に考慮した上で治療法を決定していきます。組織検査に用いる組織の採取方法としてはTURBT(経尿道的膀胱腫瘍切除術)が一般的です。TURBTについては後ほど説明いたします。膀胱がんの治療には、外科的手術、放射線療法、化学療法、免疫療法などがあります。手術方法としては、TURBT、膀胱部分切除術、根治的膀胱全摘術などが挙げられます。

  • TURBT:腰椎麻酔(あるいは全身麻酔)で内視鏡を尿道から膀胱内に挿入し、生理食塩液を膀胱内に注入しながら膀胱内の腫瘍を電気メスで切除する方法のことで、早期発見の膀胱がんの場合にはTURBTでがんを切除できる可能性があります。
  • 膀胱部分切除術:膀胱の一部を摘出する手術です。摘出するのが膀胱の一部のみなので、手術後、ある程度回復期間をおけば普通に排尿できる可能性が高いです。
  • 根治的膀胱全摘術:膀胱およびがんを含むリンパ節と隣り合う器官を摘出する手術です。この手術は膀胱がんが筋肉壁にまで及んでいる場合、または表在性のがんが膀胱の大部分に及んでいる場合に行われることがあります。膀胱を全て摘出する場合には、尿を体外に排泄するために別の経路をつくる必要があります。

 

根治的膀胱全摘術の件数と治療成績との関係を調べた論文

今回ご紹介する論文は、根治的膀胱全摘術の件数と治療成績に関係があるかどうかを検討した研究です。本研究では、カナダのケベック州にある「RAMQ」および「ISQ」と呼ばれる2つの医療データベースに集積されたデータのうち、膀胱がんと診断された患者を対象としています。対象期間は2000年1月から2009年9月までの9年9か月間で、40歳未満の患者およびネオアジュバント療法(手術前に抗がん剤などで腫瘍を小さくしてから切除手術を行う方法)を受けた患者は分析対象から除外しています。

本研究では、1年間に外科医が執刀した根治的膀胱全摘術の件数に基づき、年間手術件数が多いグループ(上位50%)と少ないグループ(下位50%)で、膀胱がんに対する根治的膀胱全摘術施行後の全生存期間(手術から死亡するまでの期間)を主要な評価項目として治療成績を検討しています。また、1施設あたりの根治的膀胱全摘術の件数についても、年間手術件数が多いグループ(上位50%)と少ないグループ(下位50%)で同様の検討を行っています。

 

根治的膀胱全摘術の年間手術件数が多い名医ほど手術後の生存期間が長い

分析の結果、年間手術件数が多い医師の方が少ない医師に比べて、手術後の死亡リスクが19%低下することがわかりました。また年間手術件数の多い病院の方が少ない病院に比べて「手術後の死亡リスクが13%低下」することも明らかとなりました。今回の結果から、膀胱がんに対する根治的膀胱全摘術の年間手術件数が多い医師ほど患者の生存期間が長くなり、治療成績の高い名医であると言えます。

 

膀胱がんに対する根治的膀胱全摘術の名医は年間手術件数を基準に選ぶと良い

今回紹介した論文の結果から、膀胱がんに対する根治的膀胱全摘術の年間手術件数が多い医師と少ない医師を比べたときに、年間手術件数が多い医師の方が手術成績が良い、つまり名医であるといえることがわかりました。また、年間手術件数が多い病院ほど根治的膀胱全摘術の治療成績が良いことも明らかとなりました。

膀胱がんではがんの部位や進行度により治療方法が異なりますので、まずはCTやMRI検査、場合によってはTURBTによって手術適応があるかどうか名医に診断してもらうことが大切です。手術適応のある膀胱がんであると診断された場合には、まず手術件数を基準に膀胱がん手術の名医を探してみてはいかがでしょうか?その場合、ひとりひとりの医師の手術件数を調べていくのは難しいと思われますので、まずは年間手術件数の多い病院を探し、その中で主に執刀されている先生は誰なのかを調べる、といった方法が良さそうです。

 

参考文献:High hospital and surgeon volume and its impact on overall survival after radical cystectomy among patients with bladder cancer in Quebec. World J Urol. 33(9):1323-1330, 2015

 

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