肺が徐々に硬くなってしまう病気、間質性肺炎は普通の肺炎と何が違うの?

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肺が徐々に硬くなってしまう病気、間質性肺炎は普通の肺炎と何が違うの?

「肺炎」と「間質性肺炎」の違い

肺は、肺胞とよばれる0.1mm-0.2mmほどの小さなスポンジ状の袋がぶどうの房のようにたくさん集まってできています。

気道から吸い込まれた空気は、肺胞の細部までいきわたり、伸縮を繰り返します。肺胞の周りには薄い壁があり、これを「間質」と呼びます。この間質の部分に毛細血管が網の目のようにはりめぐらされ、ここで酸素吸収が行われます。酸素を吸収した血液は心臓へ戻り、そこから全身へ酸素をいきわたらせます。

肺炎には、この肺胞がウイルスや細菌により炎症を起こすものが原因とされていますが、間質性肺炎は、外側の間質が炎症を起こした状態をさします。通常の肺炎とは異なった経過をとるため、区別されています。

間質性肺炎は初期症状がないことも!

間質性肺炎は50歳以上の男性に多いとは言われてはいますが、年齢や性別による区分による報告はでていません。また、10万人に対し、10〜20人が診断されているといわれていますが、初期では、無症状であることも少なくないため、進行に気がつかない方など、診断されていない方も多くいらっしゃると考えられます。

肺の間質が炎症を起こしていくにつれて、肺胞の壁が厚くなり、形も不規則になることで、肺全体が硬くなっていきます。その結果、肺のふくらみが悪くなり、肺活量が低下するとともに、今まで効率よく吸収できていた酸素を体内にとりこむことも難しくなり、呼吸がしづらくなります。また、さらに進行することによって、肺が部分的に繊維質となり、肺としての機能を失っていきます。

 

間質性肺炎の主な症状は息切れ、空咳

間質性肺炎の主な症状は、「息切れ」と「空咳(痰が出ない咳)」です。運動時以外にも、日常的に息切れしやすくなります。症状の初期では、普通の日常場面では、特に息苦しさを感じることは少ないですが、症状が進行するにつれて、階段や坂道の歩行がきつくなり、さらに症状が進んだ場合は、歩行だけでなく、着替えをするだけで、息切れをすることがあるようです。

また季節に関わらず、日常的に咳がでます。身体を動かした時や、何か始めようとしたときなどに、咳が誘発されてでることが多いです。この場合、痰はからみません。しかし、執拗に続く咳は、体力の消耗を伴いますので注意が必要です。息切れと咳によって、常に息苦しさを感じることが多くなります。

進行速度は、個人差がありますが、長年かけて症状が進行していくことが多いです。また間質性肺炎が進行して肺線維症になると、持続する咳によって肺が破れ、心不全のリスクも高まりますので注意が必要です。

 

間質性肺炎の原因は多岐にわたる

通常の肺炎が、風邪やインフルエンザなどのウイルスによるものや、細菌からの感染によって引き起こされるのに対し、間質性肺炎は、金属や石綿などの粉じんを慢性的に吸入することや、ペットの毛やホコリなどを繰り返し吸入したことによるアレルギー性のもの、抗がん剤や漢方薬の小柴胡湯、インターフェロンなどの薬剤性のもの、関節リウマチや多発筋炎、全身性強皮性、皮膚筋炎などの膠原病由来のもの、がんなどの治療に用いられる放射線治療による、強い被曝の際に発症することがあげられます。

また、薬剤性の原因の一つに、風邪薬の副作用の一つに間質性肺炎を伴う場合があるため、必ず用法、用量を守って使用していくことが重要となります。この他にも、一時的にインフルエンザなどによるウイルスによって発症する場合もあります。喫煙は直接的な原因とは考えられていませんが、危険因子の一つです。

間質性肺炎の場合は、長年かけて症状が進行していくと考えられていますが、風邪などを契機に症状が急激に悪化することがあります。最悪の場合、死に至ることもないわけではありません。日常生活上で手洗いうがいなどを徹底するとともに、インフルエンザなどの予防摂取を行い、他の病気にかからないことが重要と考えられます。

