健康診断でヘモグロビンが低いという結果が出たら食生活を見直すと共に原因を調べて

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健康診断でヘモグロビンが低いという結果が出たら食生活を見直すと共に原因を調べて

血液検査で「ヘモグロビン」の検査値が「低い」という結果が出たあなた。

いきなり「ヘモグロビンの値が低い」といわれてもいいのか悪いのかさえわかりませんよね。

検査値で基準よりも低いという結果を見て「放っておいても大丈夫だろう」と自己判断せずに、何がいけないのか、低いとはどれくらい低いのか、ヘモグロビンが低いとどんな病気になる可能性があるのか、低い値が改善する方法はあるのか、などをきちんと理解する必要があります。体の異常を早期発見できたわけですから前向きに治療に取り組みましょう。

 

ヘモグロビンって何?

ヘモグロビンとは血液の赤血球に含まれる成分の1つです。ヘモグロビンはヘムとグロビンから成っています。ヘムは鉄を含んだ色素で血が赤く見えるのも、血をなめたら鉄の味がするのもこのためです。グロビンはタンパク質で血液中の酸素の運搬に関わります。

ヘモグロビンの測定は、採決した血液を自動血球計数装置にかけて行います。ヘモグロビンの値だけではなく血球数、白血球のデータまで細かく得ることができます。ヘモグロビンは前述した通り、色素が含まれているので血液の色の濃さを測ることでその量をわりだすことができます。

 

どれくらいヘモグロビンの値が低い?正常値・基準値について

ヘモグロビンの正常値は臨床検査を行う機関や測定方法によって少し異なります。血液検査の結果のデータには必ず、その測定法に合わせた正常値が併せて表示されているので、その数値と比べるようにしましょう。

ヘモグロビンの基準値

全国健康保険協会が公表しているヘモグロビンの基準値です。

・基準値
男性 13.0~16.6 g/dl
女性 11.4~14.6 g/dl
・要治療
男性 12.0 g/dl以下、  17.6 g/dl以上
女性 10.7g/dl以下 、 15.5 g/dl以上

出典元:全国健康保険協会

単位はg/dlでこれは濃度を表します。血液1デシリットル(100ml)の中に何グラムのヘモグロビンが含まれているかということです。

ヘモグロビン(Hb)とHbA1cは別の指標

結果項目でヘモグロビンは「Hb」と表記されることがあります。また、健康診断でよく見る数値の一つに、「HbA1c」というものがあります。よく間違えられやすいのですが、ヘモグロビンを示す「Hb」と、血糖値の指標の一つ「HbA1c」とは全く違う値ですので混同しないように気をつけてください。「HbA1c」は糖尿病の診断基準の1つで、ヘモグロビンにブドウ糖が結合したものを測定し、過去2ヶ月程度の血糖値を表す指標になります。

 

ヘモグロビンが低い場合どのような異常が起きているの?

ヘモグロビンが低い場合考えられることは2つ、「貧血」と「出血」です。

「貧血」は鉄欠乏性貧血、巨赤芽球性貧血、再生不良性貧血、溶血性貧血の4種類あります。次の項目で詳しく説明します。

「出血」の場合、体の外へ血がでていれば気づかない人はいないと思いますが、体の中で出血している場合は気づきにくいです。ヘモグロビンの値が低い場合、胃潰瘍、十二指腸潰瘍、消化器系のがん、子宮筋腫などの可能性があります。女性の場合、生理中は出血状態なのでヘモグロビンが低くなります。

ヘモグロビン 低い 鉄欠乏性貧血

ヘモグロビン 低い 鉄欠乏性貧血

ヘモグロビンが低い場合の精密検査について

ホモグロ便が低い場合に行われる精密検査ではまず、赤血球の状態を詳しく調べます。

・平均赤血球容積 (MCV : Mean Corpuscular Volume)
赤血球1個の大きさ

・平均赤血球色素量 (MCH : Mean Corpuscular Hemoglobin)
赤血球1個に含まれるヘモグロビン量

・平均赤血球色素濃度 (MCHC : Mean Corpuscular Hemoglobin Concentration)
赤血球中に含まれるヘモグロビン濃度

これらの数値を基に、他の検査値も見ながら貧血なのか、あるいは他に原因があるのかを調べます。

それでは鉄欠乏性貧血、巨赤芽球性貧血、再生不良性貧血、溶血性貧血の4種類の貧血の原因、症状、治療法と検査項目について詳しく説明したいと思います。

1:鉄欠乏性貧血

ヘモグロビンが低い原因として、体内の鉄の需要が供給を上回り、鉄が足りなくなるためヘモグロビンの合成が阻害される貧血です。妊娠や成長期、消化性潰瘍などで需要が増えた場合や、バランスのとれていない食事などが原因で、鉄の供給が不足した場合に生じます。症状としてはめまい、ふらつき、動悸、顔面蒼白などです。

