経験症例数が多い名医が不妊症に対して子宮内膜症手術をすると自然妊娠率が上昇!

経験症例数が多い名医が不妊症に対して子宮内膜症手術をすると自然妊娠率が上昇!

不妊症の割合は近年増加傾向といわれています。不妊症の原因としては、晩婚化や晩産化、子宮や卵巣の病気などが挙げられます。今回は名医と子宮内膜症手術との関連についての報告を紹介します。

 

不妊症の治療としての子宮内膜症手術

子宮内膜症は、本来ならば子宮内部にあるべき子宮内膜が何らかのきっかけで子宮以外の卵巣や腹膜に留まり、生理の度に出血、癒着を繰り返す病気です。原因は未だにわかっていませんが、生理の時の血液と共に子宮内膜が逆流している説などが考えられています。

子宮内膜症は発症する頻度の高い病気で、検査をすると不妊症の方の約60%に見つかるともいわれています。子宮内膜症で不妊症になる原因としては、周囲の組織との癒着のために卵管が狭窄または閉塞したり、卵巣がうまく機能できないことなどが考えられています。

そのため不妊症の治療として、子宮内膜症の手術を行うことがあります。最近では、不妊症の原因と考えられる子宮内膜症の手術は腹腔鏡を使用して行われることがほとんどです。腹腔鏡手術は傷も少なく、開腹も早いことが知られています。手術では卵管や卵巣と周囲の組織との癒着をはがし、子宮内膜症の部分を取り除くか焼いてしまいます。アルコールで病気の部分を固定してしまうこともあります。

 

名医が子宮内膜症の手術をすると自然妊娠の可能性が高くなる

子宮内膜症手術は手術経験の多い名医がするべきであるかどうか

イタリアの研究チームは手術経験の多い名医が子宮内膜症の手術をすると、術後の自然妊娠率が上昇することを2015年に「Archives of Gynecology and Obstetrics 」誌に発表しました。今回の研究は、不妊症の原因と考えられる子宮内膜症手術は手術経験の多い名医がするべきであるかどうかを明らかにする目的で行われました。今回の研究の面白いところは、1人の医師の症例経験数で術後の自然妊娠率や子宮外妊娠数、術後合併症の割合などを比較した点です。今までの名医に関連する論文では、経験数の多い医師と少ない医師を比べることがほとんどでした。

1人の医師の子宮内膜症手術経験が少ない時期と経験豊富になってからを比較

今回の報告によると、1人の医師が最初の9年間に手術した症例は83例で、後の5年間では98例でした。1年間に換算すると最初の9年間では、年間約9例で、後半の5年間では年間約19例と明らかに年間手術件数が増えていることがわかります。前半の時期ではまだ名医といえないと思いますが、後半の時期にはすでに多くの手術を行い、年間手術件数も多いので名医といえるでしょう。前半の9年間で手術された方をグループA、後半の5年間で手術された方をグループBとして、術後の経過を解析しました。

 

結果は、術後2年間に自然妊娠を認めた症例が99例でした。

グループAでは35例(35.4%)、グループBでは64例(64.6%)と明らかにグループBの方で妊娠率が高くなっていました。特に術後1年間に着目すると、全体では54例が自然妊娠し、グループAでは16例、グループBでは36例とやはりグループBで自然妊娠率が高くなっていました。

子宮内膜症によって卵管が癒着していると、受精卵が子宮内までうまく運ばれずに子宮外妊娠を引き起こす可能性があります。今回の研究では、グループAで5例、グループBで1例と明らかにグループBで子宮外妊娠の症例が少ないことがわかりました。手術後の術後合併症に関しては特にグループAでも、Bでも変わりありませんでした。

 

今回の結果から同じ医師で比較しても、手術経験数が増えれば増えるほど技術は向上し、術後の結果も良くなることが明らかになりました

不妊症に対する子宮内膜症手術はただ病変を切除したり、癒着をはがせばよいわけではなく、今後の妊娠のために卵巣や卵管をできる限り良い状態に修復する必要があります。経験を積んで名医になると、ただ病変部分を取り除くだけでなく、癒着のはがし方などを考えて卵管や卵巣がのうまく機能できるように配慮できるのではないかと今回の研究では考察されていました。

つまり不妊症に対する子宮内膜症手術は、経験症例数の多い名医にしてもらった方がよく、自然妊娠率も上昇する可能性があるということです。

子宮内膜症手術の名医がいる病院の探し方

クリンタルでも子宮内膜症(腹腔鏡手術)の名医不妊症の名医を紹介しています。例えば名医がいる病院として挙げている、順天堂大学医学部附属順天堂医院聖路加国際病院のホームページを見ると、1年間で卵巣や子宮の病気に対して腹腔鏡手術を行った件数が報告されています。

手術には多くの医師が関わるので、医師1人あたりの手術件数はわからないことがほとんどですが、病院の手術件数を見れば1年間のおおよその症例数がわかります。症例数の多い病院には名医がいる可能性が高いと考えてよいでしょう。名医を探す時には、1年間の手術件数を比較してみましょう。

 

不妊症の原因として子宮内膜症が疑われる場合には、不妊症の治療歴もある医師または同じ病院内で不妊科と婦人科が連携しているような所の方が安心かもしれません。不妊症の治療はただでさえ不安やつらい気持ちになることが多いので、信頼できて治療実績も多い名医に相談したいものです。

 

参考論文:Arch Gynecol Obstet. 2015 Jul;292(1):217-23, Could surgeon’s expertise resolve the debate about surgery effectiveness in treatment of endometriosis-related infertility?, Gizzo S, Conte L, Di Gangi S, Leggieri C, Quaranta M, Noventa M, Litta P, Saccardi C.

 

 

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