インフルエンザで受診するときは早すぎても検査できないし、遅すぎてもお薬が効かないから難しい!

インフルエンザで受診するときは早すぎても検査できないし、遅すぎてもお薬が効かないから難しい!

インフルエンザは、我が国では毎年、秋の終わり頃から始まり、冬にかけて流行し、春頃に収まってきます。予防接種をしたはずなのに、なんだか熱っぽい、しんどい、咳が止まらないなど、いやな症状がでてきたような経験ありませんか?そこで、インフルエンザが流行り始めるこの時期、インフルエンザの特徴やその症状、風邪との違い、予防と治療法などについてまとめてみました。

 

インフルエンザってなに?

インフルエンザは、インフルエンザウイルスに感染することによっておこる病気です。人から人へうつる、いわゆる伝染病です。そのインフルエンザの症状と思われる記録は、古くは、古代エジプト時代から残されています。また、第一次世界大戦のときにスペイン風邪として世界中で猛威を振るったことが知られています。アメリカのデトロイト付近で始まったとされる感染は、瞬く間に世界中に拡大し、最終的な死者数は5000万〜1億人とも言われています。日本も例外ではありませんでした。日本では40万人ほどが亡くなりました。このときの世界的大流行により戦争の終結が早まったともいわれるほどでした。その後も、数年おきに世界的に流行を繰り返しています。なお、世界的な大流行のことをパンデミックといいます。

 

 インフルエンザを予防するには?

インフルエンザは、人から人へと伝播していくウィルス感染症の一種です。感染は、全年齢層に対して起こり、日本では、11月下旬から12月上旬にかけて最初の発生が認められます。そして、その後春頃に収まってくるパターンが多いです。

インフルエンザの感染経路は、飛沫感染です。飛沫感染とは、インフルエンザに感染した人の鼻水や唾液などに含まれたインフルエンザウィルスが、くしゃみや咳を通して、小さな水滴となって、それを他の人が吸い込むことにより広がっていく感染方法のことです。その他にも、感染者の粘液が直接、他人の目や鼻、口に侵入する経路、インフルエンザウイルスが付いたものを手に触れることにより、手から口に侵入する経路があります。冬の時期にインフルエンザが広がりやすいのは、冬は日光が夏と比べて弱いため、飛沫に含まれるインフルエンザウイルスが、より長い間感染力をもち続けることができるからです。

この飛沫感染の予防には、感染者がマスクをつけることが効果的です。インフルエンザウィルス自体の大きさはマスクの目よりも小さいのですが、飛沫感染の際に飛び散るインフルエンザウィルスを含んだ水滴の大きさがマスクの目よりも大きいので、くしゃみや咳をしてもきちんとマスクをしていればそこで遮断されて、他の人にうつりにくくなります。ただし、マスクが万能というわけではありません。手洗いやうがいなどもしっかり行うことが大切です。

 

インフルエンザの症状

インフルエンザは一般的に風邪よりも重篤なのが特徴です。症状の発現も急激で、しかも重いです。インフルエンザは感染してもすぐに症状は現れません。潜伏期間とよばれる症状の現れない期間が1〜5日ほどあり、その後に症状が現れます。そのインフルエンザの症状は、38℃を上回る、場合によっては40℃にも及ぶ高熱、咳、鼻水、だるさ、頭痛、筋肉痛、関節痛などです。インフルエンザに感染しても、そもそも健康で特に大きな病気もない方であれば、栄養管理をしっかり行ない、寝て休んでいれば数日後には改善し、治癒に向かいます。

インフルエンザに特に気をつけなければならない人

しかし高齢者やもともと病気で体力の弱っている方などは、インフルエンザにかかると、肺炎や気管支炎を併発し、より重症化していくこともあります。インフルエンザに感染した後、重症化したり、肺炎などの他の病気を合併するリスクの高い人がいます。例えば、65歳以上の高齢者、呼吸器系の病気、心臓病、糖尿病を持っている、ステロイド剤を使っている、これらに全てでなくても該当する人は、インフルエンザが重症化しやすいため、特に注意が必要です。また、乳幼児においても重症化のリスクがあるとされます。可能な限り、手洗いやうがいを励行し、周囲の方も感染したり感染させたりしないように、気をつけましょう。

風邪とインフルエンザの症状の違いってなに?

