要注意!赤い発疹がいろいろな場所にできる乾癬(かんせん)!(画像あり)

要注意!赤い発疹がいろいろな場所にできる乾癬(かんせん)!(画像あり)

乾癬の概要

乾癬(かんせん)は皮膚の病気で、皮膚が赤く盛り上がった状態になってしまう病気です。銀白色の鱗屑(りんせつ)と呼ばれる皮膚の粉がぽろぽろと出る症状を伴うという特徴もあります。

国内に患者数は10万人以上で1,000人に1人程度(0.1%)の割合で発症するため、稀な病気と認識されていますが、現在増加傾向にあります。性別で見ると男性に多い病気です。年齢層は乳幼児から高齢者まで幅広いのですが男性では30代、女性では10代と50代に多いようです。人種間でも発症率は異なり、白人の場合は2~3%の割合と頻度の高い皮膚疾患として知られています。
残念ながら現在のところ完治は難しい病気ですが様々な治療法で症状を抑えることは可能です。さらに新たな治療法も登場しているので将来的には完治できる病気になるかもしれません。

乾癬 皮膚科

乾癬 皮膚科

乾癬は一部を除き細菌やウイルスが原因ではないので他人に感染はしません。また、体の特定の部位に発症するので全身に広がることもほとんどありません。

乾癬はその症状によって5つに分類されます。

尋常性乾癬

乾癬の90%は尋常性乾癬です。一般的に乾癬は尋常性乾癬を指します。慢性的に出没を繰り返します。前述の概要もこれから詳しく解説していく原因・治療法も尋常性乾癬の説明です。

滴状(てきじょう)乾癬

体の一部(脚や腕、頭皮、胴体)に滴状の紅斑を発症する皮膚疾患です。通常の乾癬とは違い、滴状乾癬の斑点には皮膚が盛り上がるような厚みがありません。

尋常性乾癬の次に多い疾患です。滴状乾癬は細菌感染やウイルス感染によって発症します。また30歳未満の成人、子供に多く見られるのが特徴です。

滴状乾癬は原因が細菌・ウイルスなので接触感染します。症状が軽い場合は簡単に治りますが、再発を繰り返したり生涯患う場合もあります。他の4つの乾癬とは違い、抗生物質で治療することもあります。

乾癬性紅皮症(こうひしょう)

基本的に乾癬は体の一部に発症する疾患ですが、乾癬性紅皮症は乾癬が悪化し、全身に乾癬の症状がみられる状態のことを示します。アトピー性皮膚炎と区別がつきにくいこともあるようです。発症頻度は低く特殊な症状です。乾癬から乾癬性紅皮症に進行する理由は解っていませんが、乾癬の治療が合わない場合に発症することがあります。乾癬が全身に広がった場合には早急に治療する必要があるケースもあるのでなるべく早く病院で診てもらいましょう。

膿疱性(のうほうせい)乾癬

乾癬のうち発熱や紅斑とともに膿疱(のうほう)と呼ばれる皮膚に膿(うみ)が溜まったものが出現するタイプを膿疱性乾癬と呼びます。高熱に加え、全身がむくんだり関節が痛くなることもあります。膿疱は血液中の白血球のかたまりなので人に感染しません。男女比に差はなく、50~70代の患者が多く現在増加傾向にあります。膿疱性乾癬は稀な病気で、国の特定疾患に指定されています。

強い炎症やむくみが長期続くと、心臓や腎臓に負担がかかり命の危険性もあります。ほとんどの場合は原則入院治療です。
膿疱性乾癬も遺伝することが知られています。さらに原因遺伝子もいくつか特定されています。

関節症性乾癬

関節症性乾癬とは乾癬の症状に加え、関節炎も併せ持った病気です。手足の先端、その周辺に痛みや腫れがみられます。関節炎の症状だけ聞くとリウマチにも似ていますが、リウマチは第二関節に痛みを生じるのに対し関節症性乾癬は第一関節に炎症が見られます。

関節症性乾癬も原因は解っていませんが環境要因と遺伝的要因が影響して発症します。体の免疫システムが異常を起こして炎症物質が過剰に放出され、皮膚や関節で痛みや腫れを引き起こすことが解っています。

 

乾癬の原因

詳しい原因については現在のところ解っていませんが、自己免疫疾患の1つではないかと考えられています。何らかの理由で炎症を起こす免疫細胞が集まって活発に働き、毛細血管が拡張し、皮膚に赤み帯びた状態をもたらします。また、異常に活性化した免疫細胞は健康な表皮の細胞を攻撃します。結果的に表皮の細胞が10倍以上のスピードで生まれ変わり、過剰分が厚く積み上がって鱗屑となってポロポロと剥がれ落ちます。

