生理痛がひどい!みんなはどれぐらい痛いの?

生理痛がひどい!みんなはどれぐらい痛いの?

生理痛がひどい

女性の多くが生理痛を経験しますが、生理が始まってほとんどが数日で落ち着くため「一時的なもの」と考えて我慢している人も少なくないようです。しかし、中にはひどい生理痛のために家事や仕事ができない、痛くて眠れないという人もいます。

生理痛がひどい人は若い人に多い?

少し古いデータですが、2004年に女性労働協会から発表された「働く女性の健康に関する実態調査」をご紹介します。
調査をみると、生理痛の感じ方は人によって差があるようです。最も多い48%の人は我慢できる程度の生理痛ですが、生理痛がひどい人が26%、かなりひどい人は3%弱、22%は生理痛を感じないと答えています。

生理痛が「ひどい」と「かなりひどい」を合わせると全体の30%ほどになりますが、年齢別で見ると25歳未満の人の43%が該当するため、若い人ほど痛みが強いようです。

生理痛がひどいときどう対処してる?

生理痛がかなりひどい人は、薬を飲んでも仕事ができないほどの強い痛みがある人ですが、そのうち病院を受診したのは6割強でした。また、生理痛がひどい人のうち受診したのは2割ほどで、8割以上の人は薬を服用して対処していました。

参考:「働く女性の健康に関する実態調査」女性労働協会(2004) http://www.bosei-navi.go.jp/common/pdf/0_5_3.pdf

「生理痛がひどい」というときには何らかの病気が関係していることも少なくありません。不妊につながる病気だったということもあるので、生理痛がひどいときは一度婦人科を受診することをおすすめします。

一方で、婦人科は他の科に比べると受診のハードルが高いという声もよく耳にします。ここでは、生理痛がひどいときにはどういう病気が考えられるのか、どんなときに受診が必要か、また、婦人科の検査や生理痛の緩和方法などについてみていきましょう。

 

そもそも生理痛がひどいのはなぜか

生理痛といわれる痛みの原因としては、生理直前から分泌が増えるプロスタグランジンという物質が挙げられています。

ひどい生理痛につながるプロスタグランジンの過剰分泌

生理のときに出血があるのは、子宮の内膜が剥がれ落ちるためです。生理周期の中で、エストロゲンやプロラクチンの作用で子宮内膜は、血液を含んだやわらかく厚みのある内膜へと変化して受精卵が着床しやすい状態に変わります。しかし、妊娠しないときは次の妊娠に向けて準備を始めるために子宮内膜が剥がれて排出される、これが生理(月経)です。

月経血の排出に必要になるのがプロスタグランジンという物質で、子宮を収縮させる作用があるため陣痛誘発剤としても使われています。生理のしくみとしては重要な働きをする物質ですが、子宮内膜から分泌されるプロスタグランジンが過剰になると子宮収縮が強くなり、ひどい痛みを起こすことがあるのです。また、プロスタグランジンは痛みを増強させる作用もあり、医学的にいうと痛みの閾値(いきち)が下がることによって「痛み感じやすくなる」という指摘もあります。

参考:
http://minds4.jcqhc.or.jp/minds/Gynecological/Gynecological_2014.pdf p113-114
https://www.jspm.ne.jp/guidelines/pain/2010/chapter02/02_04_02_01.php
非ステロイド性消炎鎮痛薬(NSAIDs) 1. 薬理学的特徴 [作用機序]

子宮の出口が狭いことが影響することも

月経血が排泄させる子宮の出口が狭く、スムーズに排泄できない、または、子宮の発育が未熟なことなどが原因で生理のときに痛みを感じることがあります。出産経験のない、10歳代などの若い人に多いといわれています。

寝込むほどのひどい生理痛を起こす月経困難症

生理痛がひどい人は月経困難症と診断されることも多いです。月経困難症とは生理痛がひどく、寝込んでしまい家事ができない、学校や仕事に行けないなど日常生活に支障がでるほどの状態をいいます。

・器質性月経困難症で生理痛がひどい

何らかの病気によってひどい生理痛が起こるもので、20歳代後半になってから増える傾向があります。主な病気としては子宮内膜症、子宮筋腫、子宮腺筋症などが挙げられます。

・機能性月経困難症で生理痛がひどい

器質性のように病気が原因となって痛みが起こる訳ではなく、プロスタグランジンの過剰な分泌や体の冷え、ストレス、体質などが原因と考えられるものです。10歳代~20歳代前半の比較的、若い人に多くみられます。

参考:http://www.bufferin.net/lunai/topic/menstrual_pain.htm
http://ibusukimc.jp/?page_id=2913

 