検査項目は以下の通りです。
・血清鉄(トランスフェリン)…特定の鉄イオンの量を測ります。鉄欠乏性貧血の場合低下します。
・貯蔵鉄(フェリチン、ヘモジデリン)…体に貯蔵されている鉄量を調べます。鉄欠乏性貧血では低下します。
・MCV…低下
・MCH…低下
・総鉄結合能、不飽和鉄結合能…鉄が赤血球と結合できる能力を調べます。鉄欠乏性貧血では低下します。

治療は鉄の飲み薬か、場合によっては注射で鉄を直接補給します。

2:巨赤芽球性貧血(悪性貧血)

ビタミンB12や葉酸の不足により異常な形成をした赤血球が増えてしまう貧血です。ふらつき、めまい、疲労、動悸に加えてビタミンB12不足による白髪の増加、しびれなどの神経症状がでることもあります。

検査項目は以下の通りです。
・MCV…増加
・抗体検査…巨赤芽球性貧血は多くの場合自己を攻撃する抗体が生成されていることが多いです。それによりB12吸収が阻害されています。そのため特定の抗体を調べます。
・シリングテスト…消化管からのビタミンB12吸収率を測定します。

治療はビタミンB12の注射で行います。

3:再生不良性貧血

原因はまだよく解っていませんが、自己免疫疾患や放射線、薬剤などの影響により、血液をつくる細胞が減少し全ての血球が減少します。命に関わる病気で骨髄移植をしなければなりません。

検査項目は以下の通りです。
・貯蔵鉄(フェリチン、ヘモジデリン)…血液をつくる細胞が減るため鉄が消費されなくなり、貯蔵鉄は増加します。
・網状赤血球数…網状赤血球数とは赤血球の赤ちゃんと説明すると分かりやすいでしょう。まだ赤血球になっていない網状赤血球数を測ることで造血機能を測れます。再生不良性貧血では網状赤血球数は減少します。

4:溶血性貧血(自己免疫性溶血性貧血)

赤血球を攻撃してしまう抗体が体の中でつくられてしまい、赤血球が破壊される貧血です。一般的な貧血症状に加え、黄疸(おうだん)と呼ばれる皮膚や目の白い部分が黄色くなる症状が見られます。

検査項目は以下の通りです。

・間接型ビリルビン…破壊されたヘモグロビンは代謝されて間接ビリルビンになります。つまり溶血性貧血では間接型ビリルビンは増加します。
・ハプトグロブリン…ヘモグロビンを運搬してくれるのがハプトグロブリンです。破壊されたヘモグロビンを運ぶので、溶血性貧血ではハプトグロブリンは減ります。

・網状赤血球数…赤血球が破壊されるので、血球生産が亢進され網状赤血球数は増加します。

治療はステロイド剤を投与して様子を見ることが多いです。

 

ヘモグロビンの値が低い時に精密検査をしてもらうにはどこに行くべき?

「ヘモグロビンが低くて再検査!」となったときに、まずは精密検査をどこで受けたらよいのか悩みますよね。ヘモグロビンが低い場合の原因は多岐にわたるため、精密検査となると専門の病院に行った方がよいでしょう。

その中でも、血液の病気を全般に扱う血液内科がおすすめです。近くにない場合は内科で診てもらって必要であれば専門の病院を紹介してもらいましょう。貧血の一般的症状以外に体調不良がある場合は、ヘモグロビンが低い原因が出血の可能性(消化器系がん、胃潰瘍など)も考えられます。その場合は消化器内科を探しましょう。

 

ヘモグロビンの値が低いときに自分で増やすことは可能?

