「名医」を探すべき時、探してる場合ではない時

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「名医」を探すべき時、探してる場合ではない時

医師の言う「単位」

医師同士の会話で「単位」というと、ほとんどの場合、専門医資格を維持するために必要な単位を指します。医師は、所属する学会に出席してセミナーや講演を聞くなどすることで、その学会の単位を獲得することができ、それを一定数集めることで専門医資格を維持することができます。大学生の卒業資格と似たようなシステムです。

医師と看護師の会話で「単位」という場合はいろいろありますが、インスリンなどの薬剤の量を指すことが多いのではないでしょうか。「あの患者さん昼食後の血糖値高いから、インスリン昼2単位増量で」というように。

しかし、医師と患者さんの会話の中での「単位」はまた別のものを指すことが多いです。その場合は、「単位」単独ではなく、主に「月単位」「週単位」というように使われます。

 

例えば、

 

患者さん「先生、私白内障が始まってるって言われたんですが、すぐに手術したほうがいいですかね?」

医師「そうですね、白内障は”年単位”の病気ですから、今そんなに心配されなくて大丈夫ですよ」

 

という感じです。今回は、最後の患者さんに対する「単位」の話で、以前の記事(名医が必要な時、必要じゃない時)で挙げたポイントに加えて、これも名医を探すべきかどうかに大きく関わってきます。

 

「名医」を探している場合ではない単位:「時間単位」「分単位」

研修医の時に、外来から「先生、肺炎の患者さん入院になります!」とか、救急外来から「心筋梗塞疑いの患者さんが来院されますので準備を!」という電話を受けていました。電話を受ける度に、どんな患者が来院するかいつも不安な研修医のアドレナリンはぶわっと出ます。

ただ、出るアドレナリンの量はその疾患の「単位」によって全然違います。例えば、「大腸がん、ここ数ヶ月下血している患者さん」だと、まあ「週単位」ぐらいだから、まずトイレに行ってから診察しようかなとなりますが、これが「心筋梗塞疑いの患者さん」だと「分単位」なので、ランチ中断していかなきゃ!となります。

もうお判りのことと思いますが、「xx単位」とはその疾患の進行のスピードを指します。言葉としては、「年単位」「月単位」「週単位」「日単位」「時間単位」「分単位」が存在し、もちろん単位が短いほど進行が早く、緊急・不安定な状態であることを指します。ですので、「時間単位」「分単位」の状態の時には、なるべく近い医療機関を受診し、一刻も早く治療を開始することが最も大事であり、医師を選り好みしている場合や、少し離れた医療機関まで時間をかけて移動している場合ではないのです。

少し言い換えると、「時間単位」「分単位」とは救急車を呼ぶべきまさに緊急の状態、「年単位」「月単位」の場合は、待機可能な比較的安定した状態ということになり、その場合には、名医を探す余裕が充分にあります。

そして研修医は「分単位」の疾患で焦りでおろおろし、「年単位」の疾患でほっとするというわけです。

 

どの疾患がどの「単位」なのか

そうすると、どの疾患がどの「単位」なのでしょうか。これは正直非常に難しいです。全身状態、疾患の重篤度、合併症の有無、などいろいろな要素によって複雑に大きく変わってくるからです。仮に一例として各疾患の標準的な状態を想定すると、各疾患の「単位」は下記のようなイメージになります。

 

150815_コラム_疾患の単位

 

 

こうしてみると、「分単位」の心筋梗塞・脳梗塞・大動脈瘤破裂などは、基本的に1分でも早く受診できる医療機関を受診すべきであり、がんなどは相対的に探す時間があることがわかります。

またこの図から、治療まで待機可能な期間もわかります。例えば白内障は年単位なので、手術まで12ヶ月待ちと言われてもそれほど問題ではないですが、これが週単位で進行していく膵臓がんで、手術まで3ヶ月待ちと言われてしまうと少々厳しくなります。

ただ残念ながら、患者さんが頭痛や腹痛などなんらかの症状を発症された時に、自分がどの疾患にあたり、どの単位にあたるかを判断するのは非常に難しいです。最初に申し上げたとおり、同じ疾患でも状況により大きく異なってきますし、そもそも何の疾患かという診断も容易ではないからです。友人から、「xxの状態なんだけど、すぐ病院を受診すべきか」「明日受診でいいか」など電話で聞かれることもあるのですが、その場合もあくまで推測になるため、やや「単位」を保守的に見積もることとなります。相談する医療関係者が周りにいない場合には、やはり近くの医療機関を受診して判断してもらうのがよいでしょう。

 

 

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