あなたの1日の喫煙本数×喫煙年数はいくつ?肺がんのリスクを知っておこう

あなたの1日の喫煙本数×喫煙年数はいくつ?肺がんのリスクを知っておこう

肺がんの概要

肺は人間にとって非常に重要な臓器のひとつです。肺から酸素を取り込むと同時に体内で発生した二酸化炭素を体外に排出する役目があります。肺が機能しなくなると呼吸困難に陥り、すぐに心停止・脳の血流停止するため、死に至ります。

その重要な臓器である肺・気管・肺胞・気管支などの部位が、がんに侵されたとき「肺がん」と診断されます。最近の統計調査でも、肺がんの死亡者数は男性・男女合計ともに死亡者第1位と、日本人が最も悩むがんのひとつです。

毎年、8万人近くの方が肺がんによって亡くなられています。年代別に見てみると、男性・女性とも40代後半から死亡率が上がりはじめ、高齢になればなるほど死亡率が高くなる傾向になっています。特に男性の年齢別死亡者数は、1960年代後半から非常に多くなってきましたが、ここ数年に関しては死亡率は増えていないようです。

 

肺がんの症状

なかなか治らない咳や痰・胸の痛みや血痰(血液が混じった痰)、ゼーゼーという呼吸音などが主な症状です。

しかし、肺がん独特の症状とは診断できないので、肺がんに患っているとは気づかないことも多いようです。肺がんは他の臓器に比べて比較的進行が早い性質のがんであり、肺の周りにリンパ節がたくさん存在することから、がん細胞が血液に混じって全身に転移するリスクや、遠隔転移の傾向が高いのが特徴です。

 

肺がん

 

肺がんの検査

特に40代など若い年代で肺がんにかかると、新陳代謝がまだ盛んなため、がん細胞の増殖スピードも速く早期発見が非常に重要になってきます。しかし、自治体で行っている「肺がん検診」や会社で行う「健康診断」のような単純レントゲン検査で早期に発見することはなかなか難しくあり、ある程度進んでから見つかることの方が多いでしょう。精密に肺を検査するためには、CT検査(胸部を輪切りにして観察できる検査)があり、これは人間ドックなどで受けられますが、少し待ち時間もあり、料金も高く受けるハードルが少し高いです。また、CT検査のような画像診断の他に痰を採取し、がん細胞があるかどうかを調べる「喀痰細胞診検査」があります。これら複数の検査を行って医師は「肺がん」と診断します。

 

肺がんの原因

肺がんに限らずがん細胞は、長い年月をかけて小さな細胞から数ミリ単位まで成長します。臓器や年代によっても変わりますが、2mmの大きさになるまで約10年かかるといわれています。しかし、そこから5mmに成長するまでには半年ほどで大きく成長してしまいます。これが「がん」の特徴です。2mm(初期)で発見されれば、ほとんどの場合5年後の生存率は100%に近いですが、大きくなっていくにつれ治療方法が限られていきます。

肺がんの原因は複数考えられますが、一番大きな要因は長期間に及ぶ「喫煙」と考えられます。タバコの煙には数100種類以上の有害物質が発見されており、その有害物質が何かのキッカケで正常な細胞ががん細胞に変異してしまうのが大きな原因と考えられています。

タバコの有害物質によって傷ついた肺は、禁煙により、喫煙前の状態に元どおりとは言わずとも、改善された状態にはなります。このような有害なタバコの害から健康を守るため、厚生労働省は2006年から禁煙を支援する「禁煙外来」を保険診療として取り組んできました。その効果が上がったのか、男性の喫煙率は大幅に下がってきています。

1日の喫煙本数と喫煙年数を乗じた値を「喫煙指数」といいますが、この指数が「200」以上の値の場合、肺がんに罹患しやすい指標のひとつです。

喫煙指数 = 1日の喫煙本数 × 喫煙年数

喫煙指数が200以上になるケースとしては、例えば20年間、1日10本(1/2箱程度)のタバコを吸っている40歳の方は喫煙指数200以上となります。

もちろん、肺がんはすべて喫煙によるものというわけではありません。大気汚染や粉じん・アスベストなどの有害物質を長期間吸い続けること、気づかない間の受動喫煙なども大きなリスクとしてあげられます。

タバコ 肺がん 呼吸器内科

タバコ 肺がん 呼吸器内科

肺がんの治療法

肺がんの進行状況は「ステージ」という指標で表され「ステージ1」~「ステージ4」の4段階で診断されます。早期発見の目安である「ステージ1」・「ステージ2」であれば、外科手術で「がん」に侵された患部を切除することで完治できます。しかし、がん細胞が肺の中に点在していたり、進行していた場合は「外科手術」では成功率が低いと判断される場合もあります。そのような場合には「化学療法」や「放射線治療」を行い、がん細胞を小さくしてから外科手術を行うことも多いようです。