一般的に風邪は、年間を通していつでもひきます。対して、インフルエンザは流行に季節性があり、我が国では秋から冬にかけてが多く、春頃に収束するのですが、それ以外の季節に流行することは稀です。
ウイルスに感染してからの潜伏期間にも差があります。インフルエンザの潜伏期間は、普通1〜2日ですが、風邪の場合は5〜6日間あります。
そして、その症状も異なります。風邪の症状は、緩やかに経過することが多く、発熱してもそれほどインフルエンザと違いそれほど高熱になることはありません。たいていが37〜38℃の微熱ですみます。一方インフルエンザは、38℃以上、場合によっては40℃にもなります。風邪も鼻水や鼻づまり、咳などの呼吸器症状も認めますが、これもインフルエンザと比べて比較的軽度です。また、頭痛やだるさ、食欲不振なども風邪でも現れますが、やはりインフルエンザと比べると軽いです。あくまでも風邪の症状の中心は、のどや鼻、咳などの局所の症状となります。インフルエンザは、それだけでなく全身的な症状(食欲不振や頭痛、身体全体のだるさ、筋肉痛など)が主な症状となります。

 

インフルエンザウィルスの種類ってどんなものがあるの?

人間に感染するインフルエンザウィルスには、A型、B型、C型の3種類があります。これらの違いは、ウィルスを構成するたんぱく質にあるわずかな違いによります。この違いが、それぞれのウィルスの性格に影響を及ぼしています。
そのインフルエンザウィルス3種のうち、症状がひどくなりやすい傾向にあるのがA型です。しかも最も突然変異を起こしやすい傾向があり、変異型ウィルスを生み出しやすい特性があります。反対にB型はそうではなく、A型と比べてその多様性には劣ります。稀に、A型とB型を併発することもあります。C型は、A型ともB型とも大きく異なっており、主に5歳以下の子供に感染して鼻水などの鼻風邪の症状が現れます。また、A型やB型と違い、季節性がなく1年中いつでも発生します。そして、一度感染すると免疫は生涯にわたり持続し、二度目の感染はほぼありません。

 

インフルエンザを発症してまもないと陰性の結果がでることも

咳や鼻水、高熱や全身のだるさなど、インフルエンザの症状らしきものが現れた時、本当にインフルエンザに感染しているかどうかを知る必要があります。そのために、インフルエンザウィルスが体内に存在しているかを調べます。それを調べるためには一般的に、インフルエンザ迅速診断キットが使われます。鼻やのどから粘液を採取して、インフルエンザウイルス抗原が含まれていないかを調べます。だいたい15分ほどで結果が出ます。
ところで、このインフルエンザ検査、いつでも受けていいものというわけではありません。迅速診断キットは早く結果が出せる反面、その精度に難があるのが欠点です。そのため、発症直後だと例えインフルエンザであったとしても、陽性反応が出ないことがあるのです。そのため、インフルエンザに感染して症状が現れてから24時間程度たってからでないと正確な結果は出ません。ですから、熱が出たからといってすぐに診察してもらおうと思っても、正しい結果が出ない可能性もあります。

 

インフルエンザの予防接種はいつが効果的?

