肩が痛い時は温めればいいの?冷やせばいいの?

肩が痛い時は温めればいいの?冷やせばいいの?

肩が痛い状態が続いている

肩が痛いと日常生活で困ることも少なくありません。そんな状態が続くと、放置してもよいのか、いつ治るのかと不安になることでしょう。今回は、肩が痛い原因として考えられる病気や病院を受診する目安などについてご紹介していきます。肩が痛いために損なわれてしまった生活を取り戻すためには、無理して我慢を続けないことが大切です。

 

そもそも肩はなぜ痛くなるのか

肩の関節は、肩甲骨と上腕骨(肘から肩にかけて存在する骨)のつなぎ目となっています。骨と骨の間には、直接ぶつからないようにクッションの働きをしている軟骨があります。骨や軟骨は関節包(かんせつほう)という膜で覆われていますが、この中には関節液という液体が満たされており、衝撃を吸収しています。肩への負担が続いたり、加齢によって軟骨がすりへってしまうと、骨と骨が直接ぶつかってしまい、痛いと感じるようになります。

また、肩甲骨や上腕骨には、肩を動かすための腱(けん:筋肉の両端で骨と付着する部分)が付着しています。このうち、肩甲下筋(けんこうかきん)、棘上筋(きょくじょうきん)、棘下筋(きょっかきん)、小円筋(しょうえんきん)の4つの筋肉とその付着部をまとめて「腱板(けんばん)」といいますが、腱板を構成している筋肉や腱に負担がかかった場合も肩の痛みとして現れます。

 

肩が痛い原因としてはどういう病気が考えられるか

腱板断裂(腱板損傷)

腱板の腱が断裂した状態です。発症する年齢は20歳代と50歳以降の2つのピークがあります。20歳代ではスポーツなどで肩に過剰な負担がかかった場合や、重い荷物を運ぶ仕事などを繰り返すことが原因となります。50歳以降では、加齢による変化として生じます。

症状は動作時痛といって、肩を動かしたときに痛いと感じます。腱板断裂が起こっている部位を押した場合にも痛みを訴えます。重症の場合は、痛みのために肩が60度以上あがらなくなってしまうこともあります。

五十肩

五十肩は40~60歳に多くみられる症状で、肩の痛みと動きの制限が特徴です。患者さんは、動かしても動かさなくても痛い、肩があがらないと訴えます。原因は明らかになっていませんが、加齢によって生じる変化と考えられています。小さな負担を繰り返し積み重ねていくことで、筋肉や腱が少しずつ壊れ、肩関節に炎症が起きてしまっている状態が五十肩です。

五十肩は急性期、慢性期、回復期の3つの段階を経過します。急性期では、動きの制限に加え、安静にしていても肩が痛い状態が2週間ほど続きます。夜間痛といって、夜に痛みが強くなるという特徴もあります。慢性期では、痛みは落ち着いてきますが、肩の動く範囲は制限されたまま、半年ほど続きます。その後の回復期では1年ほどかけて肩の動きがよくなっていきます。

石灰沈着性腱板炎(せっかいちんちゃくせいけんばんえん)

突然の肩の痛みが生じる病気です。症状は五十肩の急性期に似ていますが、肩が痛い症状が強いのみで動きの制限はありません。40歳代~50歳代の女性に多く、治療によって速やかに改善します。原因は明らかになっていませんが、カルシウムなどが腱板に沈着してしまうことが刺激となって、炎症が生じると考えられています。

変形性肩関節症

変形性関節症は、関節を構成している軟骨や骨などが変形、破壊される病気です。スポーツや重い荷物などによる肩への負担が重なったり、加齢によって軟骨や骨が衰えていくことによって生じます。変形性関節症は身体の体重を支える部位に生じやすく、好発部位は股関節や膝関節ですが、動きの大きい肩関節や肘関節にも起こることがあります。肩を動かした際に痛いと感じ、動きは制限されます。また、軟骨がすりへって骨と骨がぶつかりやすくなっているため、肩を動かしたときにゴリゴリと音がなることもあります。

頸椎疾患(けいついしっかん)

背骨は24個の骨からなっており、首からおしりの方まで続いています。この骨と骨の隙間から神経が出て、身体に張り巡らされていますが、肩の感覚を支配している神経は、首のあたりから出てきます。頸椎(首の骨)に変形があって、そこから出る神経が圧迫されていたり、傷つけられてしまうと、痛いだけでなくしびれの症状も加わることがあります。

