名医は腹部大動脈瘤に対し負担の少ない血管内治療を選択する

名医は腹部大動脈瘤に対し負担の少ない血管内治療を選択する

 

大動脈瘤は、動脈硬化や老化、先天的な異常などのさまざまな原因によって大動脈が拡張してしまう病気です。高血圧などが加わり、そのまま放置しておくと破裂して大出血を起こし、死亡してしまう可能性もあります。今回紹介する論文では、名医が腹部大動脈瘤の治療法をどのように選択しているかについて報告しています。

 

大動脈瘤に対する血管内治療とは

大動脈は心臓から全身に血液を送る大切な太い血管で、胸から腹、そして両足へとつながっています。血管が広がっている場所によって、胸部大動脈瘤、胸腹大動脈瘤、腹部大動脈瘤と呼び方が変わります。

 

治療方法には人工血管に置き換える手術と、体に比較的負担の少ない血管内治療(カテーテル治療、ステント治療)があります。血管内治療の時には、両足のつけ根を3-4cm切開してカテーテルを挿入します。大動脈が拡張している部分に、金属製の骨組みによって支えられた人工血管(グラフト)をカテーテルと共に進め、適切な場所で展開して留置します。ステントグラフトが血管内に留置されると、瘤に血液が流れるのを防ぎ破裂を防ぐことができます。開腹しないため傷が小さく、体への負担が少ないため術後も2-5日程度で退院できることが多いです。

 

名医が手術をすると死亡のリスクは半分に!

今回の研究では、アメリカの全病院のデータで、腹部大動脈瘤に対して治療を行った患者を対象にしています。

腹部大動脈瘤に対してステントグラフトを使用した血管内治療を選択する確率は、研究を開始した最初の年の27%に比べて、3年後には39%と増えていました。このように、腹部大動脈瘤に対して体に負担の少ない血管内治療を選択する傾向が増えています

 

また1年間の手術件数が最も少ない病院は、多い病院に比べて死亡するリスクが1.8倍も高いことが分かりました。手術方法で見ると、手術件数が少ない病院は多い病院に比べて、開腹手術では1.52倍、血管内治療では1.68倍死亡リスクが高いことが明らかになりました。

 

年間の手術件数が多い病院では全体の44%を血管内治療が占めているのに対し、手術件数が少ない病院では18%しか選択されていないことがわかりました。手術件数の少ない病院と多い病院での死亡率の差が37%もあるのは、血管内治療は選択しているか否かによるのではないかと考えられました。つまり、患者にとって負担が少ない手術なので、手術後の死亡率も低いのではないかということが推測されました。

 

この論文から、年間手術件数の多い名医によって手術をされた方が術後の死亡率は低く、負担の少ない血管内治療を選択してもらえる可能性が高いことが明らかになりました。

 

ただし、実際の臨床の現場では手術か血管内治療(ステントグラフト)のどちらを選択するかは患者の状態や病気の重症度、合併症の有無などを考慮して医師によって慎重に判断されます。一概に血管内治療を選択した方が名医とはいえないので、自分の信頼できる医師とよく話し合うようにしてください。

 

大動脈瘤に対するステントグラフトの名医がいる病院を探すには

クリンタルでも胸部大動脈瘤(ステントグラフト)の名医腹部大動脈瘤(ステントグラフト)の名医がいる病院を紹介しています。各病院のホームページには、年間の手術症例数が記載されていることも多いです。名医がいる病院を探す時に参考にしてみてください。

 

今回紹介した論文は、大動脈瘤に対するステントグラフトに関する報告でしたが、大動脈瘤に対するもう1つの治療法である手術に関する報告についても「名医が行うと胸腹部大動脈手術後の死亡リスクは半分になる」でまとめています。もしよければ、併せて読んでみてください。

<参考論文>Endovascular technology, hospital volume, and mortality with abdominal aortic aneurysm surgery.

 

 

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