背中が痛いのは、肩こりだけじゃなくて内臓に異常がある場合が…

背中が痛いのは、肩こりだけじゃなくて内臓に異常がある場合が…

背中が痛い状態が続いている

背中が痛いとき、まず考えられるのは筋肉の凝りですが、背骨にかかる負担が背中の痛みとして現れることも少なくありません。さらに、心臓や胃、十二指腸、肝臓、腎臓などの内臓の不調によって、背中が痛くなることもあります。安静にしても痛みが治まらない場合、思わぬ病気が隠れているかもしれません。ここでは、背中のどの辺りが痛いかによって考えられる病気を解説し、受診の目安や検査法や対処法についてもご紹介していきます。

 

そもそもなぜ背中が痛くなるのか

背中が痛いとき、その原因としては非常に多くの原因が考えられます。最も一般的な原因は、同じ姿勢が続いたり、過度な負担がかかることで生じる筋肉の「凝り」です。筋肉が働くときにはぐっと収縮しますが、その際中を走っている血管は圧迫されている状態です。この状態が続くと、筋肉に届く血液が不足していきます。老廃物の処理を行う血液が不足すると、筋肉には不要な物質が溜まっていき、痛いという症状として現れるようになります。

この他、背骨に変形や骨折があれば骨が周囲の構造を傷つけてしまうことで痛みが生じることもあります。また、内臓に異常がある場合にも背中の痛みがみられることもあります。内臓は腹膜という膜に覆われていますが、内臓に起きた炎症が腹膜を経て背中に到達してしまうことで痛みが生じるものを「体性痛(たいせいつう)」といいます。また、一部の神経では、脳に届くまでの間に合流する場合があります。内臓の感覚を伝える神経と皮膚の感覚を伝える神経が合流して脳に到達すると、脳が内臓の痛みを皮膚の痛みと勘違いしてしまうことによって背中の痛みが生じる場合があり、これを「関連痛(かんれんつう)」といいます。

 

背中が痛い原因としてどういう病気が考えられるか

背中が痛い場合に原因はいろいろありますが、背中のうちどの部分が痛いのかということから、可能性のある病気が異なります。

背中の真ん中が痛い場合

椎間板ヘルニア

背骨は24個の骨が連なって構成されるものですが、骨と骨の間にはクッションの働きをする軟骨(椎間板)があります。また、背骨の真ん中には穴(脊柱管)があいており、そこを太い神経(脊髄:せきずい)が走っていて、この脊髄が枝分かれしていくことで身体の隅々まで神経を行き渡らせています。椎間板ヘルニアは、椎間板に過度な負担がかかったり、加齢によって形が変わってしまうことで、椎間板が脊柱管に向かって飛び出してしまった状態です。神経が圧迫されることで痛みやしびれが生じ、痛みは前かがみになると軽減し、反らせると悪化するという特徴があります。

骨粗鬆症

骨粗鬆症は加齢や運動不足、食生活の偏りなどが原因で骨がスカスカになっている状態です。この状態の場合、軽い衝撃であっても骨折が起こることがあり、これを圧迫骨折といいます。背骨に圧迫骨折が起こると、安静にしているときはなんともないのに身体を動かすと痛いという特徴があります。

背中の右側が痛い場合

肝炎・胆嚢炎

肝臓や胆嚢(たんのう:肝臓が分泌する消化液を蓄えておくための袋状の臓器)はお腹の中で右側に寄っています。肝臓は沈黙の臓器ともいわれており、症状がなかなか現れづらいことが知られていますが、強い炎症が起こると背中の右側の痛みや立ちくらみ、貧血、手足のむくみ、疲れやすい、黄疸(おうだん:皮膚や白目が黄色くなる)、全身のかゆみなどが現れるようになります。

尿路結石

尿路とは腎臓から尿道までの経路(腎臓、尿管、膀胱、尿道)を指します。動物性タンパク質の多い食生活を続けていると、カルシウムなどが固まった結石が作られてしまうことがあります。結石はまず腎臓で作られ、尿とともに下降していきますが、細い尿管を通過するときの痛みは七転八倒するような激痛が生じます。腎臓は、肋骨が終わる高さで腰よりやや上かつ背中側に位置するため、「背中が痛い」と表現される方が多いようです。

結石によって尿路が完全にふさがってしまうと、尿が出なくなり、腎臓に炎症が起きて高熱が出ることもあります。

背中の左側が痛い

胃潰瘍・十二指腸潰瘍

肝臓に対し、胃や十二指腸は左に寄っている臓器です。胃炎・胃潰瘍でみぞうちの辺りが痛くなることは有名ですが、場合によっては背中側に痛みが現れることもあります。胃の炎症・潰瘍は、食事をすると痛みが増加し、逆に十二指腸の炎症・潰瘍は食事によって治まるという違いがあります。