 

どれぐらい肩が痛いと病院の受診が必要か

  • 日常生活に支障をきたすほど痛い
  • 痛い部位が少しずつ広がってきている
  • 安静にしていても痛みが改善しない、または悪化している
  • 肩やその周辺が痛い他、しびれもある

これらの症状がある場合は、整形外科に受診するようにしましょう。軟骨や骨の変形は一度起きてしまうと元に戻すのは難しいといわれています。治療が遅れると、本来内服で治療できたようなものに対して手術が必要になってしまったり、動きの制限が残ってしまうこともあります。また、肩が痛いために動かす頻度が少なくなると、関節が固まったり、筋肉が低下してしまいます。すると、治療で痛みが改善しても、動きの制限が残ったり、力が入りづらくなることで、日常生活がさらに困難になってしまうこともあります。肩が痛い場合は放置せず、早めに受診することで、もとの生活を取り戻すまでの期間も短縮できるでしょう。

肩が痛い 整形外科

肩が痛い原因を調べるのにどういう検査をするか

問診、レントゲン検査、超音波検査、CT検査、MRI検査などが行われます。問診では徐々に痛くなったか突然か、痛みは落ち着いてきているか強まる一方かという痛みの性状や、肩のしびれ、または他の部位のしびれはあるか、肩に負担のかかる運動や職業歴の有無などを聞かれます。これらの質問の他、肩がどれくらいまで上げられるか、圧迫して痛みが生じるかなどについても確認します。その後行われるのはレントゲン検査です。レントゲンでは骨や石灰化(カルシウムなどの沈着)、炎症などが白くうつります。

超音波検査は、身体に超音波を出す機械を当て、反射したものを映像化することで身体の内部をみることのできる検査です。筋肉や腱の厚さや損傷、石灰化などを観察します。
CT検査、MRI検査は身体を輪切りにしたような画像が得られる検査です。筋肉や腱の炎症や断裂、腱がしっかり骨に付着しているかなどを詳細にみることができます。

 

自分でできる肩が痛いときの対処法

肩が痛いときは無理をせず、肩を上げるような動作を控える、重い荷物を持たない、など安静に保つことが大切です。ただし、痛いからと全く動かさない状態が続くと、関節が固まってしまったり、筋力が弱ってしまうこともあるので、痛みの程度に合わせた対応が必要です。

また、痛みが強いときは湿布を貼ったり、痛み止めを服用するのも効果的です。急性期で炎症が起きていて痛い時には(熱感がある場合には)、温めずに冷やし、無理に動かさない方がいいです。そして炎症が治まっても痛みが続く場合には、筋肉や関節が固まったための痛みである場合がありますので、お風呂や温湿布など温めた方がいいことがあります。しかし、痛みが続く場合は、自己判断による対処を続けずに、医療機関に受診するようにしてください。

 

肩の痛みを取り除く手術

痛みが強い場合、痛み止めや炎症を抑える薬などの薬物療法が行われます。ほとんどは筋肉の痛みであるためそれ以上の治療は難しいのですが、腱板断裂、変形性肩関節症など骨や腱にはっきりと原因があり、プロ野球選手などがスポーツに確実に復帰したい場合には手術が行われることがあります。

従来の手術は、メスで大きく切り開く直視下法が行われていましたが、最新の治療法として関節鏡を用いた肩関節鏡手術というものがあります。関節鏡とは、内視鏡のようなもので、肩に5mm程度の小さい切開を加え、その穴から小さいカメラが先端につけた細い医療器具を挿入し、カメラから得られる映像をもとに行う手術です。カメラを挿入する他、先端にメスやピンセットのついた機器を入れる必要があるため、合計3ヶ所の切開を加えます。断裂してしまった腱を糸でむすんで固定したり、骨の変形を整えるような処置が行われます。

直視下法と比べ、傷も小さく痛みも軽く済ますことができ、退院までの期間も短縮されます。術後は装具による固定が必要になりますが、1~2か月程度でもとの生活に戻れる程度まで復帰できるようになります。

 

肩が痛くならないようにするには

重要なのは、肩に負担をかけないことです。身体の構造は加齢によって確実に変化していくものですが、肩が痛くなる大きな原因は日頃からの負担です。運動や重い荷物を持つ前には十分なストレッチで筋肉をほぐし、急なダメージが起こらないように心がけましょう。また、痛いときは無理をせず、悪化させないよう落ち着くまでしっかり休めることが大切です。

 

 

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