テレビドラマの手術で絶対でてくる心電図だけど、あれでどんな異常がわかるの?

テレビドラマの手術で絶対でてくる心電図だけど、あれでどんな異常がわかるの?

就職時の健康診断や職場の定期健康診断、献血でも成分献血を40歳以降にする場合など、心電図の検査は様々な機会に行う検査となります。日常、特に自覚症状もなく健康だと思って過ごしていたのに、健康診断の心電図で異常を指摘されたら驚きますよね。

そこで、心電図とは何か、心電図で異常を指摘された場合にどういったことが考えられるかまとめてみました。

 

まずは心臓について

心臓は、全身の血液の流れの中心的存在です。左右の肺に挟まれて、少し左側に偏って存在しています。そのサイズは、握りこぶしの大きさほどで、成人で約300gの重さを持っています。心臓の主な役割は、全身に必要とされる血液を大動脈に向かって送り出す、いわばポンプのようなものです。そのポンプ作用を問題なく果たすために、心臓は心筋・冠動脈・弁・刺激伝導系といった4つの基本構造から成り立っています。

  • 心筋:心臓の筋肉のことで、収縮と拡張を繰り返すことで血液を送り出すポンプ作用を担っています。心筋が心臓の周りの壁を形作っていて、心筋の表面は心膜とよばれる薄い膜で覆われています。心臓の内部の壁も心筋の一部で、心室中隔・心房中隔という壁と、房室弁という扉により右心房、右心室、左心房、左心室という4つの部屋に分かれた作りとなっています。
  • 冠動脈:心筋も動くためには酸素や栄養が必要です。そこで、心筋に酸素や栄養を供給するために存在している心臓の動脈が冠動脈です。これがないと心筋は機能出来ません。冠動脈は、大動脈の始まる所から左右冠動脈に分かれて走っています。
  • 弁:心臓の中で血液が逆流すると、血液を全身に送ることが出来なくなります。そこで、血液の逆流を防止するために逆流防止弁が付いています。心臓の中に4箇所あります。右心房と右心室の間には三尖弁、左心房と左心室の間には僧帽弁、右心室と肺動脈の間には肺動脈弁、左心室と大動脈の間には大動脈弁という扉がそれぞれ存在していて、これらの間の流れが一方通行となるよう調整されています。
  • 刺激伝導系:心筋は、それぞれがバラバラに動いた場合、血液を送り出すポンプ機能を果たせなくなるため、電気の刺激によって心筋が順序よく働くようになっています。刺激伝導系とは、この電気的な刺激の伝わっていく道筋のことをいい、洞結節、房室伝導を司る房室結節、房室(ヒス)束、左脚、右脚から構成されています。心筋は、この刺激伝導系を通して受ける電気的刺激により、順番に収縮を行ないます。この働きにより、血液を全身に送り出すことが出来るようになっています。洞結節は心臓全体のペースメーカーの働きをしているともいえます。

 

心電図って何?

心電図とは、心臓の動きに伴う電気的な心筋の興奮の変化を時間を追って、目に見えるようにグラフに記録したもののことです。波形は、縦軸を電圧、横軸を時間として記録しています。波形の山は均一ではなく、順を追ってP、Q、R、S、T、U波と名付けられています(下記の図を参照)。P波は心臓の興奮開始を、QRS波は心室筋の興奮を、T波は心室筋の興奮が元に戻る過程を表しています。このことから、心電図とは刺激伝導系をグラフにあらわしたものとなり、心電図に異常が指摘された場合は、この刺激伝導系の一部が障害されていることを意味しています。

心電図は心臓の病気の診断を行なう上で大変有用となります。

心電図

 

心電図で異常を指摘されたらどこに行けばいいの?

心電図で異常が指摘されたとしても、それが心臓の病気と直結するというわけではありません。しかし、実際に心臓の病気が隠れていることがありますので、必ず病院やクリニックで心臓の病気があるかどうかを調べてもらわなければなりません。

では、その場合にどの診療科にかかれば良いのでしょうか?それは、内科です。より詳細にいえば循環器内科や循環器科は、心臓や血管系を専門的に診ている診療科なのでお勧めです。

心電図異常

心電図で異常が指摘された時に考えられる病気について

心電図に異常が認められた場合、心臓に起因することがほとんどです。代表的な病気が不整脈・狭心症・心筋梗塞です。また、心臓以外に原因がある場合は、電解質の異常が考えられます。

不整脈

不整脈とは、心拍数やそのリズムが一定でない状態のことをいいます。不整脈の症状は、動悸やめまい、しっしんや息切れ、胸の痛みなどです。治療としては、薬物治療もしくは、ペースメーカーや埋め込み型の除細動器(ICD)を入れる手術などです。

