排尿時(おしっこする時)に痛い!なんか感染したのかな!?

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[投稿日] '16/11/26 [最終更新日] '18/03/18 771views
排尿時(おしっこする時)に痛い!なんか感染したのかな!?

「トイレに行く」という行為は毎日の生活の中に当たり前に組み込まれています。排尿時に少し痛いだけでも不快感が続いたり不安になったり、日常生活に支障をきたした経験がある方も多いのではないでしょうか。わずかな違和感でも、放置すると症状がどんどん進行してしまうこともあります。今回は、排尿時に痛いと感じる病気について原因や症状を解説し、検査法や対処法をご紹介していきます。

 

排尿時に痛い原因としてはどういう病気が考えられるか

膀胱炎

膀胱炎の原因のほとんどは尿道から侵入した細菌による感染症です。女性では尿道が短く、また尿道の開口部が膣や肛門と近いため、男性と比べると発症しやすいことが知られています。原因の多くは肛門周辺や腸内に常在している大腸菌です。大腸菌は非常に感染力が弱いため、通常感染症を発症させることはありませんが、疲労やストレスなどで免疫力が落ちている場合や、性行為後にシャワーを浴びずに不潔な状態を続けてしまった場合、トイレを長時間我慢した場合などでは、菌が繁殖してしまいます。また、膣と尿道の位置が近いため、性感染症によって膣に細菌感染が起こった場合にも膀胱炎が生じることがあります。症状としては排尿時に痛い、尿が濁る、頻尿、残尿感、血尿などがみられます。膀胱に溜まった尿を出し切る際に膀胱周辺の筋肉が収縮するため、痛みや出血は排尿の終わりにかけてみられることも特徴です。細菌感染が膀胱から尿管へと上行し、腎臓まで達すると高熱や腰痛を伴う腎盂腎炎に移行します。

尿道炎

尿道炎の原因のほとんどは性行為による細菌感染で、主な原因菌はクラミジアや淋菌です。男性は尿道の入り口から膀胱までをつないでいる尿道が長いため、膀胱炎はほとんど起こりません。その代わり、その長い尿道内で炎症が起こり、尿道炎となります。クラミジアによる尿道炎では、自覚症状に乏しく、無症状のこともありますが、人によっては尿道のかゆみや発赤、排尿時に痛いと感じることもあります。一方、淋菌による尿道炎では症状が現れやすく、尿道の発赤や腫れ、排尿時に痛いという症状に加え、尿道からどろっとした膿が排泄されます。

前立腺炎

前立腺とは膀胱の下にある男性生殖器で、その中を尿道が貫いています。尿道から細菌が侵入し、前立腺まで炎症が及ぶと、排尿時に痛い、頻尿、残尿感に加え、高熱がみられます。炎症によって前立腺が腫れると、その中を通っている尿道が圧迫されて塞がってしまうことで、尿が出づらい、途中で止まってしまうなど、前立腺肥大症に似たような排尿困難症状もみられます。

尿路結石

尿路結石とは、腎臓から尿道、膀胱、尿道までの尿路内に石が作られてしまうもので、男性に多い病気です。尿は腎臓で血液をろ過して作られるものであり、結石の原因になるようなシュウ酸、尿酸などを多く含む食事の習慣がある場合や、水分不足によってそれらの成分の濃度が上がってしまった場合に結石が作られます。また、前立腺肥大症などで尿の流れが滞っている場合や、尿路に感染症のある場合にも結石が作られやすいといわれています。症状としては、結石が尿路内で動く際に生じる激痛です。痛みのあまり、吐き気や嘔吐を伴うこともあります。腎臓や尿管内に結石がある場合、背中や腰にも痛みが現れます。その他、排尿時にも痛いと感じ、結石によって尿路が傷つけば血尿もみられるようになります。

尿道がん

尿道がんは稀な病気ですが、長期間尿道内に結石があったり、尿路の感染症を繰り返すなどして、尿道に継続的に刺激が加わることで発症します。症状は、頻尿、血尿、排尿時に痛い、膿の分泌に加え、尿道内に腫瘤ができて尿の通り道が塞がれることで、尿が出づらいなどの排尿困難症状もみられます。

尿道狭窄症

怪我や炎症、または尿道へのカテーテルや内視鏡の挿入によって尿道内に傷がつくことをきっかけに尿道が狭くなってしまう状態です。手足を怪我した際、治るときに周りの皮膚をひきつれて硬くなるのと同じように、尿道内の粘膜にひきつれが起こり、内腔が狭くなってしまいます。症状としては、排尿時に痛いことに加え、排尿困難や尿が出づらく溜まりやすいために尿路感染症を併発することも珍しくありません。

