尿糖あり(陽性)とでたら必ず糖尿病なの?

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尿糖あり(陽性)とでたら必ず糖尿病なの?

健康診断による尿検査に、「尿糖」という項目があることをご存知でしょうか。

「尿に糖がまじってきたら糖尿病」とイメージする方が多いと思います。もしくはもっと詳しい方は、糖尿病の診断には血糖値とHbA1c(過去1~3ヶ月の血糖平均値)の値で十分だし、尿糖とはなんのためにあるのか、と思う方もいらっしゃると思いますが、尿糖は糖尿病だけではなく他の病気の発見にもつながります。

今回は尿糖について、尿糖を測定する意義、病気の可能性などについて詳しく説明していきます。

 

尿糖はなぜ測るのか

尿糖とは、血液中のブドウ糖が尿の中に漏れ出したものです。通常、尿中にブドウ糖が混じるのはごくわずかな量です。なぜならブドウ糖は体に必要なエネルギーを生み出す上で欠かせない材料であり、細胞内に取り込まれるからです。必要以上のブドウ糖は貯蓄され、残りは腎臓で再吸収されて体の中で利用されます。

ブドウ糖は最終的に二酸化炭素と水に代謝されて外に排泄されます。しかし、尿中にブドウ糖が漏れ出る場合、血中のブドウ糖そのものが多い糖尿病、腎臓のろ過機能が低下している腎臓疾患、その他の体の中の異常が疑われます。

このように尿糖検査は、糖尿病はもちろんですが、腎機能に異常がないかを検査するものとして測定されているのです。

 

尿糖の測定方法について

尿糖の測定方法には「定性検査」と「定量検査」の2つの検査方法が存在します。

定性検査では、特殊な試験紙を尿につけてその変色具合から尿糖のあり・なしを判断することができます。さらに尿糖ありの場合は、色調表と照らし合わせることで尿糖の大まかな濃度を知ることもできます。尿糖の定性検査は、一般的な検査項目とは異なり自分でも簡単に測定することができます。定量検査では、1日の尿を採取し、その中にどれだけの糖が含まれているかを測定します。一般的に、定性検査で異常が見られた場合に定量検査で細かく検査します。

尿糖の検査は、血糖値のように食事の影響は受けません。ただし測定のタイミングによって具体的に体内の血糖コントロール状態がわかります。

 

尿糖基準値

尿糖の基準値は以下の通りです。

  • 定性検査:陰性(-)
  • 定量検査:1日1g以下

陰性(-)の場合、尿糖は0~50 mg/dL未満です。陽性が疑われる疑陽性(±)の場合、50~100 mg/dL未満です。陽性(+)だと100~200 mg/dL未満、陽性(2+)だと、200 mg/dL以上です。

尿糖検査で基準値から外れる結果が出た場合、まずは糖尿病の可能性を疑います。尿糖の結果と共に、血糖値、HbA1cのデータも照らし合わせましょう。

 

「尿糖なし=糖尿病ではない」は間違い

尿糖検査の結果異常がなかったからといって「糖尿病ではない」と安心してはいけません。実は糖尿病予備軍(糖尿病になりかけている人)や初期の糖尿病患者では尿糖は陰性を示します。つまり、尿糖ありの結果が出た場合、既に糖尿病は進行している可能性が考えられます。具体的に、尿糖ありになった場合、空腹時血糖は150mg/dL以上(正常値:126mg/dL以上)、HbA1cは7.0%以上(正常値:5.5%以下)に達していることが多いと言われています。

尿糖なしでも、血糖値やHbA1cに異常が見られている場合は、早めに治療と生活習慣の改善を開始しなければ糖尿病は進行していきます。特に糖尿病が恐ろしいと言われる理由は、3大合併症を併発するリスクが高いからです。3大合併症には、失明を引き起こす可能性のある「糖尿病性網膜症」、人工透析や腎臓移植が必要となる「糖尿病性腎症」、痛みを伴う「糖尿病性末梢神経障害」があります。

これらの3大合併症の発症を未然に防ぐためにも、尿糖だけの結果で糖尿病の有無を判断してはいけません。

 

尿糖ありの場合に疑われる病気

尿糖ありで、一番に疑われるのが糖尿病です。糖尿病は「インスリンの分泌が足りないあるいはインスリンの効き目が悪いことによって血糖値が高い状態になっている」ことにより引き起こされる病気です。インスリンは、すい臓でつくりだされているホルモンです。食事によって血糖値が上がると、すい臓からインスリンが分泌され、血中のブドウ糖を取り込み、エネルギーに換えたり、貯蔵したり、タンパク質の合成や細胞の増殖に利用されたりします。このように、インスリンが上昇した血糖値を下げて、血糖値を一定量に保つ重要な働きをしているのです。インスリンの分泌が減少したり、インスリンの効果が落ちたりすると血糖値が上がり、尿中に糖が出るようになってしまいます。

前述した通り、尿糖ありでは糖尿病以外の病気の可能性もあります。尿糖の異常で疑われる疾患として、膵臓疾患、腎臓疾患、ホルモン異常、妊娠中毒症などが挙げられます。

膵臓疾患では、急性膵炎や慢性膵炎によりすい臓自体の機能が低下し、それがインスリンの働きにも影響している可能性があります。

腎臓疾患では、腎臓の主な役割である「血液のろ過機能」が低下し、ブドウ糖が漏れ出てしまっている可能性があります。慢性腎不全などの病気の可能性があります。

ホルモン異常では、バセドウ病やクッシング症候群が疑われます。バセドウ病は甲状腺ホルモンの過剰放出によって甲状腺腫や眼球突出、動悸といった症状が起こる病気です。甲状腺ホルモンは体の新陳代謝を高めるホルモンです。甲状腺ホルモンによって食事の吸収も良くなるため食後の血糖値が上昇し、尿糖が陽性を示すことがあります。

クッシング症候群は副腎皮質ホルモンの1つである糖質コルチコイドという物質が体内で過剰分泌される病気です。糖質コルチコイドは血糖値を上昇させるホルモンなので、クッシング症候群の患者は高血糖を示します。よって尿検査でも尿糖ありの結果がでます。

上記にあげたのは主な疾患だけですが、尿糖ありという結果がでた場合は、様々な病気の可能性があります。可能性の高い糖尿病、内分泌疾患を診断してもらうために、糖尿病内科あるいは内分泌代謝内科を受診しましょう。

 

まとめ

もともと糖尿病という名前の由来は、「尿に糖が混じっている」ということから来ています。17世紀にイギリスの医師が患者の尿をなめて甘いことがわかり、糖尿病を発見したといわれています。

このように、昔から尿糖は重要とされていたようですが、現代でも糖尿病を診断する上で非常に簡易にできる検査項目として尿糖は健康診断などでは必須項目となっています。

しかし、尿糖ありだからといって必ず糖尿病ではなく、腎疾患、膵臓疾患、ホルモン異常などの他の病気の可能性もあることを覚えておいてください。さらに、尿糖なしの結果でも糖尿病ではないと思いこまないようにしてください。尿糖、血糖値、HbA1cのデータを併せて判断してもらいましょう。

 

 

 

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