インフルエンザの予防接種って受けた方がいいの?どれぐらい効くの?

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インフルエンザの予防接種って受けた方がいいの?どれぐらい効くの?

インフルエンザの予防接種の効果は?

インフルエンザの予防接種による有効率は60%といわれています。有効率とは「予防接種を受けた場合、予防接種を受けなかった場合と比べてどれだけ感染を防げるか」という意味を表す言葉です。直感的な有効率の意味合いとは違うかもしれませんので、少し具体的に考えてみましょう。

20人のグループを2つ作ったとします。片方の20人には予防接種を行い、もう片方の20人には予防接種を行いませんでした。すると、その冬に流行したインフルエンザで、予防接種を行ったグループでは4人がインフルエンザにかかり、予防接種を行わなかったグループでは10人がインフルエンザにかかりました。このとき、予防接種を受けなかった場合10人感染するはずだったところを、予防接種を受けたことで4人の感染に留めることができたと考え、「10人のうち6人を予防することができた」と解釈します。これが「有効率60%」です。

少し複雑ですが、「100人予防接種を受けたら60人に効果があった」とか、「100人予防接種を受けたら60人はインフルエンザにかからなかった」という意味ではないので、注意が必要です。

 

インフルエンザ 予防接種

 

インフルエンザの予防接種は誰が受けられる?

予防接種の対象とならないのは生後6ヶ月未満の乳幼児のみで、それ以外の方は基本的に予防接種を受けることが可能です。乳幼児は免疫力が低いため、予防接種を受けても抗体を獲得する効果はあまり期待できないといわれています。逆にいえば、生後6ヶ月以上であればワクチンの効果が期待できるので、予防接種の対象となります

特に予防接種を強く勧められるのは、特定の持病がある方、インフルエンザの患者さんと接する機会の多い方、集団感染の恐れがある方、65歳以上の方です。喘息、心臓の病気、免疫不全、慢性の腎不全、糖尿病などの持病のある方は、インフルエンザに感染すると悪化するおそれがあります。また、医療関係者や保育園、幼稚園、学校等の先生は、それ以外の職種の方と比べてインフルエンザの患者さんと接する機会が多く、感染してしまう確率が高くなっています。同じ理由で、乳幼児、幼稚園児、小学生などは集団感染の危険があります。高齢の方では、免疫力が低下して、感染症にかかるリスクが高くなっているため、やはり積極的に接種することをおすすめします。

 

インフルエンザの予防接種を受けないほうがよい人

これに対し、予防接種を控えた方がいいといわれているのは、これまでインフルエンザワクチンを接種して、唇やまぶたの腫れ、息切れや失神などの強いアレルギー症状(アナフィラキシー)、けいれんなどが出たことのある方です。また、インフルエンザワクチンの製造過程で鶏の卵を使うため、卵アレルギーのある方では接種できないこともあります。

さらに、心臓や腎臓、肝臓、血液などに持病のある方は、予防接種によって症状が悪化してしまう場合があります。ただし、インフルエンザに感染することでも、持病が悪化する恐れがあり、免疫力の低下している高齢の方(65歳以上)の方では定期接種となっていますが、65歳未満の方の場合、主治医とよく相談し、予防接種を受けるメリットとデメリットについて慎重に判断することが求められます。

 

インフルエンザの予防接種はどこで受けられる?

インフルエンザというと内科のイメージが強いかと思いますが、予防接種であればどこの医療機関でも受けることができます。予防接種を行う資格はすべての医師にありますので、大きな病院であっても近所の開業医であっても、一見関係ないような整形外科、脳神経外科、産婦人科、泌尿器科などでも受けることができます。ただし、すべての医療機関で必ず実施されるものではないので、希望の病院で予防接種を実施しているかどうかは確認が必要です。一般的にはやはり内科のイメージが強いようなので、内科で予約がいっぱいだったり、ワクチンが終わってしまっていたりすることも十分ありえます。その他の診療科の方が、予約に空きがあったり、料金を低く設定している場合もあり、意外と穴場かもしれません。

 

インフルエンザの予防接種に望ましい時期は?