 

排尿時に痛いときに病院を受診する目安

発熱がある

尿道炎や膀胱炎では、比較的炎症が狭い範囲のため、通常発熱はみられません。排尿時に痛い、頻尿などの症状に加えて発熱がある場合、腎盂腎炎や前立腺炎など、感染症が進行していると考えられます。特に腎臓は、身体の中の不要な物質を尿として排泄し、必要な物質は再吸収するという重要な働きがあり、炎症が慢性化してしまう前に治療することが重要です。

尿が濁る、膿が出る

尿が濁ったり膿が出るというときには、尿路に感染が起こっている証拠です。侵入した細菌に対し、免疫細胞が働くと、戦った残骸が尿に混じることで、白く濁ったり、膿が出るなどの症状が現れます。膿が出続けることでトイレに頻繁に行くなど生活に支障をきたす他、下着が不潔になることでさらに感染症を悪化させる原因にもなります。

排尿時 痛み

排尿時に痛い原因を調べるのにどういう検査をするか

尿検査

尿を顕微鏡で観察し、通常の尿ではみられないはずの赤血球、白血球、細菌などを見つけることで、尿路の異常を指摘します。肉眼的には血尿がみられていなくても、尿中に赤血球が混ざっていることもあります。また、赤血球の変形を見ることで、炎症が腎臓まで及んでいるかどうかを判断することもできます。また、尿中からがん細胞が検出されれば、尿路内のがんを見つける手がかりになります。

血液検査

血液検査では白血球やCRPなどの検査値から炎症反応の程度や腎臓の障害の有無やその程度を知ることができます。また、血液中の抗体を調べることで、感染症の原因となっている病原体を特定することも可能です。抗体とは免疫細胞が働く際に使用する目印のようなものです。病原体1つ1つに対し異なる抗体が作られるため、どの種類の抗体が検出されるかを調べることで、病原体を特定し、その病原体に合わせた治療が可能になります。また、がん細胞からはそのがん特有の腫瘍マーカーが分泌されるため、その値を測定することでがんの有無や悪性度を知ることもできます。

画像検査

尿路結石の多くはX線検査で白くうつるカルシウムを含んでいるため、X線撮影によってどのあたりにどのくらいの大きさの結石が作られているのかを見つけることができます。超音波検査は、超音波の反射を画像化することで身体の内側の構造を見ることのできる検査です。結石の有無の他、尿の通り道を映し出すことで、狭窄や炎症、腫瘤などをみつけることができます。X線検査や超音波検査で異常がみられた場合、身体を輪切りにした画像が得られるCT/MRI検査を行って、病変をより詳しく調べます。

 

排尿時に痛いときに自分でできる対処法

痛いと感じると、ついトイレを我慢してしまいたくなりますが、早く治すためにはむしろ頻繁にトイレに行った方が良いのです。尿をすることは、尿路に定着しようとしている細菌を洗い流す効果があります。細菌はその場に留まる時間が長いほど繁殖し、悪さをしていくものなので、尿を出して細菌を少しでも排泄させることがポイントです。我慢できないほど痛い場合は、市販されている消炎鎮痛剤などを服用しながら、たくさん水を飲んで、たくさんトイレにいくようにしましょう。

もちろん、病院で原因をきちんと検査してもらうことも忘れないようにしましょう。

 

排尿時に痛くならないようにするには

冒頭にも述べましたが、排尿時に痛いと感じる原因のほとんどは尿路の感染症によるものです。尿路感染を起こさないためには、細菌が繁殖しないよう環境を整える、そもそも細菌を侵入させないということが重要です。

不潔な下着は身につけない、性行為後はすぐにシャワーを浴びる習慣をつけるなど、不潔な状態を維持しないよう心がけましょう。また、特に女性では尿道と肛門の距離が近いことが感染の原因にもなっているので、トイレットペーパーで拭う際は手前から奥と一方向に拭くよう注意し、肛門周辺の細菌を尿道へと運んでしまわないよう気をつけましょう。

また、免疫力が低下していると、細菌が繁殖しやすくなり、感染力もあがります。疲労やストレスはこまめに解消し、睡眠時間をしっかり確保する、入浴で身体の疲れを癒すなど、リラックスすることも大切なポイントです。

細菌を侵入させないためには、清潔を保つことに加え、性行為中のコンドームの着用も重要です。性感染症では尿路感染だけでなく、精巣や膣、子宮に炎症が起こった場合には不妊の原因にもなることを理解し、十分注意するようにしましょう。

 

 

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