インフルエンザの薬は種類がどんどん増えています!

インフルエンザの薬は種類がどんどん増えています!

インフルエンザの治療薬にはどんな種類があるの?

インフルエンザの治療薬には、インフルエンザウィルスを抑える抗インフルエンザウィルス薬と、発熱などの症状を緩和する目的で使われる解熱鎮痛薬があります。

 

5種類の抗インフルエンザウィルス薬

インフルエンザウィルスに直接作用して、これを攻撃する薬剤です。現在、我が国で承認され市販されている抗インフルエンザウィルス薬は5種類あります。

抗インフルエンザウィルス薬は、薬の作用の仕方から2種類にわけることができます。ひとつは、インフルエンザウィルスが、感染した細胞から別の細胞に感染する時にかかせない酵素の作用を妨害する薬です。この薬には、タミフル・リレンザ・イナビル・ラピアクタがあります。インフルエンザウイルスはA型、B型があるのですが、もうひとつの薬は、A型のインフルエンザウィルスのタンパク質に作用し、ウィルスを抑える働きを示す薬です。こちらには、シンメトレルという薬があります。なお、この薬はインフルエンザウイルスB型には効かない性質があります。

・タミフル

飲み薬タイプの抗ウィルス薬です。成人/小児共に使うことが出来ます。インフルエンザウィルスA型/B型ともに有効です。タミフル耐性インフルエンザウィルスが発生しやすい可能性が指摘されており、使用時には注意が必要です。

・シンメトレル

飲み薬タイプの抗ウィルス薬です。もともとはパーキンソン病の治療薬として使われていましたが、インフルエンザウィルスにも効果が認められ、インフルエンザ治療にも使われるようになりました。成人にのみ使用出来ます。また、インフルエンザウィルスA型にのみ有効です。

・リレンザ

吸入薬タイプの抗ウィルス薬です。成人/小児共に使うことが出来ます。インフルエンザウィルスA型/B型ともに有効です。副作用がほとんどないのが特徴です。

・イナビル

吸入薬タイプの抗ウィルス薬です。成人/小児共に使うことが出来ます。インフルエンザウィルスA型/B型ともに有効です。1回吸入するだけで十分なので、利便性が良いのが特徴です。ただし、予防目的の使用の場合は、1日1回、2日間使用することが求められています。

・ラピアクタ

唯一の注射薬タイプの抗ウィルス薬です。成人/小児共に使うことが出来ます。インフルエンザウィルスA型/B型ともに有効です。

以上が5種類の抗インフルエンザウィルス薬です。

なお、抗インフルエンザウィルス薬には、実はもう1種類あります。商品名アビガンとよばれる薬です。これは、ほかの抗インフルエンザウィルス薬とは全く異なる方法で、インフルエンザウィルスを叩いてくれます。そのため、一般の使用が禁止され、国家備蓄用とされています。インフルエンザの大規模流行(パンデミック)発生時までは、一般に流通させないことが定められた、いわばインフルエンザパンデミック時の最後の砦ともいえる薬です。

解熱鎮痛薬

商品名がカロナールとよばれるアセトアミノフェンに分類される非ステイロイド性抗炎症薬が一般的です。カロナールは飲み薬タイプが多いですが、粉末やシロップ、坐薬タイプもあります。その他、坐薬しかありませんがアルピニーやアンヒバという名称のアセトアミノフェンも市販されています。

 

インフルエンザの治療薬には、どんな効果があるの?

抗インフルエンザウィルス薬には、ウィルスの増殖を抑えてくれる効果があります。抗菌剤は、直接細菌をたたいてくれますが、抗ウィルス薬は、そうした作用がありません。あくまでも、ウィルスが増えるのを抑えてくれるだけです。しかし、この作用により、発熱の期間を短くしたり、症状を楽にしたりすることが期待出来ますので、十分な効果があります。

一方、解熱鎮痛薬は、ウィルスを抑える効果はありません。インフルエンザにかかることによる発熱や、全身の痛みなどの症状をとるのが目的です。このような薬のことを対処療法薬といいます。

 

インフルエンザの治療薬はどうやって使うの?

インフルエンザの治療薬の主力である抗インフルエンザウィルス薬は、各製剤によって使用方法が異なります。

飲み薬の場合は、水で飲むようにしてください。添付文書上には飲む時間について、食前や食後の規定はありませんが、飲む時間は揃えている方がいいです。そして、初日はもらったらすぐに飲みましょう。1日1回の場合は、翌日からは朝食後に飲みます。1日2回の場合は、投与間隔の指示はありませんが、初日は昼夕、もしくはもらったのが夕方なら夕のみ、2日目以降は、朝夕の間隔で飲んでください。

吸入薬の場合は、吸入する時間に食前や食後の規定はありません。イナビルは1回の吸入で終わりなので、もらったらすぐに吸入しましょう。リレンザは、初日は昼夕、もしくはもらったのが夕方なら夕のみ、2日目以降は、朝夕の間隔で吸入してください。投与間隔は、添付文書上には制限はありませんが、アメリカの場合は2時間以上あけるようにという指示があります。

そして予防投与の場合は、投与日数が治療目的の場合とは異なりますので注意してください。

・タミフル

タミフルには、カプセルとドライシロップがあります。

カプセル製剤は、大人・子供(体重37.5kg以上に限る)ともに1カプセルを1日2回、5日間飲みます。予防投与の場合は、1日1回で大人は7〜10日間、子供は10日間使用します。

