運動しすぎでひじが痛いときは冷やす?温める?

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運動しすぎでひじが痛いときは冷やす?温める?

ひじを不意にぶつけてしまって、すごく痛いと感じるのは誰にでも経験があると思います。しかし、特にぶつけたわけではないのに、なんだか痛みがある場合、何かしら原因があります。可能性としてどんな病気が考えられるのか、原因を探ってみましょう。

 

ひじの構造

ひじの関節は、肩からひじまでの骨(上腕骨)と、ひじから手首までの2本の骨(前腕の骨)でできています。前腕の2本の骨は橈骨(とうこつ)と尺骨(しゃっこつ)と呼ばれます。ひじ関節の周りには、軟骨や筋肉、腱などが付着しており、これらの働きによって、手首や指を動かし、日常生活やスポーツなどで複雑な動きができるようになっています。

 

ひじが痛いときに考えられる病気

上腕骨外側上顆炎(じょうわんこつがいそくじょうかえん)

とても難しい名前ですが、通称「テニス肘」と呼ばれ、ひじの外側が痛くなります。テニスだけでなく、手や腕を使うことが多い人は起こりえます。一般的に年齢とともにひじが痛い感覚が起きやすく、何かをねじるような動作や腕をふるような動作をよく行う方は要注意です。例えば、日常生活ではぞうきんしぼりや、料理のときにフライパンをにぎってふるような動作です。スポーツをする方であれば、その名の通り、テニスなどで腕の筋肉を痛めてしまうこともあります。またパソコンでも日々長時間使用する方であれば、起こることもあります。最近ではスマートフォンを一日中使うことによって同様の症状が起こっている人もいます。基本的に腕や手を使いすぎることによって起こる、ひじの症状と考えて良いでしょう。

上顆(じょうか)と呼ばれる部分は、ひじの外側にある上腕骨のでっぱりのことです。この部分から手首にかけて筋肉が伸びています。これらの筋肉は手首を伸ばす働きや、指を伸ばす働きをします。上腕骨外側上顆炎は、これらの筋肉が付着している腱の部分に炎症が起きることによって痛みがでると考えられています。もし、ひじから手首にかけて、痛い感じがあれば、整形外科を受診しましょう。整形外科では、手首を曲げたり、手のひらを下にして、腕から先を使って軽い物を持ち上げたりと、ひじが痛い原因の筋肉をわざと使うような検査をして痛みがでるかどうかを確認します。またレントゲンをとって、骨や関節に異常があるかをみます。

上腕骨外側上顆炎の治療法

まずは保存療法です。手首や指のストレッチをこまめに行います。スポーツや手をよく使う作業をひかえて安静にします。痛みのある箇所には湿布や薬を使用します。痛みが強い場合には、局所麻酔薬やステロイド剤を使用することもあります。また痛みを抑えることは一時的な緩和にはなりますが、根本的な原因の解消にはならないため、日頃からストレッチなどを行って筋肉の柔軟性を高めることも必要です。またスポーツが好きな方であれば、上腕骨から手首にかけての腕の痛みを感じたら、アイシングや保冷剤などで冷やして熱をとりましょう。

 

上腕骨内側上顆炎

小学生や中学生で野球をしていると、「野球ひじ」になりやすくなります。これは、ピッチャーに多く、成長段階で骨や軟骨が未熟であるのにもかかわらず、過度な投球練習によって起こりやすくなります。ひじの周りを保護している軟骨や靭帯、筋肉などが損傷することによって、ひじが痛い感覚が起こります。成長が完了したプロの選手でも起こることがあります。またこの病気は通称で「ゴルフひじ」とも呼ばれており、野球だけでなくゴルフをする方でも起こることがあります。レントゲンや、ひじの部分を回して痛みがあるかどうかを確認します。

野球肘 肘が痛い

野球肘 肘が痛い

上腕骨内側上顆炎の治療法

症状が軽い場合は、痛みを緩和する局所麻酔などを行い、自宅で行えるようにストレッチの指導をします。また無理にひじに負荷をかけないようにエルボーバンドと呼ばれるサポーター使用して固定します。