これらの原因の他、間質性肺炎の多くが原因不明である場合が多く、特発性間質性肺炎と呼ばれます。特発性間質性肺炎の中で、最も頻度が高いのが、特発性肺線維症と呼ばれる病気で、診断されからの予後が約5年などともいわれており、早めの受診が重要となります。また、難病指定されており、医療費の公費負担を受けることができます。手続きの際は、お近くの市役所で確認を行うことができます。

参考:日本呼吸器学会 http://www.jrs.or.jp/modules/citizen/index.php?content_id=20

間質性肺炎 呼吸器内科

間質性肺炎の検査法

問診・胸部聴診、胸部X線・CT検査、呼吸機能検査、血液検査などを行います。

問診

喫煙歴、服薬歴、粉じん歴、症状、経過などを聴取します。

胸部聴診

パチパチとした、髪の毛をひねるような音や、ばりばり、というようなマジックテープを剥がすような音が、きかれることが多くあります。

胸部X線・CT検査

間質性肺炎初期症状で、下部から全体がすりガラスのように白くかすんだ状態を調べることができます。症状が進行すると線維化が進むことによって肺胞の一部がつぶ
れてしまう一方、一部の肺胞は拡大し、蜂の巣状の陰影がみられます。

呼吸機能検査

肺のふくらみや、酸素をとり込める量を調べます。どのくらいの空気を吸い込んで吐き出せるかの量を調べます。肺活量は、年齢や体格から算出された平均値との比率のことをいい、そこから重症度を測定します。

血液検査

炎症反応と肺組織の破壊程度を調べます。ただし、炎症反応(LDH、血沈、CRPなど)は、風邪や、通常の肺炎でも上昇しますので、見分けるには胸部画像検査なども行う必要があります。肺組織の破壊の程度をみるためには、SP−A、SP-D、KL-6などのマーカーを調べ、これらの数値が標準値より上昇していれば、間質性肺炎であることが判明します。そのため、信頼度の高い検査といえるでしょう。

間質性肺炎 呼吸器内科

間質性肺炎の治療法

薬物療法と酸素療法の2種類が主な治療法です。

副腎皮質ステロイド剤と免疫抑制剤を使用する薬物療法

通常、副腎皮質ステロイド剤と免疫抑制剤の薬剤が使用されます。しかし、これらの薬剤を長期間使用していくことによって、易感染症や、胃潰瘍などの重い副作用がでてしまうことがあります。そのため、症状にあわせて、治療法を決定していく必要があるため、経験を積んだ名医を受診することが望ましいでしょう。症状が軽度の場合は、積極的な薬物療法を行わず、経過観察をしていくことも多いようです。間質性肺炎に対して、根本的な治療を行わず、咳を鎮めるなどの対処療法を行っていく場合もあります。

特発性間質性肺炎に関しては、これらの薬剤の他、抗線維化剤が用いられることもあります。

酸素ボンベを使用する酸素療法

血中の酸素濃度が低いと日常生活に支障がでるため、酸素ボンベから酸素を吸入するなどの、酸素療法を行うこともあります。この場合、自宅への酸素吸引器の設置や、外出の際に小型の酸素ボンベを携帯し、チューブを通して鼻から吸引します。

また、上記の2種類以外に、呼吸療法などのリハビリテーションを行うこともあります。通常、呼吸がしやすくなるようなストレッチなどの他に、全身筋力低下を防ぐようなリハビリも患者さんに合わせて行っていくため、日常生活を送る上で重要となります。

その他の治療法

ほこりや粉じんなどのアレルギーが起こっているなど、環境因子による原因が強い場合は、生活を改善していくことも必要です。漢方薬やサプリメントなどが、症状を悪化させている場合もあるため、主治医に報告し、自己判断で摂取しないようにしましょう。喫煙が原因の一つと考えられる場合、ただちに禁煙を行っていく必要があります。免疫力の低下や、風邪やインフルエンザの感染によって、症状が急激に悪化する場合もあります。そのため、冬場は人ごみを避けて、安易にウイルスに感染しないようにし、予防接種を受けたり、外出した際には、手洗い、うがいなどを徹底しましょう。室内の安定した室温と適度な加湿をして、快適な生活を心がけることが大切です。

普段から、規則正しい生活をこころがけ、栄養のある食事や適度な睡眠をとり、抵抗力をつけることで症状の悪化を予防していくことができます。また便通のコントロールも重要となります。長期におよぶ咳によって、体重減少がみられることがあるため、定期的に体重測定を行っていきましょう。

 

 

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