ドライシロップ製剤は、大人・幼小児ともに、1日2回、5日間飲みます。予防投与の場合は、大人は1日1回で7〜10日間、幼小児は1日1回10日間使用します。

・シンメトレル

錠剤と粉薬があります。大人の場合、1日100mgを1〜2回に分けて、最長1週間飲みます。何回に分けるかは、主治医の先生が判断します。子供の場合は、1〜9歳未満は、体重1kgあたり1日5mgを2回に分けて飲みます。9歳以上の場合、体重40kg未満は1日、体重1kgあたり5mgを2回に分けて飲みます。体重40kg以上であれば大人と同様です。

・リレンザ

吸入薬のみです。大人・子供ともに1回10mgを1日2回、5日間吸入します。予防投与の場合は、1回10mgを1日1回、10日間使用します。

・イナビル

吸入薬のみです。大人の場合、1回40mgを1回吸入します。子供の場合、10歳未満は1回20mgを1回吸入、10歳以上であれば大人と同様、1回40mgを1回吸入します。予防投与の場合は、1日1回20mgを2日間吸入します。

・ラピアクタ

点滴により血管に注射する注射薬のみです。体の状態が悪い時や、飲み薬を飲めない場合などに使われます。大人の場合、1回300mgを15分以上かけて点滴で血管内にいれます。重症化が予想される場合は、1日1回600mgを症状に応じて連日繰り返して投与します。子供の場合は、体重1kgあたり10mgを15分以上かけて点滴で血管内にいれます。こちらも症状に応じて、連日繰り返して投与することがあります。

 

解熱鎮痛薬は、症状に応じて使用します。投与量は、体重により算出され、使用間隔は6時間以上となっています。

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インフルエンザの治療薬は症状が治まってきたら、最後まで飲まなくても良い?

一般的に風邪の時に出される薬は、症状が治まったら飲まなくてもいいといわれることがあります。しかし、抗インフルエンザウィルス薬はそうではありません。

インフルエンザは、風邪と比べるとその症状はとても強いのが特徴です。例えば、発熱すると40℃近くまで上がりますし、咳や鼻水もよりつらいです。全身的なだるさや痛みもより激しくなります。そこで、治療薬として抗インフルエンザウィルス薬を使い、インフルエンザウィルスが増殖しにくくなるようにします。そうすることで、抗インフルエンザウィルス薬を使わない場合と比べて、発熱の期間を短縮し、だるさや身体の節々の痛み、咳などの症状を軽くします。

しかし、熱が下がったり、だるさや咳などの症状が落ち着いても、その時点では、また身体の中にインフルエンザウィルスが残っており、その感染力を維持したままであることが多いのが実情です。そのために、途中で抗インフルエンザウィルス薬を飲むことをやめてしまうと、再びインフルエンザウィルスが増えてきて症状が再発したり、他の人に感染させたりする可能性が生まれます。また、抗インフルエンザウィルス薬が効かなくなる耐性ウィルスが発現するリスクもでてきます。耐性インフルエンザウィルスが発生すると、それまでの抗インフルエンザウィルス薬が効かなくなりますので、非常に困った状態になります。ですから、医師から処方された治療薬である抗インフルエンザウィルス薬は、最後まできっちり用法用量を守って飲むようにしましょう。

 

インフルエンザの治療薬が異常行動の原因になることはない

インフルエンザウィルスに感染した子どもに異常行動が認められ、それが問題になりました。インフルエンザの治療薬との因果関係を指摘されたこともありました。そこで厚生労働省により2014年と2015年にかけて「インフルエンザ罹患に伴う異常行動研究」が行なわれ、結果報告がまとめられました。

この調査は、”全ての医療機関”を対象にして行なわれ、報告は”インフルエンザ様疾患と診断され、かつ重度の異常な行動を示した患者”が対象とされました。この場合の”異常な行動”とは、”飛び降り、急に走り出すなど、制止しなければ生命に影響が及ぶ可能性のある行動”と定義づけられました。

インフルエンザの治療状況は、薬剤の服用状況を”タミフル服用”群と、”その他の抗インフルエンザウィルス薬、アセトアミノフェン等の服用”群に分け、分析期間を2009年2010年2012年2013年でまとめたグループと2014年2015年でまとめたグループに分けて異常な行動の発現状況を分析しています。

結果は、異常な行動の発現に関して、抗インフルエンザウィルス薬の種類や使用の有無との関係に、特定の関係を見いだすことは出来ませんでした。インフルエンザに感染したときの異常行動については、抗インフルエンザウィルス薬の処方の有無にかかわらず、注意喚起するようにとまとめています。

 

この研究結果から、異常な行動の発現は、インフルエンザの治療を行なっていない人や、治療開始前の段階でも発現していることから、治療薬が問題とは考えにくいです。そのために、異常な行動はインフルエンザウィルスそのものによりおこったのではないかという考えが、専門家の間では主流となっています。

 

インフルエンザにかかったときの異常な行動に関する最新の研究について

現在、インフルエンザにかかった時に発現する異常な行動や発現に関する研究がおこなわれています。最新の研究では、インフルエンザ罹患時の異常な行動や発言が、CTPⅡ熱不安定遺伝子という特定の遺伝子をもつ子どもによく発現しているということから、この遺伝子が発現に関与している可能性が指摘されています。CTPⅡとは、脳や肺の血管の細胞に関わる血液中に含まれる酵素のことです。この酵素がインフルエンザによる高熱によりうまく機能しなくなり、脳が腫れてしまうことで、異常な行動を誘発するという理論です。発熱開始から解熱まで時間が長くかかった場合に多く異常な行動が見られることからも、この理論が裏付けられるとされています。

 

 

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