関節リウマチ

関節リウマチは、自己免疫疾患とよばれ、高齢者だけでなく、30歳頃から40歳の比較的若い年齢でも発症することがある病気です。男女比は女性に多くみられます。関節リウマチの原因は、免疫の仕組みが関係していると考えられています。体の外から入ってくる外敵を攻撃して排除するために、「免疫」の仕組みがありますが、なんらかのきっかけにより、自分で自分の体を攻撃してしまいます。

関節リウマチの症状としては、朝起きた時の手足のこわばり、複数の関節の腫れや痛みが起こります。そのため、手や指に力が入りにくくなり、細かい動作が苦手になります。また、股関節やひざ関節など、全身の関節に症状が起こる可能性があります。これにより、最初は肩の痛みだけですが、腕が上がらなくなり、ひじが痛い感じまで起こることがあります。そのほか全身のだるさや疲労感、微熱などがあります。

関節リウマチの検査は、整形外科、もしくはリウマチ内科で行います。検査は問診や、触診のほか、画像検査、血液検査などを行って、リウマチかどうかを判断していきます。

関節リウマチの治療法

リウマチの治療としては、薬物療法や手術、リハビリがあります。

薬物療法ではリウマチの症状を抑える効果や進行を止める効果が期待できます。またステロイド剤なども併用します。リウマチの薬物治療に関しては詳しくはこちらの記事(関節リウマチはきちんと専門医に診てもらうのがオススメ)を参考にしてください。

リハビリでは、主に理学療法で関節などを動かせる範囲で運動を促し、筋力低下を防ぎます。リウマチによって、ひじが痛い感覚がつづき、何もしないでいると、徐々に筋力が低下し、こわばりが進んでしまい、日常生活に支障をきたしてしまいます。リハビリは日常生活を保つ上で効果がありますが、無理に動かしすぎてしまい、適した方法で行わないと炎症が悪化してしまうことがあります。物理療法によって、患部を温めて血流をよくするなど症状を緩和する方法もあります。また、筋力トレーニングだけでなく、作業療法では手の細かい動きを保つようなトレーニングを行います。理学療法よりも、手芸やパソコンなど、その人に適した方法で練習をして機能を保ちます。

手術療法はいくつか種類があり、人工関節置換術や滑膜切除術とよばれるものがあります。人工関節置換術は、次項の変形性肘関節症でも適応になり、肘関節を人工関節で置き換える方法です。体の負担が少なく、日常生活での機能向上が期待できますが、術後も定期的な検査や、継続的なリハビリが必要なこと、感染や神経障害など合併症リスクがみられます。滑膜切除術は、薬物による保存療法が無効で、長時間にわたって痛みが持続している場合に行います。滑膜とよばれる部分を取り除きます。滑膜を取り除くことによって、痛みや腫れはなくなります。しかし、完全に取り除くことは困難なため、再発の恐れがあります。また術後は関節の動きが悪くなることや、関節を動かせる範囲が限られてしまうことがあります。リウマチは高齢者の方ではすでに骨の損傷が起きていることもあります。おかしいと感じたら早めに整形外科を受診しましょう。

 

変形性肘関節症

変形性肘関節症は、肘関節を酷使することによる関節炎などが原因で起こります。加齢による変形、または外傷や骨折、過度なスポーツなどにより起こります。症状は、ひじを曲げたり伸ばしたりする動作が制限されます。ひじを動かすと痛い感覚が起こり、安静にすると痛みは軽減します。また神経が圧迫されることによって、麻痺が起き、手先の動きが不器用になります。ひじ関節には軟骨があり、複雑な動きから関節を守っていますが、この軟骨がすり減り、変形が原因と考えられます。また内側では過剰の骨の突起ができてしまい、このためひじが曲がらなくなります。