生理痛がひどいときに考えられる病気とは

子宮内膜症

子宮内膜症の人は、子宮内膜やよく似た組織が子宮以外の場所にできてしまいます。また、生理周期における子宮内膜の変化と同様のことが、子宮以外のところにできた内膜にも起こるのです。そのため、生理のたびに内膜の増殖と出血を繰り返し、血液が溜まって炎症を起こしたり、他の臓器とくっついて癒着(ゆちゃく)を起こしたりして痛みが現れるといわれています。

子宮内膜症になると激しい生理痛のほかに、セックスや排便のときにも痛くなることが多いです。また、生理以外のときにも下腹部痛があるなど、子宮内膜症は「痛み」が特徴といえます。子宮内膜症で特に注意が必要なのは、チョコレート嚢胞(のうほう)という卵巣の病気です。チョコレート嚢胞は卵巣がんの発症リスクが高いといわれ、場合によっては摘出の手術が必要になります。

子宮内膜症は20歳代~30歳代の若い女性に多い病気です。結婚し、なかなか妊娠しないというときに子宮内膜症が見つかることも少なくありません。不妊原因の一つといわれているので気になる症状がある人は受診をおすすめします。

子宮筋腫

子宮筋腫は女性ホルモンのエストロゲンの作用で良性の腫瘍が大きくなり、婦人科では比較的、多い病気です。筋腫が発生した場所によって症状の現れ方が違い、初期にはほとんど症状がないものもあれば、小さい腫瘍でも生理痛がひどい、出血が多いといった症状を示すものもあります。発症しやすい年齢は30歳代~40歳代です。

子宮筋腫も過多月経のために貧血になりやすく、妊娠への影響としては不妊のほかに、流産の可能性が高まるという指摘もあります。日中でもナイト用ナプキンが必要になるくらい出血量が多いときは、量だけでなく、レバー状の血のかたまりが混じっていないかなどの観察も大切です。

なお、子宮筋腫と子宮内膜症は合併することもあり、生理痛がひどい場合は合併している恐れもありますので医師に診てもらいましょう。

 

生理痛で受診が必要なのはどのくらいひどいとき?

日常生活に影響が及ぶほど生理痛がひどい

生理痛がひどくて学校や仕事に行けない、やるべきことに集中できない、夜も眠れないなど日常生活に支障があるときは早めに病院に行きましょう。とかく、「生理の期間だけだがら」といって様子をみてしまいがちです。しかし、寝込むほど痛みがひどい場合は受診をおすすめします。

鎮痛薬の服用量が増えている

「鎮痛薬を飲んでも効かない」ということも少なくありません。「以前より痛みがひどい」「薬を飲む量が増えた」というときは何かが起きている可能性もありますので、婦人科で診てもらいましょう。特に、生理痛が急にひどくなったというときは早めに受診しましょう。

例えば、子宮筋腫は子宮のどの部分にできるかによって症状の現れ方が異なりますが、生理痛がだんだん重くなっている場合は筋腫が大きくなっている場合もあります。

生理ではないときにも痛みを感じる

子宮内膜症などの病気になると生理痛がひどいだけでなく、生理以外の時期にも下腹痛を感じるようになります。また、子宮内膜症の場合、性交や排便の際に痛みを感じるという人が多いです。子宮内膜症は不妊の原因になることもあるので、生理痛とは異なる痛みがある場合は病院で診てもらいましょう。

生理痛のほかにめまいなどの症状がひどい

子宮内膜症や子宮筋腫などの場合、月経血の排泄が多くなる過多月経になりやすいです。また、生理がなかなか終わらず、8日以上続く過長(かちょう)月経になることもあり、いずれも貧血になりやすいので注意してください。

貧血はめまいや立ちくらみが起こりやすく、疲れも感じやすくなり、眼瞼結膜(がんけんけつまく)が白っぽくなります。眼瞼結膜はまぶたの裏側のことで、下まぶたを少し引いて確認するとよいでしょう。

 

生理痛がひどいときにはどんな検査をするのか

問診

ひどい生理痛で受診すると生理痛やその他の症状、また、生理周期、妊娠や出産の経験などについて尋ねられます。たとえば、生理中にどんな痛みがどのくらい続くか、寝込むほどか、また、下腹部や腰痛のほかに気になる痛みや症状はないか、生理以外の痛みはどうかなどです。

血液検査

必要に応じて貧血の検査、また、エストロゲンなどの女性ホルモンや子宮内膜症で高くなるCA125という物質などを調べることがあります。CA125は卵巣がんや乳がん、膵がんなどのがんがある場合にも高値になり、がんの進行状態を把握するのに役立つ腫瘍マーカーの一つです。

内診

内診は膣の中に手袋をはめた指を入れて子宮や卵巣の大きさやかたさ、動きのよさ、痛みの有無、また、おりものの状態や子宮筋腫の有無などを調べる検査です。さらに、膣の中に入れた指とお腹の上に当てた指で子宮を挟むようにして調べる双合診(そうごうしん)という検査も行います。

