下痢が続くと意識を失ってしまうこともあるので、早めの受診を!

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下痢が続く状態が止まらない

下痢は誰もが経験したことのある症状で、食べ過ぎたかな、冷えたかなと反省して、症状が治まるのを待つ方が多いでしょう。数日で治まる下痢であれば、一時的に腸の働きが悪くなったために生じたものと考えられますが、下痢が何週間も続く場合は、大きな病気が隠れていることもあります。

下痢はその期間によって急性下痢と慢性下痢の2種類に分類されます。急性下痢は、症状が3日以内に改善し、長くても2週間以内には治るものをいいます。急性下痢の原因は、食べ過ぎや飲みすぎ、冷え、一時的な感染症(食中毒など)があげられます。これに対し、2週間以上症状が続く場合は慢性下痢となります。慢性下痢では、腸の一時的な不調ではなく、他の病気が原因となって生じることがあります。

下痢 続く

そもそも下痢はなぜでるのか

下痢は便の含まれる水分の量が多すぎる状態のことです。私たちは1日に食べ物や飲み物から2Lほどの水分を取り入れます。食べ物が身体の中で消化されていくためには、それぞれの消化管から消化液が分泌され、その働きによって少しずつ消化され、栄養や水分が吸収されて便を形成していきます。このとき必要となる唾液や胃液、膵液、腸液などの消化液は1日に7L分泌されます。これだけの大量の液体が腸管を通っていながら、実際に便に含まれるのは100g程度で、これらの液体の99%は腸で吸収されます。この水分バランスが少しでも崩れてしまうと、便に含まれる水分が増え、容易に下痢を引き起こしてしまいます。

下痢 続く

以上のことを踏まえて、下痢がでる具体的な原因について少し掘り下げていきます。

下痢の原因は水分バランスが崩れることです。水分を摂りすぎたり、水を保持する作用の強い脂肪などを多く含んだ食事を摂ると、水分量の多い便が作られ、下痢となって排泄されます。また、消化液は炎症などによって分泌液の量が増えることがあります。すると、やはり便に含まれる水分量が増えることで下痢になります。これに加え、腸の壁に傷がついて血液や体液が漏れると、同じように下痢の原因になります。

便が腸の中を肛門まで移動していくために、腸は蠕動運動(ぜんどううんどう)を行っています。これは腸が拡張、収縮を繰り返す運動で、この動きによって便が移動していきます。この運動が過剰になってしまうと、水分の吸収が追い付かないうちに便がどんどん送り出されてしまうことになり、下痢を引き起こします。これら状態が続くと、下痢が続く「慢性下痢」の原因になります。

 

下痢が続く原因としてはどういう病気が考えられるか

過敏性腸症候群

人口の約15%にみられる頻度の高い病気で、便秘や下痢、腹痛を繰り返します。生活習慣やストレスが原因で生じる慢性下痢であり、腸自体にがんや潰瘍(かいよう:深い傷)などの病変はみられません。腹痛の特徴として、排便によって改善するということが知られています。電車に乗る時、朝家を出る直前など決まったタイミングで下痢が出るという状態が続く場合は過敏性腸症候群が疑われます。

潰瘍性大腸炎

10代後半から30代前半の若い人に多いといわれていますが、子どもや50歳以上の方でも起こり得ます。大腸で炎症を繰り返す病気であり、原因不明で難病に指定されています。炎症は結腸から始まり、徐々に広がっていきます。下痢の他、便にどろっとした血が混じる粘血便や腹痛、発熱、体重減少、消化管出血による貧血などがみられます。炎症による消化液の増加や、潰瘍から出血や体液の漏れが生じることで、下痢が続くことになります。

クローン病

10歳後半から20歳代に多い病気で、同様に大腸に炎症を繰り返す原因不明の難病です。潰瘍性大腸炎では、病変は連続的に広がっていくのに対し、クローン病の病変は非連続的に現れます。口から消化管までどの部分にも起こり得るため、肛門周辺のできものや口内炎など、離れた場所にも症状が現れます。この他、下痢、腹痛、発熱、体重減少、貧血などがみられます。潰瘍性大腸炎と同じように消化液の増加や出血のため、長期間続く下痢がみられます。

大腸がん

50代~70代に多く、初期症状はほとんどありません。進行してくると腹痛やお腹の張り、便秘、下痢、血便などの症状が現れ、これらの症状が続くことが知られています。大腸がんでは腸の狭窄または閉塞が生じることもあり、通り道が塞がれてしまうことでおならが出なくなることもあります。

甲状腺機能亢進症

甲状腺は身体の代謝に関わるホルモンを分泌している臓器です。甲状腺の機能が亢進(こうしん:活性化)すると、脈が早くなったり汗をかくようになったりして、代謝機能が活性化します。この中で、消化管の蠕動運動も活発になります。消化管が働きすぎると、消化吸収が間に合わないままに便が押し出されてしまうため、下痢が続くようになります。