検査は整形外科で行い、ひじが痛いのがどの部分か調べ、またレントゲンを撮り詳しく調べます。

変形性肘関節症の治療法

治療は、保存療法、手術療法があります。

保存療法は、安静にして、ホットパックなどを使用した温熱療法や電気治療などの物理療法を行います。また湿布や痛み止めなどを使って症状を和らげることもあります。理学療法として筋力トレーニングやストレッチなどをして、ひじが痛い症状を取り除きます。

手術療法は、関節の動きが悪く、日常生活に支障がある場合、関節形成術と呼ばれる手術を行い、一部の骨の除去などを行い、関節の動きを良くします。変形とひじが痛い感覚が強い場合は、人工関節の手術をすることもあります。金属やプラスチックなどの部品によってできた人工関節をひじの関節に置き換えます。手術はおよそ1時間で完了するため負担は少ないです。ひじ関節の機能を取り戻し、見た目も目立たず、日常生活で痛みも少なくすみます。人工関節のデメリットについては、関節リウマチでも述べましたが、基本的には、細菌感染する可能性がある、長い年月の中で磨耗しやすく、寿命がある、接合部がゆるむことがあり、骨に負担がかかる、脱臼しやすいなどがあります。

人工関節の手術自体は、すべての必ず行うものではなく、日常生活で、ひじが痛いせいで、かなり支障がある場合に関節の機能を取り戻すために行います。いずれにしてもひじが痛い症状が進行する前に、早めの受診をおすすめします。

 

肘部管症候群

加齢にともなう変形や、骨折の後など、ひじの内側で神経が慢性的に圧迫され、ひっぱられることによって起こります。症状は、麻痺の進行によって異なります。小指と薬指の一部にしびれが起こります。小指や薬指のしびれ以外にも、ひじの内側を叩くと、痛い感覚があります。麻痺が進行すると手の筋肉がやせ、指の変形がおきます。手の筋肉が衰えることによって、手の握力が弱くなり、箸がもてなくなるなど、日常生活での細かい作業が難しくなります。

検査は、頚椎の障害との鑑別をするため、ひじより上の部分、首の痛みや肩こりがあるかどうかを確認します。そのほか画像検査やMRI、超音波検査を行い、原因を調べます。

肘部管症候群の治療法

初期でしびれや痛みが軽い場合は、安静にして、鎮痛剤やビタミンB剤を内服します。

これらの保存療法で効果がみられない場合は、手術を行います。手術は靭帯を切って神経の圧迫を取り除きます。骨を削って神経を移動させ、神経麻痺を改善させる方法を治すこともあります。またひじの変形がある場合は、変形を手術でなおす場合もあります。どの手術も大体、術後1週間程度はひじを固定する必要があります。一般に気がつくのが早いほど、回復が見込めるため、無理をする前に早めに整形外科でみてもらいましょう。

 

ひじを痛めないために日常生活で気をつけること

ひじが痛いのは基本的に使いすぎることが原因です。重い荷物を持つ、過度なスポーツをする人以外にも、パソコンやスマホを使うことが多い人は、無理をする前にひじを休ませてあげることが重要です。ひじが痛い場合は、とりあえず安静にするように意識しましょう。

また、安静にするあまり動かさないでずっと固定して少しも動かさないようにするのもひじにとってよくありません。気持ちいいと感じる範囲での軽いストレッチも有効です。手のひらを下に、腕を肩の高さに伸ばして、手首を90度に下に曲げます。手のひらは体の方を向いています。今度は手のひらを上にして、同様に手首を下に曲げます。手の甲が体側を向いています。ひじから手首の筋肉が伸びる感じがします。また片方の手を使って、反対の手の指を1本ずつ回す、手首を回すのも効果的です。

もし突然、ひじが痛くなったときは、炎症を起こしている可能性があるため、冷やしましょう。温めると逆効果になってしまうため気をつけてください。逆に、慢性的な痛みがある場合は、温めてひじが痛いのが和らぐか様子をみてみましょう。いずれにしても自己判断はせず、整形外科を受診しましょう。

 

 

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