心筋梗塞

関連痛で最も有名なのが、心筋梗塞と左肩・背中の痛みです。心臓の感覚の神経と左肩・背中の感覚の神経は、脳に届く途中で合流します。このため、心筋梗塞では左肩・背中の痛みが現れます。背中が痛いと訴える病気の中では最も緊急性の高い病気です。高血圧、糖尿病、脂質異常症などの持病や、喫煙、大量の飲酒などの習慣がある方は注意が必要です。

尿路結石

尿路は左右対称にあるものなので、右側に起こることもあれば左側に起こることもあります。多くの場合で片側のみに生じ、両側同時に起こることはほとんどありません。

膵炎・膵臓がん

お腹の左側にある臓器としては膵臓があります。膵液という消化液が膵炎などで膵臓から漏れ出すと、周りを消化し始めるために痛みが発生します。また、膵臓がんも背中の痛みで発見されることもおおいです。数週間も長びく背中の痛みがある場合には気をつけてください。

どこにでも起こる

肋間神経痛

肋骨と肋骨の間には肋間神経という神経が走っています。原因はストレスと考えられており、肋骨周辺の筋肉が凝り固まってしまうことで痛みが生じるといわれています。肋骨は背中から胸にかけて広く存在する骨なので、背中以外にも脇腹や胸の痛みとして現れる場合があります。また、肋骨は呼吸に伴って動くため、痛みも呼吸に伴って変動するという特徴があります。

 

どれぐらい背中が痛いと病院の受診が必要か

  • 痛い部位が少しずつ広がってきている
  • 安静にしても痛い状態が続き、改善する気配がない
  • 背中が痛いだけでなく、発熱や吐き気もある
  • 左肩から背中にかけて痛い

身体の向き(前かがみ、反る、ひねる)によって症状が変化する場合は、背骨に異常がある可能性が高いので、診療科は整形外科になります。一方、横になっても痛みが続く、食事の前後で痛みの強さが変わる場合は、内臓に異常がある可能性が高いので、診療科は消化器内科になります。左肩から背中にかけて痛い場合、心筋梗塞の可能性も否定できません。特に、高血圧、糖尿病、脂質異常症などの持病や、喫煙、大量の飲酒などの習慣がある方では動脈硬化が起きやすく、そこから心筋梗塞に進展してしまうことも十分あり得るということを理解しておきましょう。

背中 痛い

 

背中が痛い原因を調べるのにどういう検査をするか

血液検査

血液検査では身体全体の異常を判断します。例えば炎症が起きている場合はCRP、白血球の値が高くなります。骨に異常がある場合はALP、Ca(カルシウム)などの値が変化します。肝臓・胆嚢の異常ではAST、ALT、γ-GTP、T-bil(総ビリルビン)、Alb(アルブミン)などの値が高くなります。腎臓の機能を示すCr(クレアチニン)、eGFRや尿酸からは尿路結石の可能性を判断できます。

X線検査

骨の変形や異常をみる検査です。この他、強い炎症や広い範囲の炎症であれば見つけることができます。

エコー検査

超音波を当てることで身体の内側の構造を画像化する検査です。内臓の大きさや変形、異常な隆起やくぼみなども見ることができます。また、エコーでは内臓の血流量を測定する機能があり、形だけでなく機能を調べることも可能です。

CT/MRI検査

CT検査、MRI検査は身体を輪切りにしたような画像を得られる検査です。骨、椎間板、神経、血管から筋肉、内臓まで幅広い部位に対して病変をみつけることができます。

 

自分でできる背中が痛いときの対処法

筋肉の緊張が原因であれば、マッサージやストレッチ、入浴など、温めながらほぐすことで痛みが和らぎます。ただし、圧迫すると痛みが増す場合は炎症が起きている可能性があり、刺激や加温は炎症の悪化を招いてしまうため注意が必要です。

椎間板ヘルニアや圧迫骨折など背骨に異常がある場合、背骨への負担が増えると状態が悪化します。安静にして痛みが治まるようであれば、楽な姿勢をとり、背骨にかかる負担を減らすよう心がけましょう。

 

背中が痛くならないようにするには

背骨にとって最も負担の少ない姿勢は、背筋がまっすぐ伸びている状態です。前かがみ、中腰、反った姿勢は背中を痛める原因になります。また、同じ姿勢を長時間続けることでも背骨に負担がかかります。姿勢には十分注意が必要です。デスクワークや長距離ドライバー、警備員などのお仕事をされている方は、適度に休憩を取り、それが難しい場合はこまめに姿勢を変えるのも効果的です。

食生活にも注意しましょう。食べ過ぎは、体重が増えることで背骨にかかる負担が増え、また消化器の仕事量も増えるために胃炎、十二指腸潰瘍などを引き起こすことからも、背中を痛める原因になります。カルシウムやビタミンが不足すると、骨がもろくなり、背骨の変形や骨粗鬆症をもたらすことにもつながります。

精神的なストレスは、胃炎や十二指腸潰瘍、肋間神経痛の原因になる他、神経を過敏にさせてしまうこともあります。その結果、通常では痛みを感じない程度の刺激に対しても「痛い」と感じてしまうことがあるため、ストレスは上手に発散させておきましょう。

 

 

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