インフルエンザは12月下旬から感染が報告されるようになり、1月から2月にかけての時期に流行のピークを迎えます。その後、徐々に落ち着き、4月頃になると感染者はほとんどみられなくなります。それ以降次の年の12月頃までは、感染者はほぼ0になります。

インフルエンザがなぜこの時期に流行するかというと、インフルエンザウイルスは湿度の影響を受けるためです。ウイルスは、咳やくしゃみなどで空気中にばらまかれると、しばらくの間空気中をただよいます。このウイルスを吸い込んでしまうと、身体の中に侵入、定着して増殖し、インフルエンザにかかってしまうのです。

ここで、「湿度が高い」というのは、空気中に水の分子が多数存在している状態です。この水分子は、空気中をただよっている細菌やウイルスと吸着する効果があります。水分子と結合した病原体は、重さが増すことで空気中に浮かび続けることができなくなり、地面へと落ちていきます。このため、湿度の高い時期にはインフルエンザは流行できません。

インフルエンザウイルスが活発に繁殖する湿度は、およそ20%といわれています。湿度は1月、2月では約30%と最も低く、そこから徐々に高くなり、7月、8月では約70%まで上昇します。その後、また冬に向けて低くなっていきます。

インフルエンザワクチンの効果は接種後2週間~5ヶ月後まで続くことが知られています。湿度が低く乾燥している冬は、インフルエンザウイルスにとって活動しやすい環境であり、冬を迎える前、目安としては11月中に、遅くとも12月までには予防接種を済ませておくとよいでしょう。

 

インフルエンザの予防接種の副作用は?

一般的な薬では、狙った効果以外の反応が身体に現れてしまうことを副作用と呼びますが、ワクチンの場合は「副反応」と呼びます。副反応とは、ワクチンを接種することによって、「免疫を作る」以外の反応が身体に現れてしまうことであり、副作用と大きく意味は変わりませんが、言葉だけ少し異なります。

接種した場所にみられる副反応として、およそ10%の方に赤みや腫れ、痛みなどがあります。この副反応は通常2,3日で治まります。全身にみられる副反応としては、同じようにおよそ10%の方に発熱、頭痛、だるさ、寒気などがみられますが、やはり2,3日で治まります。

 重大な副作用

稀ではありますが、重篤な副作用として、アナフィラキシー、急性散在性脳脊髄炎、ギラン・バレー症候群、肝機能障害などが報告されています。アナフィラキシーとは、強いアレルギー反応のことで、発疹やかゆみ、全身の浮腫(むくみ)、血圧の低下などがみられます。まぶたに浮腫が起こると目が腫れぼったくなり、のどに浮腫が起こると、気道が圧迫されてしまうことで呼吸が苦しくなります。血圧が急激に下がると、脳へ届く血流量が減り、意識障害や失神を引き起こします。アナフィラキシーは通常、接種から30分以内に生じます。

急性散在性脳脊髄炎、ギラン・バレー症候群は予防接種後1,2週間以降に見られる神経の炎症です。脳と脊髄からなる中枢神経が障害されるものが急性散在性脳脊髄炎、そこから枝分かれする末梢神経が障害されるものがギラン・バレー症候群です。急性散在性脳脊髄炎では、発熱や頭痛、嘔吐、倦怠感などがみられ、重症化すると麻痺や痙攣、触覚・温度覚・痛覚などが鈍くなる感覚障害がみられることもあります。これに対し、末梢神経が障害されるギラン・バレー症候群では突然足に力が入らなくなり、徐々に手まで動かなくなっていきます。この他、目や口の筋肉を支配している神経が障害されることで、物が二重に見える、ろれつが回らないなどの症状がみられることもあります。肝機能障害では、肝臓の働きが悪くなる結果、貧血になって立ちくらみ、疲れやすい体質になったり、全身にむくみやかゆみが現れたり、黄疸(おうだん:皮膚や白目が黄色くなる)になることがあります。これらの重篤な副反応がみられた場合、すみやかに医療機関に受診してください。

 

インフルエンザの予防接種による死亡例はある?