慢性膵炎

膵臓は消化液を分泌する臓器の1つです。膵臓に炎症があるために働きが落ちていると、消化吸収が正しく行われません。膵臓から分泌される消化液には脂肪の分解に特化した酵素も含まれており、脂肪の消化が遅れることで便に脂肪が混ざる脂肪便がみられることがあります。脂肪は水分を保持する特徴があるため、便に含まれる水分量が多くなり、下痢が続くことになります。

薬剤性

薬の副作用として下痢が生じることも珍しくありません。原因となる医薬品には、抗がん剤や抗菌薬、免疫抑制薬などが代表的です。薬を飲み始めた数日後から下痢が続くようになれば、薬の副作用が疑われます。主治医に相談し、薬の変更や減量を考慮する必要があります。

 

どれくらい下痢が続くと病院の受診が必要か

脱水症状(尿が少ない、口が渇く、めまい、ふらつき、頭痛、吐き気、意識障害)がある場合

下痢が長期間続くことで重症化し、水分補給が間に合っていない状態です。脱水は進行すると脳に障害を与えることもあり、それを防ぐためにも病院で点滴してもらう必要があります。

2週間以上続く、症状が悪化している、または改善する気配がない場合

下痢の原因が単なる腸の不調ではなく、なんらかの病気が隠れている可能性があります。下痢が続くような状態を改善させるためには、原因の根本となっているもともとの病気を治療することが必要です。

血が混ざっている場合

潰瘍性大腸炎やクローン病、大腸がんなど、腸に炎症や腫瘍ができている可能性があります。消化管内の出血は気付きづらく、じわじわと続くような場合には、知らないうちに貧血が進行していることもあります。

 

下痢が続く原因を調べるのにどういう検査をするか

血液検査

血液検査では主に身体で起こっている炎症反応やアレルギー反応を調べます。これに加え血液検査では、腫瘍マーカーやホルモン量、酵素量などを調べることで、病気を診断する補助にもなります。腫瘍マーカーからはがんの進行度、甲状腺ホルモン量の上昇があれば甲状腺機能亢進症、アミラーゼ(膵臓から分泌される酵素)の上昇があれば膵炎、血糖値やHbA1cの高値からは糖尿病を、それぞれ見つけることができます。

便検査

細菌やウイルスによる感染症、または薬剤性によって誘発された大腸炎の場合、便中からそれらの病原体を見つけることで診断することができます。また、目には見えない程度の小さい出血も潜血(せんけつ)として見つけることができます。脂肪が多い便の場合、光沢を帯びたクリーム色のどろっとした便がみられます。これは脂肪便という便で、脂肪の多い食事後や、消化機能に異常がある場合にみられるものであるため、診断の根拠になります。

腹部超音波検査

超音波検査は、超音波を出す機械をお腹に当て、その超音波の反射を画像化することで、身体の内部の構造をみる検査です。身体の中の臓器にはそれぞれ一定の特徴があるため、炎症や腫瘤などの異物があれば、正常とは異なるものがあることを見つけることができます。超音波検査では、これらの有無だけでなく、大きさやどのくらいの深さにあるのかということも判断できます。超音波はX線検査やCT検査のように被曝するものではないので、患者さんの負担にならない検査です。

内視鏡検査

内視鏡検査は消化管の粘膜の表面を直接見る検査です。先端に小さいカメラを取り付けたチューブを肛門から挿入する下部内視鏡検査を行います。これによって、炎症や潰瘍、腫瘤などの病変を見つけ、細かく観察することができます。

病理検査

内視鏡検査で病変がみつかった場合、生検を行うことがあります。生検とは、身体の組織をほんの一部採取し、そこにある細胞を顕微鏡で観察するものです。これを病理検査といいます。その組織にどのような細胞があるか、その細胞の形や大きさに異常はないかということを調べることで、その病変ががんであるかどうか、がんならば良性か悪性かということを判断できます。

 

自分でできる下痢が続くときの対処法

下痢 続く 

下痢が続くときは、消化のよい食事を摂って腸の負担を軽減させましょう。消化のよい食事としては、おかゆやよく煮込んだうどん、味噌汁、野菜スープなどを摂るとよいでしょう。逆に、脂肪の多い肉や魚、玄米、生野菜、菓子パン、人工甘味料などは消化に悪いため、避けた方がよいでしょう。

下痢のときに気を付けなければいけないのは、脱水症状です。下痢が続くと、大量の水分が失われます。脱水症状は、尿が少ない、口が渇く、めまい、ふらつきから始まります。進行すると頭痛や吐き気が生じ、さらに悪化するとけいれんや意識の障害を引き起こします。下痢している時に水分を摂るのは抵抗のある方もいるかと思いますが、ぬるめのスポーツドリンクで水分や塩分を補給し、脱水には十分気を付けましょう。

 

下痢が続く状態にならないようにするには

第一に重要なのは、日頃から消化のよい食事を心がけることです。脂肪の多い食事や暴飲暴食、過度なアルコールは消化管に負担がかかります。また、ヨーグルトや納豆などの発酵食品は腸の環境を整えることが知られています。腸によい作用をもつ食品を積極的に摂っていくことで、負担に負けない腸を作っていくとよいでしょう。消化管の健康を維持するためには、毎日の積み重ねで健康的な身体を作っていくことが大切です。

 

 

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