狭心症

狭心症とは、心臓に酸素や栄養を供給している冠動脈の血の流れが低下することで、心筋の血液の流れが一時的に悪くなる病気です。狭心症は、労作性狭心症と安静時狭心症に分けられます。前者は、階段や坂道の上り下りや重いものを持ち上げたときなど、身体に負荷がかかったときのみに発作が起きるタイプの狭心症で、後者は、寝ているときなどの休んでいるときにも狭心症の発作が起こります。後者の方が、より重症となります。心電図上では、ST部分が正常と比べて下がって表されます。ただし、異型狭心症といって、安静時に発作が生じ、ST部分があがるタイプの狭心症もあります。

狭心症の症状は、胸の圧迫感や締め付けられる様な痛みです。落ち着いていれば数分で痛みは消失します。また、ニトログリセリンを使うと1〜2分で痛みが取れるのが特徴です。

狭心症の治療は、薬物治療と外科的治療になります。薬物治療の場合は、亜硝酸剤や血圧降下剤、抗血小板薬を使います。外科的治療ではバイパス手術とステント治療が主流となります。バイパス手術とは狭くなった冠動脈をまたいで、大動脈から狭くなった部分の先の冠動脈に血管をバイパスして繋げる手術です。ステント治療とは、狭くなった冠動脈部分にバルーンとよばれるバネ状の網の筒を入れ、血管を広げる治療法です。

心筋梗塞

心筋梗塞とは、動脈硬化などが原因となり冠動脈の血管の内腔が狭くなったり、もしくは詰まってしまったりすることで、血液が流れなくなり、詰まった部分より先にある心筋が壊死してしまう病気です。心電図上では、ST部分が上がってくるのが特徴です。

心筋梗塞の症状について、その発作時の胸の痛みは15分以上続き、吐気や嘔吐、冷汗などを伴います。このときの胸の痛みは、胸を締め付けられた様な激しい痛みになります。また、心筋梗塞には前駆症状とよばれる発作前の症状があり、30〜50%に狭心痛が心筋梗塞の発症前24時間以内にみられます。狭心症とは異なり、ニトログリセリンを使っても痛みが無くなることはありません。

心筋梗塞は、発作初期は絶対安静が原則です。特に、発作直後は死亡する危険性が高いです。心筋梗塞を疑われる場合は、救急車を直ちに要請する必要があります。発作から2時間経過すると、心筋の壊死が急速に進行します。この時、詰まった冠動脈に再び血液が流れるようにする再灌流療法(さいかんりゅうりょうほう)を行なうと、壊死範囲を小さくすることが出来る場合があります。再灌流療法には、血栓溶解療法(けっせんようかいりょうほう)とカテーテル療法があります。冠動脈を詰めた血の塊のことを血栓といいますが、前者はこれを溶かすことで再び血液が流れるようにする方法です。カテーテル療法は、というカテーテルという細い管を冠動脈まで通し、それによりバルーンとよばれるものを詰まった部分に届けて、冠動脈を広げ血液が再び流れるようにする方法です。その後は、再びつまらないようにステントを留置します。

電解質の異常

心臓でなくても、例えば電解質の異常でも心電図に異常が認められます。電解質とは、ナトリウム、カリウム、クロールやカルシウム、そしてマグネシウムなど体液中に含まれる無機質のことで、一般的にはミネラルとよばれています。電解質は、神経や筋肉が機能する時に欠かせない大切なものです。電解質が多すぎても少なすぎても、身体は正常に機能することが出来なくなります。心電図に大きく影響してくるのは、このうちのカリウムとカルシウムです。

高カリウム血症では、QT間隔が短くなり、T波が上がります。このT波は高カリウム血症で特徴的な症状で、テント状T波といいます。さらに症状が進むとPQの間隔が延長したりしてきます。この場合は、利尿剤などによりカリウムの血液中の濃度を低下させます。そして、QRSが延長しますと、透析療法を検討しなければならなくなります。一方で、低カリウム血症では、STが経過し、次いでT波が低くなってきます。低カリウム血症では、カリウムを補給して、補正する必要があります。

高カルシウム血症では、STが短くなるか消失します。そして、QT間隔が短くなってきます。高カルシウム血症では、利尿剤や生理食塩水を用いて血液中のカルシウム濃度を下げるようにします。低カルシウム血症では、STとQT間隔が延長します。低カルシウム血症に対しては、カルシウム製剤の投与を行ないます。

 

まとめ

心電図の異常が指摘された時、それは心臓に異常があるケース、電解質の異常が認められるケースが考えられます。心臓は、全身に血液を送り出すポンプの役割を果たす大切な臓器です。心臓の病気は、身体全体に酸素と栄養を送る大切な血液の流れに影響を及ぼします。時に、心筋梗塞という心筋が壊死してしまう様な深刻な病気の場合もあります。もし、心電図で異常が指摘されたときは、必ず医師の診察を受けるようにしてください。

 

 

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