内診のときには膣の中に超音波の細長い器械(プローブ)を入れて調べることも多いです。ただし、内診も膣に入れる超音波検査も性交経験のない人に対しては行わないこともあります。

超音波検査(エコー検査)

超音波検査は子宮や卵巣、卵管などの異常を調べるために行われる検査です。膣内から調べる超音波検査は経膣法といい、お腹の上から調べるのは経腹法と呼んでいます。

他に、子宮内膜症では腹腔鏡という内視鏡を使った検査やMRIという磁気を利用した画像検査などで詳しく調べて診断に役立てています。

生理痛がひどいときに自分でできる対処法

生理痛を和らげるには、次のような対処法で血行を良くしましょう。

体を冷やさない工夫を心がける

普段、薄着や短いスカートを履いている人も生理痛を軽くするには体を冷やさず、体を温めることが大事です。体を冷やすのは冬場だけでなく、冷房が効いた夏場も注意が必要になります。ひざ掛けのほか、小さなカイロや湯たんぽなどでお腹や腰を温め、寒さが厳しいときはネックウォーマーやレッグウォーマーなどもうまく使って体の冷えを予防しましょう。

体を絞めつける下着や服に注意

ガードルなどのきつい下着や体にフィットした服を着ていると血流が滞ってしまうことがあります。血液の流れをよくするにはゆとりのあるものを選びましょう。

ストレッチで血液循環をよくする

ストレッチなどの軽い運動をすると、血行がよくなります。痛みがひどいときは体を動かすのもつらいでしょう。無理のない程度に軽い運動をして血の巡りを促してください。

アロマセラピーなどでリラックス

ストレス状態は血管の収縮などに働く交感神経という神経を優位にさせるので、血流を悪くして体の冷えにつながるといわれています。心身の緊張感を和らげるにはアロマの香りを楽しんだり、好きな音楽を聞いたりするとよいでしょう。すると、副交感神経が優位になって血管が拡がり、血液の循環がよくなります。

湯船につかって体を温める

シャワーを好んで使う人もいますが、生理痛を緩和するには湯船に入ってゆったりと体を温めるのがおすすめです。お湯は38~40度ほどを目安にしましょう。42度以上にすると交感神経が優位になりやすいので「ぬるめのお湯にゆったりと!」がポイントです。

鎮痛薬は飲むタイミングも重要

生理痛がひどく、なかなか軽減しないときは市販の鎮痛薬を飲むことも自分でできる対処法です。一般的に、生理痛に効くといわれる鎮痛薬はプロスタグランジンが生成されるのを防ぐことによって痛みを緩和します。

そのため、プロスタグランジンが多量に分泌された後ではなく、その前に飲むこと。つまり、痛みがひどくなる前の「痛み始め」の服用がよいといわれています。鎮痛薬を購入するときは薬剤師のいる店舗でどのような薬がよいか、服用の間隔などの注意点も教えてもらい、適切なものを正しく服用しましょう。

また、子宮内膜症などの病気が重くなると「これまで飲んでいた量では効かなくなった」ということもあります。鎮痛薬を間隔を空けて複数回、飲んでも効かないというときは何らかの病気が原因と考えられるので、自己での安易な増量や長期間の服用を控えて早めに受診してください。

 

生理痛がひどくならないようにするには

適度な運動を生活に取り入れる

運動習慣のない人が運動を続けるのは大変なことも多いです。しかし、生理痛を予防するには適度な運動を心がけてください。通勤や通学で歩く距離を少し長くしたり、エレベーターではなく階段を使ったり、日常の中でやれることを探してみましょう。

ただ、日頃、あまり運動しない人がいきなり頑張ってしまうと継続が難しく、中には体を傷めてしまう人もいます。激しい運動を急に行うのではなく、軽い運動をわずかな時間でも「続ける」ことを目標にするとよいでしょう。

ストレスを溜めない工夫も大事

ストレスはホルモンの分泌にも影響し、生理周期の乱れを起こす要因ですが、生理痛についても交感神経を優位にして血管を収縮させて痛みを増強する可能性があります。

また、子宮内膜症の研究によると、子宮内膜症の症状がある人はストレスを感じている人が多いそうです。ストレスの感じやすさ(感受性の高さ)が痛みを感じやすくさせるのか、子宮内膜症の症状があるためにストレスが強いのかといった因果関係は明確ではありません。しかし、生理痛をひどくしないためにはストレスをうまく発散し、溜め込まないことは重要でしょう。

生活を振り返ると、忙しくてホッとする時間がなかったということはありませんか。ほんのわずかでも自分の時間をつくる、好きなことをする時間を意識してつくりましょう。ただ、「自分の時間をつくらなければ!」と考えると、その考え方がストレスをつくってしまいます。まとまった時間ではなく、すきま時間をうまく使い、無理をせずに少しずつ自分の時間をつくりましょう。

参考:http://www.bosei-navi.go.jp/common/pdf/0_5_3.pdf p29-30

 

 

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