OKサインを手で綺麗に作れないのは手根管症候群の疑いあり!

OKサインを手で綺麗に作れないのは手根管症候群の疑いあり!

手根管症候群の概要と原因

手根管症候群とは、手首の付け根(手根管)を通る正中神経が圧迫されることで起こる病気です。このように神経が圧迫されて起こる疾患のことを「絞扼性神経障害(こうやくせいしんけいしょうがい)」といいます。手根管症候群はその中で最も多く、一般的にみられる疾患といえます。

なぜ多いのでしょうか?その原因は手の付け根部分「手根管」の形状にあります。手根管は狭いトンネルの様な形をしており、その中に骨(手根骨)や、手の指を動かすための8つの腱、靭帯(屈筋支帯)、正中神経と多くの組織が密集した部位になります。すなわち過度の手首の運動や、何らかの原因によって正中神経が圧迫されやすいのです。

手根管症候群の発症は女性に多いです。特発性の疾患で原因不明とされていますが、手首を屈伸させる動作を繰り返し行い、酷使することで引き起こされると考えられています。また生まれつき手根管が細く発症しやすい方もいらっしゃいます。具体的な年齢や性差では30代~50代の女性が最も多くなっています。特に妊娠や出産の時期が多いことから、女性ホルモンと関連している可能性があるともいわれています。

その他に仕事やスポーツで同じ手作業を反復して行う方、透析治療を受けている方に(アミロイド沈着)多いのも特徴です。その他にも手首周辺の骨折や脱臼、腱鞘炎、関節リウマチ、腫瘍(ガングリオン)、甲状腺疾患(こうじょうせんしっかん)、糖尿病など、様々な疾患が原因となり発症します。

以上のように、なかなか「こういう方がなりやすい」と一言で表すのが難しい症状になります。

手根管症候群 整形外科

手根管症候群の症状

手根管症候群の代表的な症状としては、手や手首の痺れや痛み、知覚の低下、筋力低下の3つがあります。低位性正中神経麻痺といわれる状態です。

手根管症候群による症状を判別する方法としてティネル兆候があります。これは、手首の真ん中(一番細い部分)をペンや打鍵機などで叩くと指先の痺れが強くなる状態です。また、手首を手のひら側に曲げ(掌屈)1分間ほど保持することで痛みが増強するかを確認する方法(ファレンテスト)もあります。しかしこの方法は症状を増悪させる危険性があるため、無闇に試さず医師の指導のもとで行うことをおすすめします。

手を酷使したことが原因で発症した場合は片手のみに症状が出ることが多いですが、それ以外の場合では両方の手に症状が出ることもあります。痺れや痛みの部位としては通常親指、人指し指、中指、くすり指(中指側)の4本に出る場合が多いです。しかし個人差があり、手全体に痺れを感じる方、腕全体に症状(放散痛)を訴える方もいらっしゃいます。夜中や明け方に強くなる傾向があり、時に燃えるような痛み、疼くような痺れを感じ夜中に起きてしまうことさえあります。また手をぶらぶらと振ったり、指の曲げ伸ばしを繰り返すことで痺れが楽になるのが手根管症候群の特徴です。

知覚低下では冷たいものを冷たいと感じない、触られた感覚が鈍い状態(感覚鈍磨)となります。この症状は、感覚的に違和感を感じるのですが、痺れや痛みと比べると少し気づき辛い場合が多いです。

筋力低下は特に親指の付け根(母指球)の筋肉が顕著です。物をつまむ動作や、ボタンをかける動作が困難になります。治療しないまま放っておくと、気づかないうちに筋力の低下は進行し日常生活での制限が増えていきます。まず親指と人差し指で丸を作る「オッケーサイン」を綺麗に作ることが出来なくなります。見た目で分かりやすいのが母指球の委縮で、親指の付け根の筋肉が明らかに痩せ細った状態になります。手根管症候群で最も問題となるのはこの筋力の低下であり、進行が進むと自然回復が見込めず手術が必要となることもあります。自動車の運転や、裁縫作業、炊事など家事全般に生活に困難が生まれますので、早めに整形外科を受診し適切な治療を開始する必要があります。

手根管症候群 整形外科

手根管症候群の治療

手根管症候群の治療は大きく分けて、手術をする方法(外科的治療)とそれ以外の方法(保存的治療)の2つがあります。痛みや痺れ、筋力の低下が軽度〜中度の場合には保存的治療から始めるのが一般的です。

まず保存的治療にはどのような種類があるのかを説明していきます。

1つ目は装具やサポーターで手首を固定する方法です。手首の関節を、手の甲側へ20°曲げた(背屈)状態で固定します。これは手根管に一番負担の少ない姿勢で安静状態を保つためです。仕事やスポーツなど手の酷使が原因で発生した手根管症候群については、安静で症状の改善が期待できます。ただし、症状軽減後に同じような仕事を再開すると、再び症状が悪化することが多いです。また長期間に及ぶサポーターの使用は、手首をあまり動かさないため、手首や指の筋力低下が進んでしまったり、関節が硬くなってしまう(関節可動域制限)リスクがあります。

2つ目はステロイドを手根管に直接注射する方法です。ステロイドは痛みや炎症を抑える薬で、手根管症候群の症状軽減に効果があったという報告が多くなされています。症状回復の程度に関しては、正中神経がどの程度圧迫されているか、状態によって差があるといわれています。またステロイド注射によって痛みや炎症が改善した方でも、痺れは最後まで残ってまうなど個人差があります。ステロイドは非常に強い薬であるため、一度注射を行うと3ヶ月ほど効果が持続する場合もあります。それと同時に副作用を起こす可能性もあるので、あまり頻回に注射を行うことはおすすめできません。

3つ目は飲み薬による治療方法です。副作用の少ない非ステロイド系の鎮痛薬や、利尿剤、ビタミン製剤が処方されることがあります。ビタミンB12には神経の細胞を修復して治す働きがあるため、手根管症候群の症状を緩和させる効果が期待できるとされています。

4つ目はリハビリテーションです。前述した筋力低下や関節可動域制限を予防もしくは改善することで、日常生活での動作を円滑にすることが目的です。具体的には手首や指のストレッチや、特殊な装具(対立装具)を使い関節が硬くなるのを予防していきます。また筋力の低下が起こらないよう、手根管に負担をかけない状態で、手の指や手首の運動を行います。また指の感覚が鈍い(知覚低下)症状がある場合は、いろいろな物を握って鑑別する作業などを行います。

 

手根管症候群の手術

手根管症候群の症状が進行して、痛み痺れが酷い場合、親指の付け根の筋肉が痩せてしまった場合、日常生活に大きな不便がある場合は手術をする必要があります。

手術では正中神経の圧迫の原因となる組織(横手根骨靭帯)を切開していきます。手術の名称は「手根管開放術」といいます。以前までは手首から前腕まで大きく切開する方法が主で、術後の痛みや患部への負担が大きかったそうです。しかし現在ではそのようなことはなく、内視鏡を使用した術式が主流となっているため、傷跡も数センチほどで済むようになっています。

手根管症候群の手術後は、日常生活に支障が出るような強い痛みや痺れはすぐに取れることが多いですが、完全になくなるまでの期間には個人差があるようです。また手術前に親指の筋肉が痩せていたなど、筋力の低下が強かった場合は、手術後も継続的にリハビリテーションを続け、日常生活での動作に不便が少なくなるよう改善していく必要があります。痛みや痺れが完全になくなるまでは、なかなか不安な毎日になることも多いため、できるだけ手根幹症候群の名医と呼ばれる整形外科医を探して受診されることをお勧めします。

 

 

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