インフルエンザの予防に効果的なのが、インフルエンザワクチンの接種、いわゆる予防接種です。接種方法は、皮下注射です。アメリカでは鼻から吸い込む噴霧式のものが発売されていますが、日本ではまだ承認されていません。

接種したインフルエンザワクチンの効果が現れてくるのは、その約2週間後といわれており、その後3〜5ヶ月程度効果が持続することが期待できるとされています。ですから、流行期に入ってからより、入る前に接種するといいです。具体的には11月はじめ頃です。
インフルエンザワクチンの接種回数ですが、原則的に13歳未満は2回接種が必要で、その間隔は2〜4週おくことが推奨されています。それ以上の年齢は1回ですが、初めての接種の場合は、2回接種することが必要です。この場合も、2〜4週おきになります。
予防接種の費用は、保険外診療となりますので、受けようと思う医療機関にお問い合わせ下さい。

インフルエンザウイルスのワクチンは、その年々の流行を予測し、作られます。ですから、前年以前のワクチンは使用されません。インフルエンザワクチンは、鳥の卵を使って作られます。日本で製造する場合は、予測されたインフルエンザウイルスの特定の成分のみを取り出して、卵に接種して増殖させ、それを精製することで作られます。

 

インフルエンザの症状が出たら

インフルエンザの症状が現れた時、その治療の基本は、自宅で安静にしてしっかり休息をとることと、十分な睡眠をとること、高熱時の脱水対策としての十分な水分補給になります。
この時の注意点として、人にうつさないためにマスクをつけること、人混みや職場、学校への外出を控えることなどがあります。また、子供の場合、部屋から飛び出そうとしたり、急に走り出したり、といった異常行動を起こす可能性がありますので、自宅で休んでいる時は、症状発現から少なくとも48時間は、目を離さないようにしてください。

抗ウィルス薬を用いた薬物療法

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インフルエンザの症状を良くするためには、抗インフルエンザウィルス薬を飲むことが効果的です。日本国内では、タミフル(飲み薬)、リレンザ(吸入薬)、イナビル(吸入薬)、ラピアクタ(注射薬)が主に使われています。

ところで、抗ウィルス薬は、抗生物質とはまったく異なる作用をもつ薬です。抗生物質は、細菌を殺してくれますが、抗ウィルス薬は、ウィルスを殺してはくれません。あくまでもウィルスの増殖をおさえるのが目的の薬です。ですから、抗インフルエンザウィルス薬もインフルエンザウィルスを殺してはくれません。それが増えてさらに症状が悪化するのを防ぐのが目的となります。それでも、インフルエンザが発症してから早期に飲むことで、飲まない場合と比べて発熱の期間が1〜2日間は短縮出来るといわれています。そして、ウィルスを排出する量も減少しますので、症状も幾分軽くなってきます。ただし、ここに注意点があります。症状が楽になったからといって、身体の中にインフルエンザウィルスがいなくなったというわけではありません。まだ、身体の中には残っており、咳や鼻水を通じて体外に排出されています。また、途中で薬を中断することで、耐性ウィルスといって、抗インフルエンザウィルス薬が効かないタイプのウィルスが増えてしまう原因にもなります。きちんと薬は、最後まで飲みきるようにしてください。そして、飲みきった後も、少なくとも2〜3日間は、自宅で休養してください。

なお、抗インフルエンザ薬をインフルエンザの予防用として使うことも認可されていますが、健康保険は適応外となりますし、幾つかの条件が設定されています。

 

インフルエンザの症状が楽になってきたら職場・学校に行ける?

インフルエンザの症状が現れた場合、感染者がウィルスを排出し、他者に広げていくのは、症状発現の前の日くらいから始まり、症状が落ち着いた後2日目くらいだといわれています。ですから、症状が落ち着いて、楽になってきても2日ほどは自宅で安静にしておく必要があります。

なお、学校保健安全法では、「発症した後5日を経過し、かつ解熱した2日(幼児にあっては3日)を経過するまで」の間、出席してはならないと定められています。症状が良くなってきたからといって、すぐに学校に行っていいというわけではありません。症状がおさまり、2日くらいたったら一度医師に診てもらい、出席してもよいか確認するのがよいでしょう。

 

 

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