外科手術

がん細胞を根こそぎ切除することで、完全治癒を目指します。しかし、胸部に大きくメスを入れることで手術後の患者さんの負担は大きい上、すべて切除できるかどうかは難しい問題です。また、リンパ節にがん細胞が転移している場合、遠隔転移の可能性が拭いきれないため再手術等のリスクも考えなければなりません。

化学療法

いわゆる「抗がん剤」でがん細胞を死滅させる目的で行われる治療法です。全身に点在したがん細胞などを治療する場合では、非常に優れた方法です。しかし抗がん剤治療には「激しい吐き気」「食欲不振」「全身の倦怠感」「脱毛」など多くの激しい副作用がつきものです。これらの症状は、一般の方でもかなり広く知られていると思います。

ところが、このようにネガティブなイメージもある化学療法も、製薬会社と大学病院の研究開発の努力によって、副作用少なくがん細胞だけを死滅させる抗がん剤も出てきています。

抗がん剤には上記のような副作用以外にも、患者さんの体質によって治療効果が上がったり、逆に効かなかったりするなど、投与しなければわからないという面もあわせ持っています。通常、がん治療の基本的な治療方法は、化学療法や放射線治療などでがん細胞を小さくした後、外科手術を行う方法が一般的です。

また、働きながらがん治療を行っている患者さんも非常に多く、厚生労働省も企業などの事業主に対して、就業とがん治療の両立を積極的に支援するよう協力を求めています。大都市では、がん治療のために仕事を休まなくても良いように、平日でも夜遅くまで抗がん剤治療を受けられる体制を整えた医療機関も増えてきているようです。

放射線療法

上記の化学療法と同時、あるいは単独で行われる治療方法です。化学療法は全身に効果がある治療法に対し、放射線治療は「ピンポイント」で治療が行える特徴があります。治療法の選択は部位や進行度(ステージ)によって異なります。放射線治療は、細胞の死滅効果の高い放射線(エックス線)の性質を利用して、がん細胞に直接照射し死滅させる治療方法です。デメリットとして高エネルギーのエックス線を照射するため、正常な細胞を死滅させてしまうリスクもあります。しかし最近では、技術の発達によりがん細胞にだけ照射できる医療機器も登場してきており、治療技術も格段に向上してきました。

肺がん

肺がん

肺がんの最新治療

肺がんに限らず、医療の発達とともに、がんの治療薬には目を見張るものがあります。がん細胞がどのように増殖していくのかということを研究し、がんの弱みを攻撃する治療方法が多く出てきています。

新生血管阻害剤

がん細胞は増殖するために、たくさんの栄養が必要です。そのために新しい血管を縦横無尽に張り巡らせる特徴があります。その新しい血管(新生血管)に対して根こそぎ攻撃し、がん細胞をいわば「兵糧攻め」にして死滅させる薬剤です。

分子標的薬

がん細胞特有のたんぱく質にだけ反応する「マーカー」を探し出し、分子レベルにおいてがん細胞だけを攻撃する薬剤として注目されています。しかし、技術的にまだまだ新しく、国内でトラブルが起きたこともありました。しかし、新生血管阻害剤との併用することで相乗効果が期待できる治療法のひとつです。

サイバーナイフ

がん細胞をIT技術で的確に捉え、がん細胞だけに放射線を照射する放射線治療法です。元々はアメリカ軍のロケット追尾システムの技術を医療転用した治療装置です。心臓や肺など胸郭内の臓器は呼吸することで、微妙に座標が移動することになります。特にがん細胞が小さい場合、正常な細胞まで照射しないように座標を微妙に修正することは今までは不可能でした。しかし、ロケット追尾システムの技術を応用して、サイバーナイフが微妙な動きを感知し、正確にがん細胞の座標を計算、照射することを可能にした画期的な放射線治療装置です。大きさもコンパクトで、治療時間も30分ほどで終了します。

免疫チェックポイント阻害薬

人間が備え持っている「免疫細胞」の働きを活性化させる薬剤が「免疫チェックポイント阻害薬」です。がん細胞などの異物を排除する「T細胞」には攻撃する「アクセル」と攻撃をやめる「ブレーキ」の役割分担があることがわかってきました。そこで「免疫チェックポイント阻害薬」を使用することによってブレーキのかけ具合を調整し、「アクセル」の時間を長くするよう働きかける部類の薬剤が「免疫チェックポイント阻害薬」です。自己免疫力に働きかけるため、ほとんど副作用はないとされています。しかし、まだ薬剤の金額が非常に高いため、誰でも使えるとはいえず、現段階では使用される方は限定的でないかと推測されます。

今後も、このような低襲性(患者さんの負担が少ないこと)の治療方法が開発される可能性は非常に高いと考えてよさそうです。現在でも、大学病院はじめ医療機関によって多くの薬剤の「治験」が行われており、いずれ分子レベルでの治療がこれからの流れになるでしょう。

 

 

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