つまり免疫細胞の異常な活性化と、それによって表皮の細胞の異常増殖が起こり乾癬の症状を引き起こしているのです。現在、乾癬の原因要素として、遺伝的要素と環境要素が考えられています。

遺伝的要素では前述した通り白人では発症頻度が高いことに加えて家族内発症率が20~40%と言われています。日本の場合は4~5%と低いです。遺伝的要素に加えて環境要素、不規則な生活や食事、ストレス、肥満、薬剤などの影響が加わると発症率が上がると考えられています。

乾癬 皮膚科

乾癬 皮膚科

乾癬の治療法

乾癬の治療法には大きく4つあります。患者さんの症状、ライフスタイルに合わせて選びます。一般的には外用薬から始め、効果が不十分な場合に他の治療法に進めたり、組み合わせたりします。

外用薬

外用薬ではステロイド剤、ビタミンD3剤が使われます。単独あるいは組み合わせて治療に使います。ステロイド剤は免疫細胞の活動、血管の拡張を抑えて炎症を鎮めます。特に紅斑に効果的です。即効性もありますがステロイド剤の長期使用は皮膚を薄くしたり、皮膚の感染症にかかりやすくするなどの副作用があります。ステロイド外用薬は強さによって5段階あり、症状に合わせて使い分けます。

ビタミンD3剤は表皮の細胞の異常な増殖を抑え、正常な皮膚に導きます。鱗屑や皮膚の盛り上がりに効果的です。効き始めるのに時間はかかりますがステロイドの長期使用時のような副作用の心配はいりません。まれに、のどの渇き、食欲不振、脱力感などの全身性の副作用を生じることがあります。

光線療法

肌の表皮に存在するランゲルハンス細胞と呼ばれる免疫細胞は紫外線に弱いことが解っています。その性質を利用して開発されたのが光線療法という紫外線を患部に照射する治療法です。外用薬だけでは効果が見られない場合、発疹の面積が広がってきている場合に使用されます。光源ランプを使って紫外線を患部に照射します。

近年一般的になってきているのが、UVBに含まれる有害な波長を取り除いた、ナローバンドUVB療法です。ご存知の通り紫外線は太陽光にも含まれているので適度な日光浴も推奨されています。

内服薬

光線療法でも改善が見られない場合、内服薬を用います。レチノイド(ビタミンA誘導体)は皮膚細胞の異常増殖を抑え、皮膚をなめらかにする働きも持っています。妊娠中または妊娠の可能性のある女性はレチノイドには催奇形成のリスクがあるので使用できません。レチノイドは単独あるいは光線療法と組み合わせて使用される場合もあります。

免疫反応を抑制するシクロスポリン(免疫抑制剤)も内服薬として用いられます。副作用には高血圧、腎障害があります。

生物学的製剤

これらの治療法で効果が見られない患者さんには、バイオテクノロジーを用いて開発された生物学的製剤で治療します。生物学的製剤とは生物がつくり出すタンパク質を元に作られた薬のことです。乾癬に用いられる生物学的製剤では、免疫細胞が情報を伝達する時に放出する「サイトカイン」に注目し、これらのサイトカインの働きを抑えます。現在日本で乾癬治療に用いられている生物学的製剤はここ数年で4種類発売されており、さらに2016年に入って新たに2種類の生物学的製剤が承認されています。投与方法はそれぞれ違いますが基本は皮下注射です。

生物学的製剤は高い効果があり、これまでどの治療も効かなかった患者さんには期待が持てますが、新薬のため費用が高いこと、副作用に感染症のリスクがあることがデメリットです。

これらの4つの治療法を試しつつ生活習慣も意識して改善することも大切です。バランスのとれた食事、適度な運動、睡眠時間をきちんと確保し、またストレスを溜めないようにしましょう。さらに、乾癬のできやすい部分は普段から保護してなるべく摩擦などの負担をかけないようにする、体を洗うときも強くこすらないように気をつけましょう。

 

乾癬の最新治療

前述した通り乾癬の治療開発は積極的に進められており、今後も新しい薬が開発・発売されていく予定です。アメリカでは2014年に経口選択的ホスホジエステラーゼ4(PDE4)阻害剤が重度の尋常性乾癬の治療薬として承認されました。口から飲むタイプの薬なので注射よりも利便性が高く、患者さんの期待も高い新薬です。

残念ながら日本ではまだ承認されていませんが、日本国内でも現在開発の最終段階にさしかかっています。

 

 

 

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