ビジネスマンの敵、ドライアイ!

ビジネスマンの敵、ドライアイ!

ドライアイの概要

ドライアイとは、軽い刺激の症状からから重症度症状まで幅広い範囲で問題を引き起こす可能性がある病気です。ドライアイの患者の人数は日本で約800~2,200万人と言われており、増加傾向にあります。オフィスワーカーの約6割はドライアイの疑いであり、労働生産性を低下させることや、睡眠の質を低下させるともいわれています。男性よりも女性に多い病気で、40歳以上になるとドライアイに罹患している人口が多いとされています。

ドライアイの人の目は涙がほとんど出ないから目が乾く、と思われがちですが、実はそんなことはありません。目に乾燥などの刺激が起きたとき、反射的に涙を生成するために脳を刺激し、涙を出すことはできています。しかしながらこの反射による涙だけでは、ドライアイの状態を改善するためには不十分なのです。

ドライアイを放置すると、涙液層が不安定な状態を継続させることとなり、目の表面に傷が付き、初期の状態よりも進行していくといわれています。進行すると、角膜が剥がれてしまうことや、視力の低下などを引き起こす可能性があります。

日本で2006年にドライアイ研究会により定められた定義としては「ドライアイとは、さまざまな要因による涙液および角結膜上皮の慢性疾患であり、眼不快感や視機能異常を伴う」とされています。

 

ドライアイの症状

ドライアイについて説明する上で、涙の役割が非常に重要になってきます。涙の役割は、目を保護することや、雑菌を洗い流すこと、目の表面に栄養をいきわたらせることです。通常、目は涙液層という涙の膜が角膜層の表面を覆っている状態が保たれています。涙液層というのは、油層と液層とムチン層の3層から構成されています。油層はマイボーム腺という場所から分泌されている、脂質を含んだもので、目の表面からの蒸発を抑えています。液層は涙腺から分泌され、角膜の表面を覆っていますが、余分な涙は目頭にある涙点という場所を通って鼻腔へと流れ、鼻水となります。ムチン層はねっとりとした糖蛋白で、目の表面にぴったりとくっつく働きや表面全体に均等にいきわたるような働きをしています。これらの3層がそれぞれバランスを保って涙液層は存在しています。しかし、角膜や結膜が損傷することなどによって、涙液層が不安定になると、不安定で断続的な不快感が生じてしまいます。

具体的な症状としては、充血する、目に痛みがある、かゆみ、涙が多くなる、ざらざらした感じがする、チクチクした感じや異物感、目やにが多くなった、まばたきの回数が増えた、視界がぼやける、眩しく感じる、頭痛、まぶたが重く感じる、目が疲れやすく感じるなどの症状が出ます。

 

ドライアイの原因

ドライアイの原因は様々あるとされており、挙げていくとキリがありません。アレルギー、加齢に伴うホルモンの減少、妊娠、甲状腺眼の症状、まぶたの炎症(眼瞼炎)、抗精神病薬、市販の風邪薬、抗ヒスタミン薬、高血圧の薬であるβ遮断薬、鎮痛剤、睡眠薬、利尿薬、ホルモン薬および経口避妊薬、サプリメントの使用、化学的な飛沫によるもの、目の損傷、眼科手術、コンピュータやビデオスクリーンなどを長時間みつめることによるまばたきの不足、パーキンソン病、環境(埃っぽい、風の強い、暑い、乾燥している)、コンタクトレンズの使用、脳卒中を含む神経学的条件、屈折矯正手術(レーシックなどの手術)、ヘルペスウイルス感染およびブドウ膜炎、虹彩炎などの炎症、糖尿病、ビタミンA欠乏症など、様々ありますが、これも原因と考えられているものの一部です。実際のところ、はっきりとした原因は現在分かっていません。

 

 ドライアイの診断

ドライアイは自覚症状、涙液異常、角膜上皮障害の所見が重要であり、この三つの組合せで診断が決まります。

涙液異常の検査として、シルマー試験(Ⅰ法)と涙液層破壊時間(BUT)があります。シルマー試験は目にろ紙をはさみ、五分後にその湿潤部分の長さを測定し、涙の分泌量を測定します。涙液層破壊時間(BUT)は、目をあけている状態でどのくらいの時間で涙液層が安定性を保てるかの検査です。

角膜上皮障害の検査として、フルオレセイン染色、ローズベンガル染色、リサミングリーン染色の3種類があり、フルオレセイン染料が、最も一般的に使用されています。これらの検査は、目のどの部分が障害されているかによって反応が異なるため、使いわけられます。

ドライアイ 眼科

ドライアイの治療

ドライアイの治療として一般的なものを以下に述べます。

点眼薬

点眼薬は、人工涙液やヒアルロン酸製剤、ムチンを含む薬剤が効果的だとされています。防腐剤の一部が眼表面に悪影響を及ぼす可能性もあり、特に重症のドライアイでは防腐剤が含まれないものの使用が推奨されています。

涙液の保持を目的とした処置

涙点プラグと呼ばれる、涙の出口である涙点を防ぐプラグをいれることによって、涙が流れ出てしまうことをとめる治療です。最近では特殊な液体を涙点から流し込み、固める治療も存在し、その簡便性について評価されています。その他にも古典的な方法として涙点を縫い合わせる手術(涙点閉鎖術)等もあります。

目の保湿

眼表面の保湿には、加湿器の使用やエアコンの設定変更も有効です。ドライアイ眼鏡(眼鏡の周りに覆いがついており保湿に有効とされる)についても一定の効果があると報告されています。また、涙液の質が低下するグループにおいては、温罨法といって、目の周りを温める事で、瞼からの油分の分泌が改善し、涙液の質が向上したり、血行が良くなることでドライアイが改善する場合もあります。

重症ドライアイの治療

重症ドライアイにおいて、涙液の量・質の低下に対して、自己血清点眼が行われる事があります。自己血清点眼は採血後、血性成分から涙液に似た成分を抽出します。保存が難しく、定期通院が必要な治療法で、重症疾患に限られます。この治療を検討するレベルだとドライアイの名医への受診が望ましいでしょう。

原因除去

ドライアイの治療は、涙液の分泌が足りないタイプ、涙液をうまく保持できないタイプ、涙液の質が低下するタイプなど様々です。中でも、コンタクトレンズの長時間装用に伴うものやVDT関連のドライアイ(パソコン業務などのモニターを長時間注視することに関連するものドライアイ)の増加が社会問題となっています。適切な指導に知ったコンタクトレンズの装用やモニター作業(一時間を超えないように作業し、作業時間中に10分~15分の休憩を含める)が推奨されています。また、シェーグレン症候群をはじめとした全身疾患と関連したドライアイの可能性もあるので、名医の診断の元、原因に対する的確な治療を考えてゆく必要があります。

 

ドライアイの今後の治療

現在、ドライアイについて完治する治療法は確立されていませんが、様々な点眼薬による対象療法が有効であるとされています。現在主流となっている、保水角膜保護・涙液、ムチン分泌促進薬である、ヒアルロン酸ナトリウム点眼液やジクアホソルナトリウム、レバミピドに加えて、免疫、抗炎症薬の併用療法や、ホルモンバランスを整える目的でのエストロゲン類が研究・開発段階にあり、原因に即したより効果的な治療の導入が期待されています。

 

 

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