毎年約5,000万人がインフルエンザの予防接種を行っていると推定されていますが、このうち年に1~4人に、予防接種と関連した死亡が報告されています。ただし、これらのうち明らかな関連性を指摘できたものはなく、あくまで「可能性を否定できない」というものです。また、死亡例のほとんどが重い持病を持つ高齢の方であったことが分かっています。

持病のある方は、予防接種によって症状が悪化する可能性もあるので、主治医とよく相談し、予防接種を行うかどうかは慎重に考えるようにしましょう。

 

インフルエンザの予防接種によってインフルエンザになる?

インフルエンザの予防接種によってインフルエンザを発症することはありません。これは、インフルエンザには、ウイルスの病原性をなくした「不活化ワクチン」という種類のワクチンを用いるためです。

ワクチンは大きく分類すると「生ワクチン」と「不活化ワクチン」の2種類に分かれます。生ワクチンとは、病原性を出来るだけ弱くした病原体そのものを使う方法です。私たちは、自身の身体の中に異物を見つけると、それを排除するために抗体とよばれる物質を作り出します。この抗体は敵につける目印のようなもので、抗体が病原体と結合すると、免疫細胞がそれを敵と認識して攻撃を始めるのです。作られた抗体の一部は記憶として残り、次にまた同じ病原体が侵入してきたときに素早く攻撃し、感染を防ぎます。これが免疫力です。

生ワクチンでは、弱めた病原体そのものを使うため、免疫力が低ければ病原体と戦う力が足りず、その病原体に感染してしまうことがあります。これに対し、不活化ワクチンは病原体を加熱などで処理して病原性をなくしています。通常、抗体というものは病原体の外見に対して作られるものなので、病原体の形をしていれば、その中身(病原性)がなくても免疫力を強化することができます。

ただし、異物が身体に対して悪影響を与えるものであればあるほど、免疫力が危険を感じて活性化し、よりたくさんの抗体が作られます。このため、生ワクチンでは発症する恐れはあるものの、一度抗体ができてしまえば生涯残るのに対し、不活化ワクチンは発症しない代わりに、免疫力をつけるためには何度も予防接種が必要になります。

 

インフルエンザ 予防接種

 

インフルエンザの予防接種の料金は?

予防接種は任意接種、つまり受けたい方が受けるものであって、通常は保険は効かないものです。この場合、費用は医療機関ごとに任意に設定できるため、施設によって費用が異なります。これは、ワクチンを製造しているメーカーの違いや、医療機関が仕入れた際の価格によって上下するものですが、インフルエンザに対する有効性はどれも変わらないので、出来るだけ安く済ませたい、自宅の近くで受けたいというご自身の希望に合わせて医療機関を選びましょう。やはり料金が安く設定されている施設では在庫がなくなりやすいので、費用を抑えたい方は早めに行動するとよいでしょう。費用は2,000円~5,000円に設定されていますが、平均すると3,400円ほどです。

任意接種に対し、国や自治体の補助を受けて安く受けることができる「定期接種」という制度があります。定期接種とは、対象者に対して国や自治体が接種を勧めている予防接種であり、インフルエンザの場合は「65歳以上の高齢者」または「60歳以上65歳未満の方で、心臓や腎臓、肺に重い持病を持っている方、またはHIV(ヒト免疫不全ウイルス)感染によって免疫機能に高度な障害のある方」が対象になります。対象者は、多くの施設では1,500円ほど、地域によっては無料で受けられるところもあるので、お住まいの自治体で設定されている料金をご確認ください。

また、生活保護を受給されている世帯の方や、市民税非課税の世帯の方では、費用が免除になります。

 

 

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