ヘモグロビンの値が基準値と比較してとても低い場合は、すぐに再検査が必要ですが、正常値の範囲の下側、少し低いくらいの場合は、まず食事を見直しましょう。もちろん治療と並行してヘモグロビンを増やすための改善を行うことも大切です。

食事でヘモグロビンの値を正常に戻す

ヘモグロビンは前述した通り鉄を含んでいます。ヘモグロビンの合成に不可欠な鉄分を積極的に摂取する必要があります。

鉄分には「ヘム鉄」と「非ヘム鉄」の2種類あります。構造の違いによって吸収性が高い鉄がヘム鉄、低いものが非ヘム鉄です。ヘム鉄は動物性食品に多く含まれており、非ヘム鉄は植物性食品に含まれています。日本人が摂取している鉄分はほとんどが非ヘム鉄と言われています。実際日本人は多くの人が鉄分不足で、厚生労働省は2015年に発表した資料で鉄分の推奨量を定めています。

出典元:厚生労働省 「日本人の食事摂取基準(2015 年版)」

女性と男性で推奨量に差はありますがだいたい成人で1日5~7mgです。

具体的にヘム鉄・非ヘム鉄を多く含んだ食品について見ていきましょう。

ヘム鉄を多く含んだ食品

豚レバー、鶏レバー、牛もも肉、しじみ、あさり、かつお

非ヘム鉄を多く含んだ食品

ほうれん草、小松菜、ヒジキ、大豆、油揚げ、卵黄

 

この中で一番鉄分が多いのが、ヘム鉄を含む豚レバーで、100gあたり13mgです。豚レバーを50g食べれば厚生労働省が定めている1日の推奨量をクリアできますね。さらに鉄分はビタミンCと一緒に摂ることで吸収性が上がります。つまりお肉にレモンをかけたり、ほうれん草のおひたしにレモンをかけて食べる方法は、おいしいだけではなく、鉄分の吸収性を上げるという意味でも理にかなった食べ方なのです。

その他にもビタミンCを多く含む食品はパセリ、トマト、ブロッコリー、煎茶などです。鉄分を多く含む食品とビタミンCを多く含む食品を組み合わせて献立を考えると良いでしょう。鉄分不足は貧血だけではなく、イライラ、肌荒れや不眠、に繋がり、これらがひどい場合はうつ病をひきおこしてしまうこともあります。

また、鉄分以外にも赤血球をつくってヘモグロビンの値を上げるために必要なビタミンB12や葉酸も積極的に摂った方が効果的です。ビタミンB12は豚肉、チーズ、卵黄などに多く含まれています。葉酸はほうれん草、納豆、枝豆、ブロッコリーに多く含まれています。

食事だけでは難しい場合は鉄のサプリメントで補うのも一つです。

食事以外でヘモグロビンの値を正常に戻す

ヘモグロビンの値が低いときに、食事以外にも気を付けるべきことがあります。それは生活習慣です。特に睡眠は、食べたものに含まれる鉄分を体に吸収する大切な時間です。睡眠が不足すると鉄分の吸収が低下し、ヘモグロビンの生成が十分にできなくなる可能性があります。また睡眠の質も大切です。電気をつけたまま寝ると睡眠の質が低下します。睡眠の質を高めるために、ベットや枕を見直すのも良いでしょう。睡眠のゴールデンタイムといわれる夜22時から0時までにはなるべく寝るようにしましょう。

血行を促進して血液を全身に送り届けるために適度な運動と入浴も大切です。激しい運動をする必要はなく、ウォーキングなどの有酸素運動をする時間をつくりましょう。入浴はシャワーだけで済まさずに湯船につかって体を芯から温めるようにすると良いです。冷え性の人は体を冷やさないように気をつけましょう。体が冷えると血流が悪くなり、酸素が全身にいきわたりにくくなって貧血をおこしやすくなります。特に気温の下がる冬場は厚着をして冷えから体を守りましょう。

では、このような食事習慣や生活習慣を改善して、ヘモグロビンの値が低い状態からどのぐらいで正常値に戻るのでしょうか。

人にもよりますが、すぐに効果のでる人もいればそうでない人もいます。3ヶ月程度で一度再検査してもらうと良いです。女性の場合、生理中は貧血の結果がでやすいので生理期間は避けましょう。

 

ヘモグロビンが低いときに放置しないで

いかがでしたか。

1つの検査項目からこれだけの病気の可能性があるということがお分かりいただけたかと思います。ですが、ヘモグロビンが低いときでも、生活習慣を変えることで改善できることがあるのです。

今回はヘモグロビンの値について取り上げましたが、ヘモグロビンだけではなく健康診断や血液検査で調べるその他の項目についても、基準値から外れている項目があれば1つ1つ調べてみましょう。病気は早期発見が何よりも大切です。そして基準値から外れている状態を理解したなら、まずは病院で詳しく診てもらいましょう。

 

 

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